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水着の回

翌日


今日もアレスは訓練に参加していた。それだけではなく、スピキアーズ軍の兵士達も訓練に参加した。辺境伯軍に比べるとかなり落ちるが、それでも海の海賊や盗賊相手に日々戦い、3年前の戦場にも立った者が多いためか、基本は強い。


しかも彼らは海や船での戦いを基本としているため足腰が強く、粘り強い。体勢が崩れても、そこからの切り返しが良く、地味に戦いづらい。いい軍だ。そして、最後のアレスとの模擬戦を行うが、引き分けになり終わった。アレスが最後まで気を抜かず、諦めずに放った一撃で引き分けに持ち込まれた。


アレスの成長はすごい。負けたくないと思う。もっと訓練をしなくちゃと思っていたら、スピキアーズ軍の者達が拍手をしていた。そこにアルフォンス様も加わっていた。


「いい戦いだ。最後のアレスの一撃は生きるという気迫が感じられる」

「ええ、当主様、アレス様は成長なされている。マルク様という良き友に恵まれたこと、スピキアーズ軍の将軍として嬉しい限りです」


「アルフォンス様、アレス様は今が正に伸び盛りでございます。数日見ないだけで、驚きをもたらすほど。どうかよく見てあげてください」

「ゼル殿、これは良い言葉だ。親として、子の成長ほど嬉しいものはない。それにアレスの代になっても、このスピキアーズ領は安泰、いやもっと豊かになろう」


「ええ、当主様、我がスピキアーズ領とスピキアーズ家はこれからも繁栄をしましょう」

とアレスが褒められる。まぁ実際にアレスはすごい。慢心しない。努力を怠らない。意欲が高い。学ぶところがたくさんある。本当に良き友に恵まれたと俺も思う。


こうして、訓練の後は海に行く。今日は遊ぶんだ。海だ。浜辺だ。この世界では海で遊ぶことは少ないらしい。でもスピキアーズ領は海が遊び場らしく、小さい頃から海で遊んでいるらしい。浜の周辺やその海は魔獣が入らないように結界の魔道具を使っているとのことだ。港や浜辺で魔獣がいたんじゃ仕事にならないから。


水着は持ってきてない。王都にはないけど、スピキアーズ領にはある。だから昨日、水着を買った。レオナは赤いセパレートタイプの水着、ルーナは白いワンピースタイプの水着だ。2人とも良く似合っている。レオナは赤っぽい茶色の髪に合わせ、ルーナは金髪の髪に白い水着がいい。レオナは背がそこそこで、それなりに肉付きがいい。ルーナは背が小さく、まぁ。俺も男なので、グッとくる。


俺とアレスはトランクスタイプの水着を着用する。俺は花柄、アレスは青のグラデーションが綺麗な膝まであるトランクスタイプの水着だ。


海は青く、碧色だ。綺麗な海で透明度も高い。スピキアーズ領は海を大事にしているから、とても美しい。浜辺にはお店がある。前世の記憶でいう海の家みたいなやつだ。


砂は白い星砂と呼ばれるもので、サラサラだ。これは楽しい。俺は初めてだ。記憶を辿ってもない。海だ〜。


「海って綺麗だね。レオナも、ルーナも水着がよく似合って綺麗だよ」

「ふふ。マルクよくできました」

「ええ、よくできました。水着と私たち両方を褒めるのは良いです」

「マルクにしては上出来だよ」

「何か褒められたない気がする」

「ふふ。そんなことないわよ」


そんな話をして、泳ぐ。だがその前に。

「ねえ、その動きは何?」

「ストレッチって言うんだよ。文献で読んだけど、体をほぐして怪我しないんだって」

「へえ。私もやってみようかしら」

「それがいいよ」


「アレスとルーナは驚かないの?」

「ああ、レオナは初めて見るんだね。マルクがよく訓練前にしているから見たことがあるよ」

「私も、マルクが研究で疲れるとよくこの動きをしているので、聞いたことがあります」

「そう、私だけ初めてなのね」


「まぁ、タイミングだよ。気にしない方がいいよ。レオナ」

「そうね。たまたまよね」

「ああ」

「ていうか、何を気にしているの?」

「マルクはもう少し色々と気にした方がいいよ」

「え〜」


そうして海に入る。

「冷たい。でも気持ちいいね」

「はは。本当にいいわ」

「ふふ。気持ちいいです」


「みんなは初めての海だもんね。俺は慣れてるから普通だけど、みんなと一緒で楽しいよ」

「アレス、ほれほれ」

「やめろ、水をかけるな。しょっぱい」

「いいわね。アレス、ほら」


「やったな。マルク、レオナ、倍返しにしてやる」

「倍返しに4倍返しだ〜」

「私にもかかりました。マルク」


「ルーナも濡れるがいい」

「お返しです」

「うわー」

楽しい。圧倒的に楽しい。こういうのを望んでいたんだ。やっぱり友達はいい。


「マルク、あっちまで競争だ」

「泳げないと思って」

「じゃあ、スタートの合図をするわね。・・・よーい、スタート」


クロールだ。本で読んだ。やったことないけどできる。

「マルク、遅いよ。全然進んでない」

「くそ、泳ぎ方はあっているはずなのに」


「ふふ。綺麗な泳ぎ方なのに遅いです」

「ははは。本当ね。なんで遅いの?」

「はは、マルク、なんだか速そうな泳ぎ方で遅いって」


「うるさい、慣れたら勝てる。もっと足を早く動かして」

「あっ、早くなった」

「ええ、急に早くなりましたね」


「はは、行くぞ。アレス」

「負けないよ」

結局は負けた。アレスは泳ぎのスキルを持ってるらしい。自動で発動するタイプだ。ずるいよ。


「マルク、勝てた。たまには俺も勝たないとね」

「ああ、いつか勝つよ」

「また、来てくれたら勝負だね」


「兄様」

「やあ、ミルも来たんだね」

「はい。兄様達が海で遊ぶというので、ミルも遊びに来ました。」

「そうか。じゃあ今度はミルも入れて遊ぼうか」

「はい」

ミルちゃんも入れて遊んで、お昼を食べて、また遊んで今日は帰った。


今回は水着回です。ほんわかした話です。

今回も少し早めの投稿にしました。すみません。

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