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新たな友

あれから1週間が経った。


俺は、免除試験を受け、今日、その結果がわかる。その結果は、掲示板の張り紙に張り出されるので、見に来たところだ。


「ええと、全て受かったか」

「マルク、すごいね。全て免除だ」

「アレスは歴史だけダメだったんだ」

「ああ。歴史は苦手なんだよね」


「まぁ、それ以外が免除なら十分だよ」

「マルク、マルクも全て免除見たいね」

「レオナも?」

「ええ。なんとか」

「そうか」


「マルクは余裕で免除なのよね。すごいわ」

「まぁ、教えてもらっていた人が皆すごい人だから」

「そうね。レアリア先生に、アルフ様だものね」


「ああ。そうだよ。環境に恵まれているよ」

「それだけではないわ。努力しないと無理よ。満点なんて」

「まぁ嬉しいよね」


「やあ、マルク、頑張ってるじゃないか」

「おはようございます。ライル様」


「マルク、固いよ。ここは学院だからライル先輩でいいよ」

「はい、ライル先輩」

「満点で、教養全科目免除はすごいな」


「兄上らに昨年みっちり教えられてきましたから」

「そうか、アルフ様に教えてもらっていたならそうだな」

「ライル様も免除の結果を見にきたのですか?」


「ああ、なんとか教養全科目、今年も免除になったよ」

「そうですか。素晴らしい」

「いや、マルクは満点で免除だろ。俺は大したことないさ」

「いえ、2学年で教養全科目免除はすごいです。応用の教養科目は受かるのが難しいと聞いております」

「ああ、なかなかね」

「そうですか」


「ライル様、お久しぶりです。アレス・スキピアーズです」

「アレスじゃないか」

大げさだな。ライル様も演技下手だな。ここは驚かなきゃ。

「え?知り合いですか?」


「ああ、アレスとは親戚になるんだ。マルクも親戚だぞ」

「えっ?知らなかった。アレス教えてくれてもいいんじゃない」

「ふふ。ライル様とマルクを驚かそうと思ってな」

「う、酷いよ」


「ははは。マルクを驚かすことができた。マルクには驚かされることばかりだ。少しは意趣返しができたか」

「ええ。ライル様」

「はあ。驚きました。まさか2人が知り合い、いや親戚だったなんて。ということは俺とアレスも親戚?」


「ああ、姻族だけどな。俺の叔父がドンナルナ家の分家の方を奥様にもらったんだ」

「ああ。うちの分家筋の親戚がスピキアーズ家に嫁いだ。と言っても、俺の大叔母、マルクの叔母に当たる方だ。父上とそう年が変わらんから、若いぞ」


「そうなのですか?それは知りませんでした。父上らも教えてくれればよかったのに」

「ははは。そうだな。ではこれで失礼するよ」

「「「ええ」」」


俺らも教室に戻る。

「ふう、上手くいった」

「ほら、俺の演技も良かったでしょ?」


「ははは、マルクのは結構大げさでダメダメだったよ」

「レオナ、嘘だ。だってライル先輩、気づいてなかったよ」

「気づいてたんじゃない。ただ、マルクは今までアレスと親戚と気づいてなかったでしょ?それを見て嬉しかったんじゃないかな?本当に驚かせられたと」


「ああ。あれは本当に気づいてなかった」

「やっぱり。でもそれで良かったのよ」

「ああ。助かった」


「良かったねアレス」

「ああ。本当に良かった。」

「戻ろっか」

「ああ」

「ええ」


こうして、俺たちは掲示板を後にした。教室に戻ると、この教室は成績が良い者が多いのか、クラスはいい雰囲気だった。多少なりとも、皆、免除をもらったようだ。クラスでは免除試験の結果を皆が話していた。皆、嬉しそうだな。


「はい。皆さん。1週間後から授業が始まります。免除試験を受けて、合格した授業もあるでしょう。それを元に明後日までに、授業カリキュラムを組んでください。必ず今明後日の放課後までに、この紙にカリキュラムを書いて出してください。必修の教養授業は、免除試験に合格したものを除いて、必ず入れるようにしてください。教養授業を取れないと留年になります。もしカリキュラムに悩んだら相談してください」

「「「「「はい」」」」」

「では、これでホームルームは終わります」


「マルク、専門授業はどうするの?」

「実技の必修以外の授業を入れると取りたい授業が受けれないんだ。だから悩んでるよ」

「何を取るんだ?」


「ああ、シグルソン教官の実践戦闘研究、冒険者の基礎の二つは必ず取るよ」

「ああ、俺もシグルソン教官の授業は僕も取れるな。マルクが取るなら取ろうかな」

「じゃあ、一緒だね」

「ああ」


「問題ないんじゃない?他はどうするの?」

「うん、古代言語の授業がね。実践戦闘研究を取ると、実技を他の時間に持ってこないといけないから、実技の授業と被っているんだ」


「えっ?古代言語の授業を取りたいの?」

「ああ、だけど来年かな」

「そうね。でも珍しい授業を取りたいのね」


「ああ。魔法が使えないから、古代言語には何かヒントがないかなと思って」

「えっ。魔法を使いたいの?」

「ああ、スキルはないけど、魔法を使えたらいいなって。それに俺が使えたら、スキルのない人も使えるようになるでしょう?」


「そうね。でも聖国が黙ってないよ」

「うん。だからまぁ無理だと思うけど、研究するのはいいんじゃない」

「そうね。それくらいなら」


「あの〜。すみません。今の話が聞こえたんですけど、マルク・ドンナルナ君と話をしてみたいんですが?今、大丈夫でしょうか?」

「うん。今の話は内緒ね」


「はい。私は」

「ルーナリア・アルメニアさんだよね」

「覚えてくださったのですか?」


「自己紹介が最初だったから、覚えてたんだ」

「ありがとうございます。で、魔法スキルなしに魔法を使えたらいいなっておっしゃってらっしゃいましたが、トルネスト著の本をお読みになったのですか?」


「うん。面白い考察だった。でも変容とスキルの意味が違う気がする。方向は正しいけど、結論が甘いかなと思ったよ」

「えっ?」

「うん、ルーナリアさんも読んだんでしょ?」

「はい。でも、あれは完全に間違ってるって」


「その証明も読んだけど、あれは難癖に近いよ。理由があってダメというより、俺がその方法でできない、魔法を使う時に自然のマナを感じれないのはおかしいっていう感じかな?」

「はい。そうです」


「ルーナリアさんもそう思ったんだ。まあ、トルネストさんの内容も違うかなとは思うけどね。まあ、でも一章にある獣人族の方々が詠唱やスキルなしに魔闘を使える、またマナの多い少ないに関係なく魔闘を使えるのは、自然のマナを使うことに長けるからというところから、スキルが無ければ魔法は使えないというのは間違いとしたのは正にそうだと思う。もう少し、深く考察できてれば答えにたどり着きそうだよね」


「あの、魔法について理解していて、新たな方法を作ったのでしょうか?」

「いいや、ただ、トルネストさんの方法だと、魔法によってできた変容したマナはどこにあるのかなと思ったんだ」

「あっ!」


「気づいた?魔法が使われた後のゴミのような物が出るはずなんだ」

「そうですね」

「それがない時点で、マナの変容は違うかな。そう考えると、何か違う方法で自然のマナを使っているんじゃないのかな。マナが使われると元に戻るような」

「そうですね」


「まあ、俺もわかんないし、発見できても聖国に潰されると思うけど」

「そうですね」

「2人の会話がよくわからないな」

「うん、難しいわ」


「ああ、ごめん。トルネストという人の本を読んでみるといいよ。図書館にでもあるんじゃない?」

「読んでも理解しづらいと思いますが、是非。あっ、2人にはということじゃないです。あの本がわかりづらいということです」

「「そう」」


「ルーナリアさん、部活決めた?」

「マルク君、ルーナでいいです。部活は魔術詠唱研究会にしようかと思っています。ただ、あまりいい噂を聞かないので、どうしようかなと思っています」


「そう、ルーナ、マルクでいいよ。俺も魔術詠唱研究会に入るよ。一緒に入ろうよ。魔術詠唱研究会は単に嫌がらせを受けて、変な噂を立てられているだけだよ」

「そうですか。ではマルクと一緒に入ります」

「そうか。やったあ」


「マルク、私も入ろうかな」

「うん?レオナは確か、戦術研究会に入るんじゃないの?」

「そうだけど」

「ダメだよ。やりたいことをするために勉強しなきゃ」

「うん」


俺たちは教室を出た。まだ授業は決まってないが、先に魔術詠唱研究会に入る手続きをしてから、食堂でご飯を食べることにした


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