36話 責任
「ちょっと……こんな時に……気が狂ったの?」
いくら魂とはいえ、いきなり服を脱がせ生乳に触れた俺に、ユノは非難の視線を向けてくる。
それは当然の反応だろうが、これは決して気が狂ったからでも、邪な気持ちからやったことでもなく、ユノに力を取り戻させようとして、唯一思い付いた賭けなんだ。
同居状態のユノにエロい気持ちを向けても、全く効果がないことは、何十回と試してきたから当然知っている。
今も同居状態に変わりはないが、この部屋で苦しむユノを見付け抱き起こした時、まるで現実世界で触れているかのように、そこにユノを感じたから、もしかしたらと賭けたんだが……賭けには勝ったようだ。
さっきまで息絶え絶えで、俺に非難の視線を向けていたユノが、今は目をパチクリとさせながら、動かせるようになった手や足を見ているんだからな。
◆◆◆
「そういうことだったの。アンタ童貞だから、最期かもしれないなら最後に……って、襲ってきたのかと思ったわよ。う~ん、まあ、助かったから、今回のことは許してあげようかな」
回復したユノに賭けのことを話し終わったが、どうやら生乳おさわりの件は、無罪放免となったようだ。
「……でも、責任はとってね」
「責任? ああ! この状況から脱しろってことだな。もちろん、それは今から考えて……」
「う~ん、それもあるけど。こっちの責任もとって欲しいの」
「ムッ……ムグっ!?」
ユノの顔が俺の顔に近付いたと思った瞬間、柔らかな感触が俺の唇に押し当てられた。
「何……を!?」
「責任よ」
「責任?」
「私ね、今まで沢山の女の子を相手にしてきたから、何度も胸を触られたことはあるけど、今回ほどドキドキしたことはなかったわ」
「ちょ、ちょっと待て! 胸を触られてムラムラしたから、相手しろって?」
「違うわよ! ムラムラじゃないわよ! こんな外見子供で中身オッサンの童貞なんか、何とも……何とも思ってなかったはずなのに。悔しい!」
酷い言われようだが、なんだこの展開?
こんな展開、漫画じゃなくて現実に起こるのか?
「そ、そうだ、色々ありすぎたせいで、混乱してるんだな。ちょっと冷静になるため、時間を置こうか。そうすれば混乱も収まるはず」
「冷静よ、私は。自分の気持ちに気付いちゃって、冷静じゃいられなくなるほど冷静よ!」
「ちょっと待て! それは冷静じゃないってことだぞ!」
「良いのよ。アンタが現実の身体に戻してくれるとして、現実の世界にはリーンもいるし、他の女の子もいる。そしてアイリ……。だから、もう! 上手く言えない!」
「ちょちょちょちょちょっと!?」
「柔らかいのに固い……これが私の中に挿いるんだ」
ユノを回復させたのが、今だけは失敗だったようだ。
抵抗する時間さえ与えられずベッドに押し倒されると、いつの間に裸になったのか、むき出しとなった下半身が、俺の下半身に押し当てられた。




