表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
32/43

32話 警備日誌

 地下に着地して直ぐ見付けたモノ、それは帝都を覆っている木の幹の根元だ。


 皇帝には根が張っていたが、木がそこから生えた感じではなかったから、何処か別の場所から生えていると思ってはいたが、まさかこの場所とはね。


 しかし俺が牢にぶちこまれた時、こんな幹の根元は無かったし、小さな木すら無かった。


 その状態から、ここまでの成長……この変化なら何か形跡が残っているんじゃないか?


 神様が生やした本物っていうなら、形跡がないかもしれないが、この木が偽物だったり、もしくは本物だったとしても、例えば元の世界樹の枝を使ったり挿し木したりとか、誰かが意図的に生やしたりしたのなら、形跡が残っていたり、誰かが何かを目撃した可能性はあると思うんだ。



《これは……》


 都合の良いことにここは地下牢。

 投獄されている人がいなくても、常時警備兵が詰めている場所だから、こうなった状況を見た人がいないかと探したが、ここに人は見当たらなかった。


 変化にいち早く気付き階上に逃げ、そこで捕まってしまったのかもしれない。


 しかしだからといって、階上に行くのはリスクが高い。


 そこで机の上に置かれていた警備日誌を手に取り、俺が居なくなった当日のページから、急ぎ確認し始めたのだが、俺が居なくなった翌日に書かれた日誌に、気になることを見付けた。



《えっと、アンタが地盤沈下させた所は、翌日には修復が完了したのね。それで……気付いたらその場所に木の芽が一つ生えてるのを、その日の夜勤警備の人間が見付けた?》


《……》


《どうしたの?》


《ああ、いや。続きを確認しよう》


《そう? それで……抜こうとしたけど、妙に頑丈で抜けず、ハサミで切ろうとしても切れなかった》


《……》


《? ちゃんと読んでる?》


《あぁ》


《それで……その翌日は、皇帝戦争の準備で、忙しくなったことしか書いてないわね。四日目も……五日目も。それで……最新の日付のページまで、木の芽については、何も書いてないわね。たぶん大したことないからと、そのまま放っておいたか、忘れたのね》


《そう……だな》


《さっきからどうしたのよ?》


《いや、俺達が居なくなった翌日、俺が空けた穴に生えてきたって、ここまでタイムリーでピンポイントなことだとは、予想してなかったからさ》


《そうね。偶然とは》


《ちょっと思えないな》


 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ