表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
40/43

40話 尻ピン

 リーンの旦那発言で辺りは静まり返ったが、その数秒後には家臣さん達からキャーキャーと大歓声が上がった。

 

 その凄まじい家臣さん達の興奮状態に、今この場でリーンの発言を否定なんて無理だと諦めるしかなく、挨拶の為に家臣さん達の方へと笑顔で進んでいく。


 ……ただし、隣のリーンに小声で話し掛けながら。


「さっき不要な設定が増えていたと思うんだけど? どういうことか、説明して欲しいな~」


「どうしてと言われましても……つい勢いで」


「つい? 勢い?」


「ですわ」


 ───ビシッ───


「痛…ですわっ!?」


「俺かユノレベルじゃないと見えないスピードで、デコピンをした。……いや、お尻にしたから尻ピンか。これだけの騒ぎを起こしたんだ。ちゃんと言わないと、また尻ピンだぞ?」


「うっ、だって……仕方なかったんですの」


「仕方ない? どういうことだ?」


「……」


「……」


 ───ビシッ───


「いたっーいです! ううっ、言いますわよ。エイジさんとユノさんが、ただならぬ雰囲気でしたので、つい……対抗してしまったんですわっ!」


 対抗?

 ユノと俺に?


 どういうことだ?


 名前の出たユノをチラと見ると、ユノは口パクを繰り返す。


 え~と?


「や…き…も…ち…よ……ヤキモチよ?」


 ヤキモチ……ヤキモチって、つまり?


 以前ユノに、リーンからの力の供給量が断トツと、確か教えられたことはあるが、あれって感謝してるからってことじゃなく、そういうことなのか?


 もう一度ユノを見ると、ユノはコクンと頷く。



「ほら、そういう雰囲気ですわ。ビンビン感じるユノさんの勝者感、それにその二人の以心伝心的な感じ。そんなの見せられたら、何かあったんじゃないかと勘ぐってしまい、つい対抗もしてしまいますわよ……」




 ◆◆◆


 

 一日の間に褐色エロボディ美女だけじゃなく、金髪ドリル系お嬢様にまで告白されるという、漫画みたいな出来事に、これは夢じゃないかと自分に尻ピンしてみると、なんとクッソ痛かった。


 つまりこの出来事は夢じゃないわけだが、何て答えれば良いんだろう?


 この世界に転生する時には、ハーレム万歳とか思っていた。

 可愛い女の子達とキャッキャウフフなんて、誰でも夢みるだろ?


 でも、いざ複数人の女の子から、同時に好意を向けられまくると、尻込みしてしまうというか……。



「ん? ユノ? どうした?」


「あのね」

 

 どうしようと歩いていると、後ろからポンポンッと肩を叩かれ、振り返るとユノが普通に話し掛けてきた。


 ユノが告白してくれた時のことを考えると、ユノこそヤキモチを焼いてるんじゃないかと心配したが、本当に普通だ。

 


「私にリーンと話をさせて。その間にアナタは救助活動をお願い」


「何の話をするつもりだ?」


「ひ・み・つ。でも信用して」



 ◆◆◆



 ユノに信用してと言われたら、信用するしかない。


 だからリーンの事はユノに任せ、俺は言われた通り救助活動に全力を出すことにした。


 しかし全力といっても、俺一人で帝都中の人を回復させることは不可能だ。

 さすがに魔力が尽きて、ガス欠になってしまう。


 だからチートな魔法の中から二つ……体力持続超回復と魔力持続超回復の魔法を、救助活動をしている人達に掛け、その活動をフォローする作戦でいこうと思う。


 Vーマッスルの発動中にも掛けるこの魔法、超が付くその名前のとおり回復量が半端ないから、救助活動の助けになるはず。


 まあそんな超回復でも、Vーマッスルの魔力と体力のとてつもない消費量は、カバー仕切れないんだけどね。




「あの、仙人様」


「ん? あっ、はい。何ですか?」


「私、モーデルと申します。サジタリウス家の元親衛騎士団長です」


 うん、知ってる。

 でもこの人には、知らない振りしないとね。


「はじめまして。でも俺のことは仙人じゃなく、エイジと呼んで下さい。田舎育ちで丁寧な言葉遣いが苦手なので、フレンドリーに呼んで接してくれると嬉しいかな」


「そんな! リーン様の旦那様を呼び捨てなど」


 う~ん、やりにくい。


 まあ、でも仕方ないか。

 元の世界で例えるなら、フレンドリーに呼び捨てしてと、社長夫人が社員に言ったようなものだからな。

 そりゃあ困惑するか。


 とりあえず、俺だけでもフレンドリーに接しておくか。

 そのうち皆も打ち解けてくれるだろう。


「そうですか。それでモーデルさん、何か用事が?」


「はい。城内の救助をしている者達が聞いた話なのですが、ご報告しておいた方がよろしいかと思いまして」


「城内の?」


「はい、皇帝のことなんですが」


 

 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ