33話 推測
《今までのことから考えるとね、目の前のこれは世界樹ではあるけど、神様が生やした世界樹じゃないと思うのよ》
警備日誌を読んだ後、どうしても最悪な考えに辿り着いてしまい、別の可能性が無いか考えていると、同じように黙っていたユノが話し始めた。
俺もこれはユノが言ったようなモノだと考えているが、どうかその先は違っていてくれ……。
《それじゃあ、どうやって生えたのかってことになるけど、神様の力を使い果たした以前の世界樹の一部があったとして、それが神様とは別の力を吸収し成長したとしたら? それなら辻褄が合わない? 神様の力が中に入ってないんだから、私達が認識出来なかったこととかさ》
《確かに辻褄は合うな》
《そうよね? それでその力は、帝都の人間何万人から、何年もかけて吸収したのかしらね。それなら神様の力と同等とはいかなくても、ソコソコの力は貯まるでしょうから。それでその吸収した力が貯まった時、一気に成長したんじゃない?》
《それが数日前か》
《皇帝戦争で、帝都の人が増えたのも影響したのかもね。それでその吸収した力だけど、今それはどうでも良いわね》
《良いのかよ》
《良いのよ。力が何だったのかなんて。ついでに言うと、皇帝が世界樹を操っているのか、もしかするとあの皇帝の様子から、その逆なのかもしれないけど、それも大した問題じゃなくなったわ》
《どういうことだ?》
《ここからが問題だからよ。私の考えが合ってたとすると、アンタが逃げる為に地盤沈下させた穴、その直ぐに修復が始まった穴から芽が出たってことは、アンタが地盤沈下を発生させた時、その時に世界樹の一部を持つ人物がここにいて、意図的かどうかはわからないけど、その人が世界樹を穴に落とした可能性が……》
あぁ……、ユノも結局俺と一緒だったか。
誰かが消滅させた世界樹。
その一部を持っているとすれば、世界樹消滅に関わっている可能性が高い。
しかし、あの時にいた警備兵達が、それに関っていたとは、ちょっと考え難い。
じゃあ実は皇帝が世界樹消滅に関わっていて、持っていた世界樹の一部を、誰かに指示して埋めさせた……も無いだろう。
ワザワザあの穴にする意味が無い。
埋めた後どうなったか、確認しやすい場所に埋めるはずだ。
そうなると、思い当たるのはたった一人。
あの時に俺と一緒にいて、なおかつ世界樹と関わりの深いあの人……。




