カリキュラムと部活
俺たちは教室を出た。まだ授業は決まってないが、先に魔術詠唱研究会に入る手続きをしてから、食堂でご飯を食べることにした
「すみません。マルク・ドンナルナです。入部の手続きをしにきました」
「あっ、昨日の。入ってくれる?」
「ええ。その手続きで来ました」
「そう。後ろは?」
「彼女は俺のクラスメイトで、一緒に魔術詠唱研究会に入るので、一緒に来ました」
「ルーナリア・アルメニアです。よろしくお願いします」
「そう、ありがとう」
「彼が昨日話してた子?」
「そう、マルク」
「君が噂の」
「ええ。多分無能とか噂されているマルク・ドンナルナです」
「私はサリエ・エルナンデス、サリーって呼んで」
「サリー先輩、これからよろしくお願い申し上げます」
「そう、入ってくれるのね」
「はい。もしかしたら迷惑をかけるかもしれませんが、そして魔法は使えませんが」
「ふ。そんなの関係ないわ。噂なんてどうでもいいし、魔法は使えなくても研究はできるわ」
「ありがとうございます」
「で、後ろの子も入るのね」
「はい」
「よろしくね。ルーナリアさん」
「サリー先輩、ルーナで大丈夫です」
「そう。ルーナ。で、入部届ね。これを書いて、レアリア先生に持って行って」
「わかりました。あの、部長のお名前は何て言うのでしょう?」
「えっ、また名乗らなかったの?」
「うん、ミリア・レニエ。ミリアでいい」
「わかりました。ミリア先輩」
「もう、研究以外は本当にダメなんだから。まあよろしくね2人とも」
「よろしく」
「「はい、よろしくお願いします」」
これで、部室を後にして、食堂に向かった。
「マルク、ルーナ、遅かったね」
「ああ、先輩と話してたんだ」
「そうか、レオナともう授業のすり合わせを始めたよ」
「そう。見せて」
「はい。マルクもこれとこれはとらない?」
「うーん。片方はいけるね。これを取るよ」
「そう、よかった」
「ルーナはどうする?」
「私は魔法学を中心に取ります。実技は最低限で、教養は全て免除なので」
「そうか。じゃあこれ取る?」
「はい。魔法学はⅠ、Ⅱとも魔法基礎に当たるので取ります。それと魔法スキルの授業を追加で取ります」
「そうか、俺は魔法スキルはとらないけど、魔法学Ⅰは取るよ。一緒だね」
「はい。後、魔法詠唱学を取ろうと思います」
「それも取りたいけどね」
「そうですか。マルクは魔法中心なんですね」
「使えないけどね。だから学術しか取れないよ」
「そうですか」
「ねえ。戦術系はとらないの?」
「うーん基礎戦術学だけは今年取るよ。父上に学んでおけと言われているから」
「そう。じゃあ一緒だね」
「ああ。そうだね」
「マルクばかりだよ。僕も魔法スキルは取るよ」
「アレスも風魔法が使えるんだよね」
「ああ。あとは剣術と遠見と疾走だよ」
「斥候タイプだね」
「うん。だから騎士になって、斥候として頑張るんだ」
「でも、領地はいいの?」
「もちろん、そっちも頑張るよ。だから領地経営基礎学も学ぶんだ」
「そうか。すごいなアレスは」
「そうだろ」
「ああ」
こうして、食事を取りながら、カリキュラムを大まかに決めた。
後は2個ほど、どうするか?取るか、取らずに来年にするか?
免除試験を合格した教養科目は単位を受けることができる。それを受けて来年にまた教養科目免除試験を受けるということができる。なので教養授業試験免除はかなり楽と言える。
この学院を卒業するには、6つの基礎教養を2年分と8つの専門基礎学、応用教養学2つと必修の実技と実習を2年次までに受けると卒業となる。なので免除がない場合には6つの教養で12コマ、実技で4コマとなり、1日4コマで、だいたいの授業が2コマのため、後とれて2授業だ。免除が全くないと2年次は6つの教養と2つの応用教養科目、で10コマ、実技で4コマとなりが必修となり、3年次で、専門学を数個取る必要がある。免除を全て取れると2年次で全ての科目を取れるため、3年次は授業を受けなくても卒業となる。
俺は、専門を4つ、魔法学Ⅰ、冒険者基礎学、実践戦闘研究、戦術研究は決まっている。あと実技2つは取らなくてはいけない。実技はある程度カリキュラムによって先生や日程などを決めれるので、動かせる。これで残り4コマだ。レア先生に相談しよう。
「レアリア先生、すみません。カリキュラムで相談をしたいのですが」
「いいですよマルク君、どうぞ」
「はい、実技はこの先生を取ろうとかと思うのですが、どうなのでしょう?」
「そうですねー。こっちではなく、こっちにされた方がいいでしょう」
「そうですか。わかりました」
多分、貴族派に近しい先生で、スキル偏重なのだろう。
「後はいいと思います。後は来年の教養科目を取るかですね。私は取らなくてもいいと思いますよ。まぁマルク君は教養はすでに学院で習う分をわかっています」
「そうですか」
「教科書は教養科目はすでに渡してあります。なので、それを読んでわからなければ来ていただければいいかと」
「そうですか、ありがとうございます」
「で、専門は取るならば、商売交渉学などはどうでしょう。マルクは顔に出やすいので、交渉力の勉強になりますかと」
「そうですね。そうします。ご指導ありがとうございます。」
「いえ。部活は決めましたか?」
「あっ!これ魔術詠唱研究会の入部届です。先生が顧問なんですよね?」
「はい。そうですか。メルやエルカと私が入っていた部です。教員になったら人数が減っていたので、心配ですが、マルク君が入ればいずれ復活するでしょう」
「レアリア先生も魔法スキルを有するのですね?」
「ええ。メルやエルカほどではないですが3属性ほど」
「そうなんですか。へえ。先生も魔術詠唱研究会に」
「はいですから、顧問になりました」
「わかりました。ありがとうございます。これ、入部届とカリキュラムの申請用紙です」
「はい。受け取りました。お疲れ様です」
「そういえば、メル姉やエルカ姉様から何かありませんでしたか?」
「ええ。マルクに優しくするように言われました。まぁ担当が決まっていたので、大丈夫と伝えておきました」
「そうですか。ご迷惑をおかけしてないかと心配しておりました」
「ふふ。マルクも面倒な姉が2人もいると大変ですね」
「ははは。どうでしょう。いい姉です」
「これは秘密で」
「はい」
こうして、レアリア先生の講義室を出て、家路に着いた。
「ただいま」
「お帰りなさいませ。マルク様。お荷物はお預かりします」
「リリア。ありがとう」
「居間でリネア様とゼルさんがお待ちです」
「わかった」
「母上、ただいま戻りました」
「おかえりなさい」
「母上、私をお待ちしていただいたと」
「ええ、少し聞きたいことがあります」
「はい。何用でしょう」
「学校の様子を聞きたいの」
「そうですか。貴族派のカルバイン理事長でしょうか?」
「ええ。ラルクが動いてくれるんだけど。学院がどうか知らないとね」
「そうですか。わかりました。レア先生を含め先生や友人たちのおかげで特には実害ないですが、少々はあります。入学式では・・・」
入学式のガリシアンの話、槍術研究会の話、魔術詠唱研究会の話、レア先生がやめた方がいいと言った先生の話などをした。
「そうなのね。やっぱりスキル偏重がひどいわね」
「前々からでは?」
「ええ。前から、ある程度はあったわ。でもアルフの時も。メルやエルカの時もそこまでな話は聞いたことないわ。アルフらは優秀なスキルを持っていたからそうなのかもしれないけど」
「そうですか」
「明日は皆、お休みだから、アルフたちにも聞いてみましょう」
「わかりました」
この後、部屋に戻り、少し休憩してからゼルと槍術とスキルの訓練した。
そして訓練を終わって部屋で少しのんびりしていると
「マルク様、夕食のお時間です。食堂までお越しください」
「ああ。リリア、ありがとう」
食堂に降りてきた。
「父上、おかえりなさいませ」
「ああ。マルク。学院はどうだ?」
「はい。先生や友人によくしてもらい、とても楽しいです」
「そうか」
「はい。後、教養科目は全て、免除となりました」
「そうか。では専門だな」
「はい。後、魔術詠唱研究会に入り、古代言語や魔法文字の研究もできそうです」
「そうか。やりたいことができそうだな」
「はい」
「うむ、自分の道を進めるために勉学に励むんだぞ」
「はい」
「あと、友との時間も大事にしろ」
「はい」
「友達の名前はなんと言うのだ?」
「はい、アレス・スピキアーズ、レオナ・ガリシアン、ルーナリア・アルメニアです。」
「アレス君に、ルーナリア・アルメニアとレオナ・ガリシアンか。レオナ・ガリシアンは確か、ハンニバル殿の娘ではないか?それにアルメニアか」
「レオナはそうです。ルーナリアをご存知で?」
「いや。少しな。気にするな」
「そうですか」
「ああ、で授業はもう決めたのか?」
「はい。アレスたちと考え、レア先生に相談して決めました」
「そうか。わかった」
こうして、父上や母上と学院の話をして夕食を食べた。食べ終わった後は、部屋に戻り、瞑想をして寝た。




