出会い
禁書に近い本との出会い
1ヶ月後
はあ。眠い。魔法理論が纏まらない。マナが何かが掴めそうで掴めない。
マナが魔法になる。マナが原因物質なのはわかった。でもなぜ体の中でエルカ姉様のマナを感じたかがわからなくなった。ずっと考えている。使ったはずのマナがなぜなくならないのか?
はぁ、昨日考え過ぎて、寝るのが遅くなった。
ダメだ。気を抜いたら。俺はまだまだ。何もない。強くなんてない。そんな俺が疲れたとかで気を抜いていいはずがない。よし、今日も訓練を頑張ろう。もっと、もっと強くなるんだ。
朝から、ゼルと踏み込み500回と突き500回をした。時間が余ったから、さらに突き300回を追加して訓練した。何とか午前中に終わった。
そして、今日も午後は母上が忙しいから、1人である本を読む。マナの考察に必要かもしれないからだ。ある程度はマナの説明の仮説を作ったが、いまいちピンと来ない。なのである本を読もうと思う。その本は姉上に教えてもらった本だ。書架にあるらしいから取りに行ってきた。
マルク・トルネスト著『スキルとマナの関係考察』という本らしい。この本は王国の元宮廷魔術師が作った本で全然売れず、無名らしい。ただ、ほとんど売れなかったが、聖国が何故か禁書にしろと、王国に求めてきたのだ。そのせいで一部の魔術師にとっては有名な本らしい。父上も母上も読んでわからないことが多かったが、それでも勉強になったというほど。
まずは目次を読もう。前世の記憶だと本は目次を見ることから始めるのが重要らしい。特に何か調べる時は調べる事によって、その目次からどこを読むかわかる。ただし前提の話の部分は飛ばさないことだ。
目次は1スキルのない獣人族はなぜ、マナを使える?2スキルとは、3詠唱は何故、魔法に必要か?4マナの濃い場所は何故できる?、5マナとスキルの関係、6マナの秘密、7この世の理
この本はすごいかもしれない。多分すごい本であるが故に誰にも理解されていないのかも。
それに、聖国が禁書指定したいのは5章以降だろ。明らかに章の題名で聖国がうるさそうだとわかる。よし読んでみよう。
それから数時間、本に没頭した。するとメイドが夕食の時間だと部屋に呼びに来た。
あぁもうそんな時間かまだ足りない。まぁ夕食の後も読もう。
食卓に着くと、父上が、もう帰られていた。
「マルク、何をしていた。遅いぞ」
「すみません。父上。本に夢中になっておりました」
「本?何の本だ?」
「はい、書架にあった。マルク・トルネスト著の」
「ああ、もういい。その本の名は口に出すな。わかったな。」
「はぁ、わかりました。熱中して読んでしまい、夕食に遅れました。母上、姉上もすみません。」
「いいのよ。マルクは熱中すると、周りに見えなくなるのは、母さん知っているから」
「マル君のいいところでも、悪いところでもあるね」
「ん。マルクに紹介したのは私、許す」
ちょっとエルカ姉様が誇らしげだ。
そして夕食を家族と楽しく食べた。姉上らの学院の話、母上の井戸端会議の話と俺の訓練の話をした。特に俺の訓練の話は予想よりかなり進みが早い。だから皆驚くと共に喜んでくれている。姉上らはもっと魔法も頑張って訓練すると意気込んでいる。俺が頑張るのでは?
そんな夕食も終わり、俺はまた本を読む。
まだ読み終えてないが、本を閉じる。明日の訓練に支障が出たらまずい。今日はここまでだ。
翌日、朝早く目が覚めた。
少し、体を動かそうと前世の記憶にあるストレッチというものをしてみる。前世ではしたことがなかったようだ。まぁベットの上しかいなかったからな。
理論だけだが分かっている事をしてみる。これはいい。体が温まるし、なんだか気持ちがいい。体が軽くなったようだ。昨日はずっと本を読んでいたせいか少し体が硬かった。それがストレッチというのをしていい感じだ。ただこの姿を見られたらどう説明しよう。
うーん体をほぐすために、部屋でもできる軽い運動をしているくらいか。そうだなそれがいい。
よし朝食を食べたら、槍術の訓練だ。頑張ろう。
朝食を食べ終えて、これからゼルと訓練だ。よし今日も踏み込み500回だ。
ふう、終わった。次は突き500回。それが終わったら、次は突き300回の追加だ。
終わった。昨日よりも早い時間で終了した。
「今日は早く終わりましたね。いい突きの回数も増えて来ました。ほとんど正しい突きですね。最近は、訂正しなくとも良くなりました。私も横で訓練できます。いずれ次のステップに進みましょう」
「本当?」
「なので後200回突きをしてください。突きを1日1000回を完璧にできるようになったら次のステップに行きましょう」
「はい」
それから突きを200回、何とか昼食の前に終わった。
昼食後はまた
トルネスト著の本を読む。後もう少しで読み切る。
・・・・
ふう、読み切った。後はこれをまとめて、自分の仮説と合わせて終了だ。もう少しで理論ができる。そしたら実験だ。姉上に頼むか。
そして3ヶ月が経った。
この間、トルネストの本を何度も見直した。姉上や母上に魔法を何度も習い、見せてもらった。それなのにマナとスキルの関係に悩んだ。後一番の問題は詠唱とマナだっだ。これが何なのかが難しかった。だけどようやく魔法のメカニズムが纏まりそうだ。
まぁ先に朝の訓練だ。
ゼルと槍術の訓練だ。まだ、父上は会議が多く忙しいらしい。
いつもの踏み込み500回突き1000回を行う。最近かなり早くなったし、正確になった。1000回中2、3回失敗があるかだ。だけどこれが完全にできて初めて次のステップに行ける。
ふう、今日は完璧にできた。
「はい、素晴らしい。明日も明後日もできたら次のステップに行きましょう」
「はい。師匠」
こうして今日の訓練も終わり。よし昼食を食べたらマナとスキルに関して纏めを再確認して実験の手順を確認しよう。魔法の訓練計画を作るんだ。
この出会いがマルクの人生を大きく動きく動かします。
同じファーストネーム。