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開戦②

〜第二軍戦闘地〜


ケイたち第四軍とタイガードたちによって戦いの火蓋が切って落とされたその時、第二軍の戦闘地でも同様に獣王国軍との睨み合いが行われていた。

しかし、第二軍の戦闘地では先の第四軍のそれとは大きく異なり、両軍ともにお世辞にも一致団結しているとは言い難い状態なのであった。



《うぉぉぉぉぉ ──────── 》



「ウッキッキッ。何処かの戦場で早くも始まったッキね。オイラたちもそろそろ始めるッキ」



いよいよ始まった戦闘に心躍らせ興奮を隠しきれないサルザールであったのだが、犬猿の仲であるドルグはサルザールがその場を仕切ろうとしていることが気に入らず嫌味を言い放つ。



「お前が仕切るな!バカ猿に仕切られてちゃこっちの士気が下がるだろうが」


「もう!二人ともいつまでも喧嘩してちゃダメよ。今は目の前のガルディア軍と一直線にぶつかる時なんだから」


「大丈夫ですよボウアさん。別にオイラはこんなヤツ相手にしてないッキよ。昔からよく言うでしょ。弱い犬ほどよく吠えるってね!ウッキッキッキッキッ」


「おい・・・誰が弱いって?あんまりナメてると本気マジでお前から噛み殺すぞ!」



なんだか別のところで戦いが始まりそうである。

そんな二人のやり取りに呆れた表情をするボウア。

それでも彼女の瞳は真っ直ぐ一直線にガルディア王国第二軍へと向けられていたのであった。




◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇



時を同じくして第二軍はというと ───── 軍を率いているランスロットの傍若無人ぶりが炸裂していたのだった。

そして、いざこれから獣王国軍と戦おうかというその時に一人の人物が軍長であるランスロットの下へ現れる。



「ランスロット様!」


「うん?そんなに慌ててどうした?ドノヴァン」



その人物とは、幼少期からのランスロットの世話係にして第一聖騎士団副団長でもあるドノヴァンであった。

敵軍を前にランスロットよって立てられた作戦を聞きつけ血相を変えて駆け付けたのだった。



「どうした?ではありません。我々第一聖騎士団のみで戦い、第八聖騎士団とトライデントは戦闘終了まで待機とはどういうことですか!?」


「今そなたが言った通りだが?足を引っ張るようなやつらに我らの背中は任せられん。役に立たないのであれば待機させるしかあるまい」


「ガレス殿はランスロット様と同じ十二の剣ナンバーズのお一人ですぞ。アルバート殿にしても国内有力の実力者。ですので、─────── 」


「たかだか八席と騎士の真似事をしているような連中が何の役に立つ?盾にでも使うのか?それは確実に国王が許さんぞ」


「そうではありません。眼前の敵を率いているのは十二支臣です。妖猿サルザール・噛砕ドルグ・猛進ボウアの三名。先を急ぐということを考えても彼らの力を借りるべきです」



あくまでも自身の団の団員たち以外は足手まといだと主張するランスロットに対して、敵の主力が三人、自軍の主力も三人ということで分担して先を急ぐべきだと進言するドノヴァン。

その傍らで待機し続けている第一聖騎士団の団員たちは二人のやり取りを見守ることしか出来なかった。



「うむ・・・。そなたの言い分も一理ある」


「ありがとうございます」


「分かった。それではガレスの団と冒険者の連中にも敵の相手をさせる。二人にはもし敗北などしようものなら俺の手で殺すと伝えておけ」


「ランスロット様…」


「最大限の譲歩だ」




◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇



そして、いざ開戦の時。

それぞれの持ち場でも戦闘前の舌戦が繰り広げられる。



〜第八席ガレス vs 猛進ボウア〜


「イノッシッシッ。あらまぁ〜可愛らしい子じゃないの。殺してしまうのが惜しいわね。でも、私後ろ向きには走れないの。猪突猛進よーーー!!」


「ウッス!聖騎士団第八席ガレスッス。真っ向勝負受けて立つッスよ!!」



─────────────────────────



〜アルバート vs 噛砕ドルグ〜


「なんだ、私の相手は犬か。犬は犬らしく首輪で繋がれておけばいいものを」


「なんだお前?わざわざ殺されに来たのか?その格好からして聖騎士ではないな。まさか騎士の真似事か?滑稽だな」


「犬風情が・・・。しっかりと調教してやろう」


「やれるもんならやってみろ。お前ら全員噛み殺してやるよ」



─────────────────────────



〜第一席ランスロット vs 妖猿サルザール〜


「ウッキッキッ。この澄ました顔したイケメンがオイラの相手ッキか?今なら見逃してやってもいいッキ。引き返すなら今のうちッキよ」


「・・・・・」



サルザールの挑発にも一切反応することなく眉ひとつ動かさないランスロット。

そんな敵の様子を見たサルザールはさらに調子に乗り挑発を重ねる。



「ウッキッキッキッキッ。何も言い返せないッキね!怖気づいたのならさっさと帰るッキーーー」



その時、度重なる挑発に対して微動だにすることなくジッと相対する敵を観察していたランスロットがついに口を開く。



「特にこれといった注意事項は無しだ。総員、殲滅の時間だ」


「「「「「 ハッ!!!!! 」」」」」




最後までお読み頂きありがとうございます。

第四軍に続き第二軍の戦闘地でも開戦しました。

自身の団以外は役に立たないと決めつけるランスロット。

十二の剣ナンバーズ最強の男はなかなか癖の強い男です。

次回は第三軍の戦闘地にて開戦!!



次回『開戦③』

お楽しみに♪♪



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