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護るための戦い

「それで…あの〜国王様、私はいったい何をすればいいんですか?」



王宮より召喚命令を受けたスズネたち。

謁見の間にて行われた国王レオンハルトとの会話の中でヒト族と獣人族の双方を戦争の中で護りたいという想いで一致したレオンハルトとスズネ。

それによってレオンハルトより協力を頼まれたスズネはこれを承諾したのであった ──────── 。


しかし、勢いよく協力することを承諾したはいいものの、いったい何をすればいいのか分からず困惑するスズネは改めてレオンハルトに質問するのだった。



「ああ、だがその前にまずは此度の協力を受けてくれたことに感謝する」


「あっ…いえ、私も国王様と同じ気持ちだったので」


「そうか。そう言ってもらえると助かる。そして、今回私の考えに協力してもらうことに際してそなたに尋ねたいことがある」


「はい…何でしょうか?」



ここで国王レオンハルトの表情に変化が起こる。

それまでの優しく穏やかなものから少し緊張したような硬いものとなっていた。

その意味が分からないスズネたちが不思議をそうにしていると、意を決したようにレオンハルトが重く閉ざされた口を開く。



「スズネ・・・そなたに新たな力が目覚めたというのは本当か?」


「えっ…えっと…。召喚師の力のことでしょうか?それでしたら、はい。新たな力を授かりました」


「「 ・・・・・ 」」



スズネの言葉を聞いたレオンハルトとアーサーは無言のまま顔を見合わせ、数秒の後に静かに頷いたレオンハルトが再びスズネへと視線を送る。

そして、今回わざわざスズネを王城にまで呼んだ理由を話し始めたのだった。



「今回そなたを呼んだ理由はまさにそれなのだ。魔王であるクロノ殿に次いで契約したという龍族。それはこの戦争において大きな抑止力になると考えている」



今回自身が呼ばれた理由を聞かされ、驚きと納得が入り混じった感情になるスズネ。

他のメンバーたちはスズネ個人が呼ばれたと聞かされた時点で薄々と気づいていたようであり、レオンハルトの言葉を聞き終えたミリアは静かにマクスウェルを睨みつけた。

そして、その視線を感じ取ったマクスウェルはどこかバツが悪そうな表情を見せるのであった。



「国王様、一つ宜しいでしょうか?」


「ああ、なんだ?」


「契約した龍族ラフネリアスは力を貸してくれると思いますが、クロノは今回の戦争に一切関わるつもりはありません。ヒト族側、獣人族側のどちらにもつくつもりはありませんので、予めご承知おきください」


「・・・そうか。相分かった」



先程のレオンハルトの発言からクロノと緑龍ラフネリアスの力をもって抑止力となって欲しいという意思を感じ取ったスズネは、クロノの思いを汲み取り予めその意思を明確にしたのだった。

その発言を受け静かに了承したレオンハルトがクロノへと視線を向けたのだが、クロノは当然だと言わんばかりの表情を変えることはしなかった。



─────────────────────────



「まぁ〜しかし、まさかそなたが契約した龍族が四天龍の一角であったとは ────── 。して、噂によると緑龍は強力な癒しの力を有していると聞いたことがあるのだが、それは真か?」


「はい。ラフネリアスは強力な回復魔法を持っていて、以前魔族を戦った際にも助けてもらいました」


「なるほど・・・それは大いに助かる。スズネ、先程も話した通り今回は侵略のための戦争ではない。そこで、そなたには前線の軍に同行してもらい我が軍と獣王国の戦士たちの救護に回ってもらいたい。もちろん十分な護衛は付けさせてもらう。どうか引き受けてはもらえないだろうか?」



戦争の最前線。

これまでにも数々のクエストを受けてきたとはいえ、これほどまでの大規模な戦いは当然初めての経験である。

護衛を付けてもらえるとはいえ、正直に言ってその身に何が起こるかは分からない。

それこそ命を落とす危険性すらあるのだ。


しかし、鈴音の意思はすでに決まっている ──────── 。



「分かりました。出来る限りのことをさせていただきます!」



その力強い言葉と眼差しにスズネの強い覚悟を受け取るレオンハルトとアーサーなのであった。



「みんなごめんね。後方支援って話だったのに私は前線に出ることに ────── 」


「アタシも行くわよ!」


「えっ!?」


「スズネが最前線に出るなら当然アタシも最前線よ!一人で行くなんて絶対に許さないから」


「ウチも行くっすよ」


「わ…私も行きます」


「わっちもついて行くのじゃ」


「もちろん僕もです」


「みんな・・・」



スズネが戦場の最前線に出ると覚悟を決めた瞬間に宿り木のメンバーたちも同じく覚悟を決めたのだった。

それはこれまで幾度の困難を共に乗り越えてきた仲間だからこそ、どんな時でも最後まで一緒にいるという彼女たちなりの覚悟なのであった。



「はぁ〜。おい、俺も行ってやるよ」


「えっ!?でも、戦争には参加しないんじゃ・・・」



突然のクロノの発言に驚きを隠せないスズネ。

これまで頑なに戦争への参加を拒んでいたことを考えると当然と言えば当然の反応である。



「はぁ?くだらねぇ戦争になんか興味ねぇ〜よ。こんな小競り合いのせいでテメェーに何かあったら俺にも影響が出るんだろうが。だから・・・仕方なくだ!勘違いすんなよ!!」


「あはははは。うん!ありがとね、クロノ」



こうしてスズネたち宿り木は救護班として激戦必須の最前線へと配置されることとなったのだった。




最後までお読み頂きありがとうございます。

救護班とはいえ最前線での戦争参加となったスズネたち。

これから始まる戦いの中で彼女たちがどのような活躍を見せてくれるのか。

是非ともお楽しみにしてください、



次回『進軍開始』

お楽しみに♪♪



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