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プロローグ



「はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・」



【イェーニル大戦】

世界を支配しようと目論む魔王率いる魔族軍とそれを阻止すべく集結した人族の勇者率いる人族・獣族・エルフ族・精霊族による連合軍との戦争。

イェーニルとは、大陸の最南端にある魔族領とほぼ中央にある精霊の森の間にあるイェーニル大平原にて戦いが行われたことに由来する。



「ウフフフフ」



両軍入り乱れての数年にも及ぶ戦い。



それもついに、佳境の時を迎えようとしていた。




共に万を超える軍勢での開戦となった戦いも、今となっては草ひとつ生えぬほどに変わり果てた地に立っているはたった2人。



「よもや、この俺がお前のような女に敗れることになろうとはな・・・」


「私もまさかこのような結果になろうとは思いもしませんでしたよ」



苦悶の表情から絞り出すように吐く魔王の言葉に対し、その眼前に立つ女性は優しく包み込むように微笑む。



「白々しいことを・・・。だが、さすがは人間どもが崇める聖女様だ。ここまで圧倒されると笑えてさえくる。しかし、こんなふざけた女に負けたとなると俺も魔族の恥さらしとして未来永劫語られそうだ」


「ご安心ください。あなたと倒したのは”勇者である”ということになりますから」



膝から崩れ落ち立つことさえもできそうにない魔王に対し、そう言って聖女はまた微笑む。



「ハハハハハ。勇者というのは、情けなくもあそこで伸びて気を失っているやつのことか?」



1キロほど離れた場所に一際目立つ黄金色に輝く鎧を纏った男が1人、大の字になって気を失っている。



「はい、そうです。気を失っている皆さんの記憶を少し書き換えるくらいはチョチョイのチョイです!!」



魔王の問いに対し、聖女はとんでもないことを平然と言ってのける。



「くだらないと思われるかもしれませんが、人間の世界では、”誰が”ということが重要視されるものなのです」


「くだらんな。小物どもの見栄や妬みというものは・・・お前はそれで良いのか?」


「はい!!私は、この大好きな世界が守れるのであればそれでいいのです。変に祭り上げられたりして目立つのも嫌ですし、そういったものは目立ちたがりの勇者様にお任せします」




荒れ果てた大地の上、2人の間を優しい風が吹き抜ける。



「そろそろ限界のようだ。いつの日か再び相まみえる時には、必ずお前に勝ち、この世界を我が物としてやる」



最後の力を振り絞り力強く宣告をする魔王をよそに、聖女は満面の笑みと共に声を弾ませる。



「まぁ〜素敵!!もし再び同じ時を生きる時には、必ず一緒に世界を見て回りましょう」


「まったく・・・最後まで調子の狂う女だ・・・」



呆れたような笑みと共に魔王は光の粒へと還っていった─────




◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇



そして、この戦いから1000年後。



1人の少女と新たな魔王の出逢いによって、止まっていた運命の歯車が動き出す。



この度は数多くの作品の中から『魔王召喚 〜 召喚されし歴代最強 〜 』をお読み頂きありがとうございます。

私自身初めての作品となります。

少しでも皆様に楽しんで頂けたら幸いです。

誤字脱字等あると思いますが、宜しくお願い致します。

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