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12話 発動

 手も足もまともに動かせなかった赤ちゃん時代から、スキルの検証をしながら使っていた収納スキルは、回復スキルより慣れている。


 それは地下牢から逃げる時に地盤沈下させたり、さっき褐色姉さんから武器を奪えたりするほどにだ。


 だからこの状況では収納スキルに頼り戦いたいが、この褐色姉さんはスピードタイプっぽいんだよな。


 無力化する為に穴を作って落とそうとしても、スキルを発動してから穴が出来るまで、僅かなタイムラグが発生するから、もし想像以上に褐色姉さんが速いと、そのタイムラグが命取りになるかもしれない。


 よし、穴はやめだ。


 今回は……開発途中だが【Vーマッスル】に賭ける!


 異世界もの小説で回復スキル持ちが使ったりするような、超ドーピングによって身体能力を爆発的に上昇させる事を目指し開発している【Vーマッスル】。

 これは身体への負担を常時回復させる必要から、発動中の魔力消費量が多く、その為に活動時間が短いとか、発動した後には必ず精神的な反動が発生し、その状態を回復する為のクールタイムが必要とか、クリアしてない問題はあるが、負けてしまったら元も子もないからな。



「だから全開でいく! Vーマッスル発動!」


「なっ!? 速い!」


 十数メートルの距離を一瞬で詰めた俺のスピードに、驚きの声を上げながらでも回避行動に入ったのは、流石に強者感を漂わせていただけのことはある。


「でも!」


「かはっ!?」


「俺の方が速かったな」 


 褐色姉さんが回避しようとする方向へ回り込み、がら空きとなっている鳩尾へと掌底を撃ち込むと、姉さんは地面へと崩れ落ちた。




 ◆◆◆




「これはどういう事ですの? もしかして助けてくれたんですの?」


 倒れた褐色姉さんをロープでぐるぐる巻きにした後、穴の中から金髪ドリルを担ぎ上げると、質問攻めが始まったが、答えるのが面倒くさい。


 今はVーマッスルを活動時間ギリギリまで使った反動で、酒を飲み過ぎた時のようなフラフラとした状態になっているから、話す気力もないんだ。


 この症状が回復スキルで回復出来れば、Vーマッスルも使いやすいが、今のところ回復スキルでは回復出来ないから、どうしようもない。



「説明は後でするよ。少し横にならせてく……れ!?」


 地面に寝転がりながら、縛り上げた褐色姉さんの方へ顔を向けると、そこには倒れているはずの褐色姉さんが、ロープを持ちながらこちらを見下ろしていた。


「どうやってロープから抜けた?」


「うふふ。あの程度じゃ、私は拘束できないわよ。これ位しないとね」


「ちょっ!? 待て、何をするつもりだ?」


 俺が動けないのをいい事にマウントポジションをとった褐色姉さんだが、攻撃してくるわけでもなく、何故か着ているレザースーツのフロントの留め具を外し始めた。


「何をするって……ナニをするのよ?」


 おいおいおい。

 形の良い褐色の双丘や、その先っぽのピンクな部分を見せつけながら言うナニって、まさかナニの事か?


 なんだこの超展開?


 ほら見ろ。

 横に座っている金髪ドリルも、目を丸くしてるぞ?


「さあ、アナタも脱いでね」


 本気かよ?


 どうしてこうなった?


 だれか説明してくれよ!


 

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