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部活week②

翌日


俺は訓練して、学院に行く。

「おはよう、マルク」

「おはようございます。リオル先輩」


「昨日は嬉しかったよ。魔法が使えるようになるのが早くて凄かったよ」

「ええ。ルーナの講義が良かったんです」


「いや、部活も面白いし、理論がいいんだ。ありがとう」

「いえ、先輩の努力も凄いんです」

「ふふ。ありがとうな」


そしてリオル先輩と別れ、教室に向かう。

「おはよう、アレス、マーク」

「おはよう、マルク。昨日の部活は面白かったよ。今日はレオナとロドリス先生の講義か。これも領主になりたい者や騎士で上に行きたい者には重要だよね」


「ああ、これはこれで面白いなぁ。下っ端でもわかっているといいだろう」

「ああ、そうだね。レオナとロドリス先生ならいい講義をしてくれるよ」

「ああ」


「おはよう、マルク、マーク、アレス」

「「「おはよう、レオナ」」」

「何の話?」


「レオナとロドリス先生の講義が楽しみだねって話」

「そう、マルクの手配が良くて、結構いい講義ができると思うわ。私も人に教えるのは大変だけど、学ぶものも多いの。楽しみだわ。いずれお父様にも講演してもらいたいわ」

「それはいいね」


「そうでしょ?」

「ああ」

「おはようございます」


「おはよう、ルーナ。昨日の講義は評判良かったよ。みんな褒めてた」

「そうですか。嬉しいですね」

「ああ」


「はーい。席に着いてください。今日も連絡事項はないので、出席を取ってホームルームを終わります。それでは・・・」

・・・・


「はい。皆さん、いらっしゃいますね。ではホームルームを終わります」

この後、授業を受けて、放課後になる。


「はい、今日も皆さん来ていただきありがとうございます。今日はレオナとロドリス先生に戦術を学びます。実践戦闘研究会は、皆さんが模擬戦で強くなるだけでなく、無数の可能性を見つけられるように色々なことを学ぶ機会を提供したいと思います。


特に今年度は学びを増やし、多くの生徒が来年入ってくる後輩たちを教えれるようになってもらいたい。そして、その中で皆さんの可能性が広がれば」

「「「「はい」」」」


「では、ロドリス先生、レオナ、よろしくお願いします」

「ええ。わかりました」


ロドリス先生は一呼吸をし、ゆっくりと話し始める。

「では、ここからは私、ロドリスが皆さんのため、戦術を教えて行きます。今日皆さんには戦術とは何かを理解してもらい、基本を把握してもらいます。私は月1しか来れないので、皆さんの基礎力とその成長をアドバイスしていきます」


一間置いてロドリス先生は問いかける。

「戦術は上の人間のみが知っていればいいと言われます。しかし、現場で判断することは多い。なのに、知っている、理解しているのは上の人間だけでいいのでしょうか?」

「・・・」


皆の真剣な顔に答えるようにロドメル先生は少しずつ声の調子を強めていく。

「皆さん、答えられないのは、薄々は感じている。しかし、それをはっきりと言えないのでしょう。現場で活躍できるの人間は、個人戦で強い方は、必ず戦術を理解しています。なぜか?」


そして今重要なことを言うのに、一間を置いて

「どう動けば嫌かを理解しているからです。体だけでなく、頭を鍛えることも戦闘においては必要です。持っている物を強くするだけでなく、持っている物を使いこなすことも重要です」


ロドリス先生は最初、普通の先生かと思ったが、あの学院長がスカウトした先生だけあり、実に生徒の心を掴むのも、教えが響くように口調を使い分けるのも上手い。


相手の心理を理解して、上手く理解させる。さらにその知識量は想像を絶する。軍師だから当たり前というレベルではない。これが戦術の先生、ロドメル先生の力だ。


本当に良いことを言う。持っている物を増やすだけではダメ、持っている物を使いこなして初めて強い。そのために戦い方、戦術を理解するか。良い言葉だ。


「では、戦術とは何かを学んで行きましょう」

・・・・


講義は進んでいく。授業は基礎を知っているとして始まるが、ここでは基礎中の基礎から始まる。ここは面白くないかもしれないが重要だ。ここをわかりやすく、丁寧に教えられる先生は素晴らしいと思う。まさに師という言葉が合う。授業を受けていくうちにロドリス先生の凄さを感じたが、今日は本当に凄い。


「はい、戦術の基礎はこういうことです。これを理解して、戦術を一つ一つ学んでいく。そのうち、戦術を的確にに選べるようになり、そして新たな戦術を描けるようになる。そしてそれを使いこなせるようになり、戦場で活躍できる。軍師は育てるのに時間がかかります。まず、皆さんには基本の戦術3つを学んでもらい、それを使えるようになりましょう」

「「「はい」」」


「その前に、私が行なっている授業で最上位の成績の2人に模擬戦をしてもらいます。戦術を理解した者がどれほどの高度な戦いをできるかを学んでもらいましょう」

「「「「はい」」」」

「では、レオナ、マルク、こちらに」


そう言われて、俺とレオナの戦術模擬戦が始まる。いつも授業で行なっている方法で戦う。しかし、レオナは強い。せめて良い試合を。いや勝つんだ。


お互いにがっぷり四つの横陣による戦いだ。ここからは読み合いだ。どこに兵糧があるか、本陣がどう動くか、相手の戦力の行動など、変わる状況や相手の弱いところを考え続ける。

レオナとは20戦20敗だ。今日は一矢を報いたい。


しかし、戦場はレオナ有利で進む。俺は徐々に追い込まれていく。だが、ここだ。ここに兵糧があるはず。あった。よし、勝てる。


「嘘」

「今日こそ勝つ」

「まだよ」


俺とレオナの戦いは一層に激しさを増す。お互いが戦術を、相手の行動を読みあっていく。少しずつ、少しずつ進んでいく。よし。勝った。


「はあ、初めて負けたわ」

「これで21戦20敗1勝だ。やっと初勝利だよ」


ロドメル先生が口を開く。

「ええ、今回の勝ちは、十分な価値があるでしょう。マルク、貴方は基礎戦術が理解できています。今までは新たな戦術を出すことにこだわっていましたが、今日は皆の見本ということで基本戦術に限定したことで学んだことを完全に活かせました」


ロドメル先生はゆっくりと盤面を指しながら説明していく。

「それに対して、レオナはいつのまにかマルクは何か奇抜な策を出すと考え過ぎてしまいましたね。皆さん、マルクは今までの授業では基礎が固まらず、負け続けましたが、今日初めて勝ちました。これは頭を鍛え続けたことの成果です。皆さんも学んでください」

皆から拍手が起きる。


「では、基礎戦術である横陣と蜂矢の陣、方陣を教えて行きます。基本は横陣を使います。そして重戦士部隊が主戦力になります。最も強い部隊をどう上手く使うかが重要です。これはどの陣でも同じです。・・・・」


説明が続いていく。しかし、面白い。実際に動かし、どの陣がどう弱く、どうすると強いかを細かく教えていく。皆が目を輝かせ、しっかりと学んでいく。授業より多くの者が真面目に受ける。部活は良いな。


「はい、ではここまで。一度休憩して、その後模擬戦です。皆さんは基本戦術をしっかりとできるよう、色々と戦ってください。それと、このノートを渡します。


これに勝敗、相手と自分の陣形を書き、なぜ負けたか、なぜ勝てたかをしっかりと自身で分析してください。これを来月まで続けてください。授業の日には学院にいます。聴きたいことは質問しに来てくれても大丈夫です」


休憩後は模擬戦を皆がしていく。先生は少しの時間をそれぞれの生徒の模擬戦を見て、アドバイスをしていく。


それを皆、自身のノートに書いていく。そして少しすると先生は多忙のために帰った。俺やレオナは皆の戦いを問答戦を行ったりした。そして部活を終わらせた。そのあと、部室でレオナと話をして、今日の反省をして、アレスらと明日の活動の準備をして終わった。


そして家路に着く。今日も疲れたので早めに寝た。


翌日の部活は模擬戦をして、今まで学んだことを少しずつ試していく。皆力の近い者と戦ったり、圧倒的に強い者へと挑戦して自分の力を試した。


こうして、一週間を終え、また1週間を活動していく。兼部している者はそれぞれの興味がある日に来る。また、訓練所で授業のない時間に、そういった者同士で戦術戦や模擬戦、素振りや魔法の訓練をしていく。


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