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修学旅行の再会


 この前の誕生日に蒼空くんからネックレスを貰った。

しかも、蒼空くんとおそろいだよ!

嬉しすぎる!カップルっぽくてめっちゃいい!


足の怪我も今は全快して文化祭には無事に参加できた。

付き合って1年記念日は蒼空くんがお仕事で、朝に蒼空くんが家に来てカップケーキをくれた。

私からはマフラーをあげて一緒に写真を撮った。


そして、いよいよ修学旅行が間近に迫ってきた。

行き先は沖縄だ!

本当は蒼空くんと一緒だったらもっと楽しかっただろうけど、仕方ないよね。




~~~~~




もう11月なのに暖かい。

さすが沖縄だ。


「葵」

「蒼空くん?あれ?なんで?」

「なんでってクラスメートだろ?」

「え!」


蒼空くんを見ると確かに制服を着ていた。

え、蒼空くんと私同い年だったの?

いやいや、そんなわけないよね。

これ絶対夢じゃん!


「蒼空くん、私と付き合ってる?」

「………付き合ってるんじゃないのか?」

「付き合ってます!」


ヤバい、同い年の蒼空くんの破壊力ヤバい!

可愛すぎてヤバい!


「じゃあ、もうキスした?」

「は!?いや、まあ。って、覚えてないのか?」

「ごめん。忘れちゃったからもう一回して」


蒼空くんの顔を見上げると蒼空くんは真っ赤な顔で私にキスをした。

うん。………これ、現実だ。

やっぱりこっちの蒼空くんの方が恋人っぽいもん。

現実だと思ってた方が夢で、夢だと思ってたこっちが現実なんだ。


「蒼空くん、大好き」

「俺、も」

「蒼空くん」


「い!」


い?


「あ~お~い~!」



~~~~~




「葵!起きろって!」


目を開けると(はやて)(かける)が呆れ顔で立っていた。

え、なに?なんで?


「夢?」

「アホか!」

「修学旅行、遅れるぞ!」

「は?」


やっぱさっきのは全部夢!?

いや、冷静に考えて蒼空くんが同い年なわけないわね?

蒼空くんは私より3つ上のお兄ちゃんと同い年の莉久姉のお兄ちゃんなわけだし。

途中で気付いてよ!私のバカ!




「――――って感じで寝坊したんだよね」

「遅れなくてよかったね」


今は沖縄行きの飛行機の中だ。

周りはお喋りをしたり、映画やドラマを観たりお喋りをしたり様々だ。


「てか葵、蒼空兄とまだキスしてないの?」

「そっか。真夏に言ってなかったんだっけ?実はね、」


~~~~~


「マジで?蒼空兄、ガチで葵のこと好きなんだね」

「なんでそうなるの?」

「だって、好きでもないのに現役JKと付き合ってんのに手を出さないとか有り得ないじゃん。てことはさ、それだけ蒼空兄は葵のことを大切にしてるってことじゃないの?」


そうなのかな?あんまり自分じゃ分からないけど。

蒼空くんが私のためって思ってくれてるのは分かってるんだけど。


「てか、ここで話す内容じゃないね」

「確かに。ホテルついたらいっぱい話聞くよ」


真夏は笑って親指を立てた。

私の親友マジで最高!

もう真夏以外の女子友達いらないや。

てか、いないし。



那覇空港には意外とすぐに着いた。

飛行機を降りた途端、温度が変わった。

もう11月とは思えないくらい暖かいんだけど。


荷物を持って並んで人数を数えてからバスに乗った。

けど、バスには文句がある。

なんで出席番号順なわけ!?

私の隣、翔じゃなくて真夏がよかった~!


「葵、日焼け止め貸して」

「持ってきてないの!?お母さんがあれだけ持っていけって行ってたのに!」


私は長時間外にいて日焼けをすると肌が赤くなってしまう。

実際、小学生のときに日焼けクリームを塗り忘れてひどく赤くなったことがあった。

そして、その体質は三つ子の弟である颯と翔も一緒だ。

まあ、短時間なら全然平気だけど。


「ほんっとバカ。夏じゃなくてよかったね」

「サンキュー。あと、母さんには言うなよ。バレたら絶対キレられる」

「アイス奢りね」


行動班が一緒だから荷物も持ってもらお。

ちなみに、私と颯と翔は二卵性の三つ子だ。

けど、顔も体質もなぜか似ている。

赤ちゃんの頃とか、子供の頃は私の髪が短いことが多かったから写真ではよく見間違えるくらいに似ている。

だから、お母さんはそれぞれ服の色を決めていて大きくなるまではその色の服しか着せてなかったらしい。


しばらく、バスに乗っていると目の前の景色が綺麗なエメラルドグリーンになった。


「海だ!」

「え!マジ!?」

「うん!」


車内は賑やかな声で包まれた。

私、修学旅行のこの感じ好きだな。

結構みんなが楽しんでるって感じで。



お昼ごはんは食堂のようなところを貸し切りにしてソーキソバを食べた。

めちゃくちゃ美味しかった。特にお肉。


それから平和学習を終えて、海にやって来た。


「葵!ビーチフラッグしようぜ!」

「いいよ!」


翔はフラッグを砂浜に刺して真夏にスタートの合図を出してもらった。


「用意、ドン!」


まあ、言うまでもなく私が勝った。


「やっぱ私、翔に負けてるとこないかも」

「俺の方が蒼空兄とも兄ちゃんとも仲良いし!」

「はあ?私の方が仲良しだし!お兄ちゃん、私のためならケーキでもアイスでも買ってくれるもん!」

「いつも俺とゲームしたり、ドライブ連れてってくれたりするし!てか、俺にもアイス買ってくれるし!」

「私だってドライブ連れてってくれるし!」


翔の顔を睨むと後ろから背中を叩かれた。

翔も同じように顔をしかめていて、振り返ると顔が赤くなった颯が立っていた。

颯も(お兄ちゃん自慢に)参加したかったのかな?


「恥ずかしいからやめろ、ブラコン。こんなのと姉弟なんて思われたくねえよ」

「めっちゃ注目されてる」

「な、」


私も翔も縮こまっていると真夏が堪えきれないように吹き出した。

真夏、親友の醜態を見て大爆笑はどうかと思うよ。

颯も少し呆れたような顔で私の顔を見下ろした。


「やっぱ、葵が蒼空兄の彼女なの納得いかねえ」

「だよな!」

「残念でした~!蒼空くんが私を選んだんです~!」

「煽りウザい」


颯が笑って言うと翔も笑って頷いた。

納得いかないとか言ってるけど、本当は私と蒼空くんが付き合ったとき、私がやっと彼女になれたって知ったとき、めちゃくちゃ喜んでたの知ってるんだよ。




~~~~~




蒼空くんと付き合った日、家に帰って報告するためにお兄ちゃんの部屋に行くとゲームをしていた颯と翔がいた。

私はそんな2人を見ることもなく、お兄ちゃんに抱きついた。


「お兄ちゃん、さっきね、蒼空くんに告白されて付き合うことになったんだ。蒼空くんが、私のこと好きだよって言ってくれたの」


お兄ちゃんの手は止まって驚いたように振り返った。

手が止まっていたのは颯と翔も同じだ。

けど、2人は石のように固まっていた。

お兄ちゃんは私のことを抱きしめて泣いた。


「よかった。葵、よかったな」

「やだ、結婚するわけじゃないのに泣かないでよ」

「悪い。けど、葵が頑張ってたの見てきたから、」

「もう、」


私もお兄ちゃんにつられて泣いちゃったじゃん。


「ずっと応援してくれてありがとう、お兄ちゃん」

「ああ。よかった。蒼空なら葵を任せられる」

「だから、結婚するんじゃないんだってば。じゃあお風呂入ってくるから」


お兄ちゃんの部屋を出てお風呂の準備をして階段の前に行くと颯の部屋から颯と翔の声が聴こえてきた。

こっそり耳を澄ませてみた。


『よっしゃ!やっと葵と蒼空兄と両想いだ!』

『元々両想いだっただろ』

『そうだけどさ!なんかやっぱ』

『まあ、嬉しいかもな。けど、服とかヘアアレンジの練習とか頑張ってたし当然だろ』

『珍しいもんな。葵がバドとダンス以外でなんか頑張ったりすんの』

『神様ってやっぱいんのかな?』




~~~~~




って、嬉しそうに話してたの全部聴こえてたんだから。

颯と翔に言ったら絶対知らないフリするだろうから言わないけど。


海の写真を1枚撮って保存した。


「真夏!写真撮ろ!」

「うん!」


真夏とたくさん写真を撮って、またバスに戻ってホテルに向かった。

ホテルに着いてすぐ、部屋に行って荷物を置いた。

私と真夏はペットボトルが空になっていたので新しく飲み物を買うために下の階の自動販売機に向かった。


「パイナップルのジュースだって」

「買うの?」

「ううん。水にする。夜ご飯でドリンクバーあるらしいし」

「だね」


自動販売機の水の下にあるボタンを押してペットボトルの水を取った。

部屋に戻る途中で、他校の制服を着た男子生徒2人がいた。

驚いて立ち尽くしていると片方の男子が私の方に歩いてきて私を抱きしめた。


「え、葵、誰?」


真夏が少し怯えたように言った。

まあ、普通はそうだよね。

親友が急に抱きしめられてたら私もビビるわ。


「真夏、この人私と同い年で従兄弟の松山(まつやま)未来(みらい)。」

「え!従兄弟!?」

「そ、従兄弟。こっちに戻ってきてるとは聞いてたけどまさか修学旅行先で会うとは」


未来は小5の夏から今年の7月までアメリカに住んでいた。

ちなみに、未来のお母さんと私のお父さんが姉弟である。

叔母さんも蒼空くんのお母さんの美久(みく)ちゃんとお父さんの海斗(かいと)くんの幼馴染みだから親同士は結構仲良しだ。


「久しぶりだね、未来」

「久しぶり!颯と翔は!?同じ高校なんだよね!?」

「呼ぶ?」

「呼んで!」

「じゃあ、離れて」

「ごめん」


颯に通話をかけると何故か翔もいたらしく、未来に会ったことを話すと2人はすぐにやって来た。

仲良かったもんな~。いっつもゲームしてたな。


「未来!久しぶり!」

「身長伸びたな!」

「2人もね!」


楽しそうな雰囲気だったので、私は目的の水も買えたし真夏と一緒に部屋に戻った。

他の女子たちはすでに私服に着替えていた。

ちなみに、この部屋は5人部屋だ。

クラスの中で一番多い。

部屋のメンバーは真夏以外、全然喋ったことがない。

先生が私と真夏なら仲良くなるだろうと勝手に部屋のメンバーを決めていた。

まあ、他の仲良くない女子と同じ部屋になるよりはいいけど。

そんなことは置いといて、私たちも着替えた。


夜ご飯の時間になってビュッフェ会場に行くと未来たちの学校の生徒らしい人もたくさんいた。

私たちはテーブルにジャージとかを置いてご飯を取りに行った。


パンを焼いて待っていると未来が女子を連れてやって来た。


「あ~おい!あおいちゃ~ん?」

「未来くん、この子知り合い?」

「あ!この子知ってる!バドのインターハイで混合ダブルスで優勝した子だ!テレビで見た!」


女の子が言ったタイミングと同時にパンが焼けた。

なんで見てんの!?ってツッコミそうになったのを我慢して笑顔を作った。


「インハイの試合見てくれてたなんて嬉しいです。ありがとうございます」

「え!めっちゃ美少女!もしかして~、未来くんの本命ちゃん?」

「あはは、まさか。未来とは従兄弟ですよ」


パンを取って挨拶をして席に戻った。

まさか、未来がチャラ男になってるなんて思いもしなかった。

いや、アメリカの感覚のままなだけかもしれない。

どっちにしろ、私には関係ないけど。

ハァ~、とため息をつくと目の前に座っていた同室の村上さんと目が合った。

この子、あんまり誰かと喋ってるところ見たことないんだけど笹倉先生が私と絶対気が合う!って言って同じ班になったんだよね。

まだ全然喋ってないけど。


「あの、長谷川さん。さっき、話してた人って、今日知り合った人ですか?」

「え?」

「あ、私にこんなこと訊かれたくないですよね。すみません。先生が長谷川さんと話してみたら仲良くなれると思って言ってたので。すみません。先生のせいにしてしまいました。私が話してみたかっただけです」


村上さんってこんなに喋る子なんだ。

てか、声も結構可愛いじゃん。


「私も、笹倉先生に村上さんと気が合うと思うって勝手に同じ班にされたんだよね。自慢に聞こえるかもだけど、私、中学の頃からモテてたせいで女子友達はすぐいなくなるんだ。ずっと友達なの真夏ぐらいなの」

「自慢には、聞こえないです。長谷川さん、全然嬉しそうな顔してないので」


そんなこと、初めて言われた。

中学のときに、告白されてしかも真夏の友達の好きな人だったから最悪だ~って真夏に愚痴ってたらクラスの女子が絶対自慢じゃんってクスクス笑ってたのに。

真夏はずっと庇ってくれたけど、私、真夏以外の女子には何しても嫌われるんだと思ってた。


「ヤバい、ちょっと泣きそう」

「え!大丈夫ですか!?」


私が下を向くと村上さんは心配そうに声を掛けてきた。

すると、いつからいたか分からないけど、真夏が私の頭を撫でた。


「村上さん、心配することないよ。葵、嬉しくて泣いてるだけだから」

「泣いてない。泣きそうになっただけ」

「はいはい」


真夏は笑って隣に座った。

顔を上げると村上さんは安心したようにため息をついた。


「なんか、千崎(ちさき)さんって長谷川さんのお姉さんみたいですね」

「まあ、私の方が精神年齢大人、だからね」

「何が大人よ。真夏はいつか弟になるんでしょ。」

「葵!ここで言わないで!」


真夏は焦ったように私の口を押さえて翔が座っている席を見た。

翔は真夏の気も知らないで呑気にケーキを食べている。


「ホント、真夏のセンス疑うわ~」


苦笑いを浮かべると、村上さんはハッ!と気付いたようで翔の座っている方の席を見た。

そして真夏にまた視線を戻して小声で訊いてきた。

「千崎さんって、翔くんのこと好きなんですか?」


真夏が真っ赤になって口をあわあわさせてたから村上さんは真夏の答えを聞かなくても十分分かったと思う。

よし、部屋に帰ったら恋バナできる!



全員シャワーを浴びてみんなで1つのベッドに集まった。


「千崎さんって、翔くんのこと好きだったんだ!」

「そうなの~。中1で聞いたときは驚いた。颯なら分かるけど翔か~って感じ」

「優しいじゃん。それに、よく気が付くし」


よく気が付くのは半分は私がパシりにしたせいもあるかもってことは黙っとこ。


「まあ、真夏が本気なのは知ってるから応援はするけどさ~」

「てか、村上さんはなんでそんな目が輝いてんの?」

「恋する乙女は可愛いな~と思いまして」

「でしょ?私の親友可愛いんだよ」

「はい!可愛いです!」


真夏は可愛いと言われなれていないのか真っ赤になって顔を手で覆った。


「村上さんは?恋バナないの?」

「私は聞く専なので。(たに)さんと西田(にしだ)さんは何かありますか?」

「えっと、私は、他校に彼氏がいて」

「私も去年卒業した彼氏いるよ」


「え~!その話くわしく!」

「教えてください!」


私と村上さんの勢いに押されて2人は少し恥ずかしそうに話してくれた。

この子たちなら、仲良くなれるかも。

話してた感じだと、みんな恋バナも恋愛系の映画もドラマも小説も好きみたいだし。


「じゃあ、あと話してないのは葵だけだね」

「さっき、話してた男の子って他校の人だよね!?」

「もしかして彼氏!?」

「違うよ。あれは従兄弟。彼氏は、いるけど」


きゃ~!とみんないかにも恋バナをするのに相応しい反応をする。

真夏まで真似しなくていい。

みんなも写真を見せてくれたから、私も見せることにした。


「めちゃくちゃお似合いですね!」

「彼氏さん、長谷川さんのこと大好きって目で分かる!」

「長谷川さんも!彼氏さんのこと大好きなんだね!」

「まあ、ね。あ~、もう恥ずかしい。真夏以外と恋バナなんて何年ぶりか分かんない」

「長谷川さん、可愛い~」


あ~、ホント照れるな。

けどなんか、修学旅行っぽくて楽しいかも。

こうやって大人数でワイワイ恋バナするのはホント、中1の宿泊研修以来だ。

去年の夏の林間学校は本当に地獄だった。

ダンスのフィナーレ、何人に誘われたか分かんない。

そのときに何人の女子に嫌われたか分かんないけど、少なくとも5人には嫌いって面と向かって言われた。

もっと早くこの3人と出会いたかったな。


「ねえ、もしいいなら名前で呼んでもいいかな?嫌なら別に無理にとは言わないけど。」

「私のことは(かな)って呼んで!」

「私は彩那(あやな)って呼んで!」

「私は姫花(ひめか)って呼んでください」

「は、はい」


西田さんを叶、谷さんを彩那、村上さんを姫花と呼ぶことになった。


「長谷川さんのことも葵って名前で呼んでもいい?」

「うん!」

「千崎さんのことも名前で呼んでいい?」

「いいよ~。てか、そっちの方がいい」


それから日付けが変わるまでお喋りをしてベッドに入った。

喋り疲れたせいかすぐに寝てしまった。


翌日は、朝ごはんを食べてすぐに自由行動だ。

けど3時からは色々体験があるらしくそれまでにはホテルに戻って来なければならない。

水族館に行ったら見てすぐに帰ってこなければならないから私と真夏と(さとる)と翔は近場のお店に行くことにした。

各自、ドリンクを頼むといかにも沖縄って感じのドリンクが運ばれてきた。


「お~、お洒落」

「だね~」

「写真撮ろうぜ」

「そうだな」


自撮りで写真を撮ると惺は写真を送ってくれた。

タコライスを頼んで待っている間、この後の予定を話した。


タコライスを食べてお金を払ってシーサーの絵付け体験に行った。


それぞれ、席に着いて説明を受けてから作業を開始した。

約1時間半、集中して色を塗って、後日家に輸送してもらうことになった。


「あ~!疲れた~!」

「葵のめっちゃ可愛い!蒼空兄と葵だから空色と青色使ったの?」

「まあ。けど、蒼空くんは紺色が好きだから紺色も使ったよ」


写真を撮ってアイコンを変えた。

蒼空くんへのお土産これで決定だ。

あ、けど蒼空くんとルームシェアしてる(つかさ)さんともう一人の従兄弟さんにも挨拶したいしお菓子も買って帰ろう。


翔のシーサーは…………うん、個性的でいいと思う。

お姉ちゃん的には全然アリだよ。うん。

翔の肩に手を置くと翔はむくれていた。


「俺が不器用だからバカにしてんだろ?」

「してないしてない」

「私は!翔のシーサーも、可愛いと、思う」


真夏が真っ赤になって言うと翔嬉しそうに笑って真夏の手を握ってブンブン振っていた。

真夏は少し恥ずかしそうに、けど、嬉しそうに笑っていた。

やっぱり私の親友可愛いわ。でも、


「真夏は私の親友だから。」


真夏に抱きついて翔を睨んだ。

翔の方が先に知り合ったとか関係ない。

真夏の邪魔をするわけじゃないけど、翔に親友を取られたくはない。

蒼空くんも真夏も私の好きな人なんだから。

翔と真夏が付き合っても私の方が真夏と仲良いもん、絶対。


輸送の手続きをして工房を出た。

バスでホテルに戻って人数点呼をしてそれぞれ班に別れて体験先へ移動した。

私たちは体験の前に、エイサーのショーを見てから三線(さんしん)の体験をすることになった。


三線はやっぱりすぐには上手くなれなかったけど、教えてくれた人には素質があると言われた。

プロの演奏を聞いた後にそんなこと言われてもお世辞としか思えなかったけど、ちょっと嬉しかった。


それからまたホテルに戻ってきた。

私服に着替えてお喋りをしていると、アルバム写真を撮ってくれるカメラマンさんがやって来て写真を撮ってくれた。




あっという間に最終日になった。

朝ごはんを食べて、部屋の片付けをして10時にはチェックアウトをした。

今からは、国際通りという商店街みたいなところに行ってお昼ごはんを食べたりお土産を買ったりする。


ここは班とか関係ないので同じ部屋だったメンバーで一緒にまわった。

お土産はサーターアンダギーのミックスと紅いもタルトにした。

家用は私と翔から千円ずつ出して颯に選んでもらった。


そして、飛行機乗ってすぐに眠ってしまった。



「葵~、着いたよ~」

「え、どこに?」

「学校だよ」


真夏に起こされてバスを見るともうすでに懐かしく感じる景色が広がっていた。

帰ってきたんだ。なんか安心感あるな。


修学旅行、楽しかったな~。

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