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秘密の研究

その後は俺は部室でルーナとミリア先輩とサリー先輩と研究の途中経過を少し話した。まだ、俺は全容は話せない。


「・・・でありまして、魔法文字と詠唱の関係を見直しています。これらの類似性と違いを見出し、魔法文字は何かということを解き明かすのが研究内容です」

「うん、類似性まではわかる。でも何故それを研究する?」

「はい。魔法スキルのない者は魔法を行使できませんが、魔法というものを理解できるようになるんじゃないかと思います」

ここから先は気をつけて言わないといけないな。例え友達や先輩でも気軽に明かしたらダメだ。


「それに魔法文字ならば、魔道具をもっと生活に流用できるようになるのではないかと考えています。そして魔法スキルのない者も、魔道具が使えるようになればもっと色々とできるかと」

「聖国が黙ってない」


「はい。その通りかもしれません。ですから魔法を使うということに関しては、スキルと詠唱でしか出来ず、魔道具を使える人を増やすために魔法文字を流用するというふうに纏めることでいいのではと思います」

「うーん。それならいけそうじゃない。ミリア」

「うん。・・・・うん。そうかも」


「あの、私もマルクの研究を手伝って良いでしょうか?」

「え?」


「私の夢は父の理論が正しいか、正しくないかを理解し、間違っているなら正しくする訂正することです。父が残した書類に本には書いてない理論や発見があります。これを使えばマルクの研究は進むと思いますし、私もマルクの夢を共に追いかけたいのです。私の夢とも似ていますし」


「そう。ふふふ。ルーナ。そう。ふふふ」

「なんですか。サリー先輩。変ですよ」

「ええ、サリー先輩がおかしいです」


「もう、マルク、女性に変とか言わないの。ルーナも酷いわ」

「サリーは変」

「もう、ミリアまで。そもそもミリアには変とか言われたくない」

「まぁまぁ。俺はルーナがよければ手伝ってくれると助かるし、トルネストさんの未発表の研究内容は気になるね」


「じゃあ。いいですか?サリー先輩、ミリア先輩」

「うん」

「ええ。もちろんいいわ。頑張ってね。ルーナ」

なんだ、サリー先輩は?変だ。やっぱり。


こうして、研究の途中経過をお互いに報告しあった。その後にルーナと2人でこれからの研究についての話し合いをする。ルーナなら大丈夫だろう。父上には事後承諾になるが、今夜に許可をもらおう。


「ルーナだけには本当のことを言うよ。スキルがなくても魔法を使えるようにするために研究する。そのために、とりあえずは魔法文字を解読し、詠唱との違いと類似性をしっかり分類したい。その後に違いからスキルが必要になるようにしている部分を研究したい」


「わかりました。スキルがないとダメとしている部分を発見し、それを取り除いて運用する方法を探すということでしょうか?」

「うん。でもそこはまだ秘密で」

「はい。聖国対策ですね」


「ああ。それに先輩やアレスらにも言えない。彼らを巻き込めない」

「わかりました。そこは密かに、父の研究で使える部分はないか調べて報告します。でもまずは分類と解読をしっかりしないと」


「そうなんだ。それだけでも1人だと気が遠くなる作業だよ」

「そうです。ちゃんと分担を考えないと」

「ああ。ここまでは調べれたんだけどね」


「そうですか。はい。ならばここからは私が、ここまではマルクがお願いします」

「でも、ルーナの分担が多いよ」

「マルクは訓練もあるでしょう。私は研究に集中できます。大丈夫です」


「そう。じゃあお願い」

「はい」

こうして今のところの分担を決めて、今日は解散した。俺は家路につき、すぐに訓練を行った。その後に研究に励んでいた。


「マルク様、ラルク様がおかえりになられました。すぐに御夕食をなります」

「ああ。わかった。今行く」


食堂には父上と母上がすでにいらっしゃる。

「父上、おかえりなさいませ」


「ああ、マルク。今日はどうだった?」

「はい。母上よりアルメニア家の事をお聞きしました。父上には御感謝申し上げます」

「ああ。その件は俺の問題でもある。だから構わないぞ」


「はい。それと少し相談があります」

「なんだ?」

「はい。そろそろ魔法理論の研究を1人で行うのは難しいと感じております。それで、秘密を話せる友人に本当の事を話し、手伝ってもらおうかと思い、父上の許可をいただきたいのです」

「そうか。誰に話すのだ?」


「ルーナリア・アルメニアです」

「そうか。それなら良かろう。他はまだダメだ」

「そうですか」


「うむ。友達を騙すようで辛いだろうが、そこはまだやめておけ。聖国の情報網は案外広い。気を抜くと一気にに襲いかかる」

「はい。わかりました」

「うむ。すまんな。マルクを守るためだ。もう少し待ってくれ。せめて貴族派を切り裂いたら許可を出す。もう少し待て」

「はい」


こうして話は終わり、夕食を楽しんだ。その後は日課の瞑想と授業の復習と予習、そして研究をしていた。


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