19話 警備兵さん、こいつです
俺が【皇帝戦争】へ出場したいと申し出ると、リーンは『とんでもないですわ』と断ってきたが、リーンが皇帝になれば俺も隠れて生活する必要がなくなるからとか、適当な理由をいくつか言って、なんとか参戦を認めさせることは出来た。
だが参戦したからといって、必ず優勝出来るとは限らない。
皇帝を決める戦いなんだから、凄い戦闘スキルを持っている相手や、天才と呼ばれるような人外の強さを持った相手が、各家から出場する可能性は高いからな。
だから、これから一月ちょっとは……。
≪そういえばアンタ≫
≪何?≫
≪この私の姿を、大勢の前に晒して良いの?≫
?
世界樹が消滅した時、アイリさんは人から醜悪な存在に見られる呪いを、誰かにからかけられたと言っていたが、話を聞くとユノは違っていた。
ユノはエルフの耳ではなくなり、尻尾が生えただけだった。
その違いが発生した理由は分からないが、見た目がエルフに見えないなら、ユノが【皇帝戦争】に出で人から注目されても、全く問題ないはずだが?
逆に【皇帝戦争】で戦うユノを見て、ユノを応援してくれる人が出来れば、嬉しいくらいだ。
なぜなら、俺とユノが同居状態だから同一の存在と見られ、自分で自分を信仰していると判定されているのか、ユノに対して必死にエロい事を考えても、ユノには全く力が戻らないのだから、消滅を防止するには都合が良い。
≪分かっていないようね。私が刻印を打った方法や、刻印の力は教えたわよね≫
合体をしてしまった後、本当は教えたくはなかっただろうが、解除の手懸かりになるのではないかと、ユノは俺に刻印の詳細を教えている。
≪ああ、刻印を打ったのは、全て可愛い女の子なんだろ?≫
≪そうよ。私は可愛い女の子が好きなの≫
≪そして刻印を打たれて隷属したと言っても、人形のように扱える程の強い強制力は、無いんだよな?≫
≪ええ、そうね。強い憧れを抱く程度ね。だけど、それ故に私には攻撃出来なくなるけどね≫
≪だから、俺に刻印を打とうとしたと≫
≪そう、そう≫
≪ただ、刻印で繋がっているだけでは、あまり力を集めることは出来ないから、それを補う為に隷属させた後もたまに可愛がっているんだろ?≫
≪そうよ。一石二鳥でしょ? 性的な対象になることは、エルフの力になるのだから。ただ、力になると言っても、微々たるものよ。そう、微々たるものなのよ、普通はね≫
一人でアイリさんをあそこまで回復させた俺が、とても異常だったと言いたいのだろうが、知らんぷりしておこう。
≪それで? ユノの姿を大勢に見せて悪い理由が、今の話のどこにあった?≫
≪アナタ、鋭いのか鈍いのか、良く分からないわね。いい? 刻印を打った子達は、私の顔を知っているのよ? でも今その子達は、刻印の影響を受けていないの。そんな子達が、私の顔を見たらどうなると思う?≫
ああ、そういうことか。




