28話 エルフ・アイ
《あれで隠していたつもりなの? 呆れるわね。アイリもリーンも気付いてるわよ?》
まさかの身バレで膝から崩れ落ちた俺に、ユノは追い討ちをかけてきた。
《アイリさんとリーンが気付いてるって?》
《アナタって、十二歳とは思えない言動をよくするのよ? それにさっきみたいに、意味の分からないことも言ったりするし。毎日一緒にいて、いったい何日経ったと思うの? 魂の同居状態じゃない二人でも、見た目どおりの年齢じゃないことくらいは、もう気付いてるはずよ。もしかすると私と同じで、別の世界の人ってことも、気付いてるかもね》
二人とは初対面がエロイベントだった。
あのイベントの後に、『実は中身はオッサンです』なんて正直にいうと、気持ち悪がられると思って、十二歳として接していたんだけど、バレバレだったと……。
しかしそうすると、俺はこれからどうすれば?
《まあでも、別に良いんじゃない?》
《他人事だと思って》
《今は他人事じゃないわよ。アナタと同居してるからか、アナタへの良い感情も私の力になってることが分かったって、同居して直ぐの時に言ったでしょ?》
《ああ、言ってたね》
《それで今、私に供給されている力を探ると、アイリとリーンと家臣の人が供給源になってるの》
《それで?》
《その供給量は日に日に増加してるんだけど、アイリとリーンは断トツなのよね、上昇の仕方も供給量も。正体を知ってその状況なのよ? 気にすることないじゃない》
《それが本当だとしても、バレたのと自分で言ったのでは……ん?》
《どうしたの?》
《何か匂わないか?》
トンネルのせいで、中にこもっていた匂いが出てきたんだろうが、なんだこの匂い?
《本当ね。流石は童貞、よく分かったわね》
《ばっ!? 童貞は関係ないだろ?》
《あるわよ。私は何度も嗅いできたから、ちょっと気付くのが遅れたけど》
《どういうことだ? いったい何の匂いだ?》
《これは女の子の匂いだけど……急いで中に向かった方が良いかもしれないわね》
★★★
女の子の匂い。
それがどういう意味か分からなかったが、急いだ方が良いと言われ、意を決してトンネルの中へと入った。
世界樹に覆われているから、当然トンネルを進んで行けば真っ暗になるんだが、流石はエルフ・アイ!
夜目が利くどころじゃない程に鮮明に中の様子が分かり、無事帝都へ辿りついたが……。
《何だこれ? これが女の子の匂いってことかよ!》
エルフの視力で詳細に分かる帝都の状況に、驚くしかなかった。
濃い匂いが立ち込める帝都内には、無数の細い枝が延び、その先を追っていくと、掌位の大きさの赤い花が咲いているが、こんな異常な花は見たことがない。
その花は中心にある雄しべのようなモノで、あちこちで横たわる裸の女の子の穴という穴を、クチュクチュと水音を立てながら犯しているのだから。




