38話 心配
崩壊していく部屋の中、『そうだ身体の中だった。回復魔法が発動出来れば、ここの修復が出来るかも』と思い付いたが、それは少し遅かった。
思い付いた時には、俺とユノは床下の空間へ吸い込まれ、暗い空間をバラバラに落下し始めていたから。
しかしその落下は、意外にも直ぐに終わった。
それも柔らかい布団の上に、ゆっくりと寝かされるような感覚で着地して。
「ユノ、どこだ? あ? おい、なんでここに!?」
落下が終わって直ぐ、離れ離れになってしまったユノの姿を探すため、急いで身体を起こすと、ここも部屋の造りをしていることが分かったが、目の前にいる存在の意味が分からない。
「どうしてリーンがここにいる? いやそれより、ユノ、ユノを知らないか?」
「気が付いたのですね。良かった、本当に良かったですわ」
「ああ……うん、ありがとう。それでユノを知らないか?」
「ユノさんでしたら、そちらに」
そう言って教えてくれた方向を見れば、ちょうど上半身を起こそうとするユノの姿が見えた。
そして向こうも俺を見付けたからだろう、不安そうだった顔がパッと明るい表情へと変わる。
うん、可愛いね。
今はリーンがいて無理だから、後でいっぱいハグしてあげよう。
「リーン? それで、どうしてここにいる?」
「待機するようには言われていましたけど、世界樹が消えてしばらく経ってもお戻りにならず心配で。ですから馬車を走らせ、皆と一緒に探しに参りましたのよ」
ん? 馬車?
俺達の身体の中へ……馬車で?
意味が分からんぞ。
それになんだって?
世界樹が消滅した?
「リーン、ちょっと何言っているか分からない。悪いが何があったか、順に説明してくれるか? ああ、その前に一つ……いや、二つ教えてくれ、ここはどこなんだ? それとアイリさんはどこにいる?」
「私も訊きたいことが山ほどある状況ですけど、分かりましたわ。分かる範囲でご説明しますわ。それで……この場所がどこかでしたわね? ここは帝城の中ですわよ」
「帝城の中? 本当にか?」
「嘘じゃありませんわよ。先ほど申しましたとおり、帝都の中を馬車で進んで、ここまで来たのですわ」
……ってことは、今のこの身体はもう魂の状態じゃない?
それであそこにユノがいるってことは、俺達は分離して元の身体に戻った?
「エイジさん?」
「ああ、悪い。続けてくれ」
「はい。それでアイリさんですが、帝都の外に待機している時、世界樹が襲ってきたんですの。その時から姿がありませんわ。ですから今、モーデル隊長指揮のもと、帝都中で倒れている人達の救助を行いながら、お探ししていますの」




