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ラルクとアルフ

前話の続きです。夕食を家族で取るシーンから始まります

リリアに呼ばれて、食卓に行く。兄上も、メル姉も、エルカ姉様ももういる。

「父上、おかえりなさいませ」

「ああ、ただいま。マルク、午後もアルフと訓練していたそうだな」

「はい。兄上とメル姉とエルカ姉様と魔法の訓練とスキルの訓練をしました」


「そうか。今日も無理はしていないか?」

「はい。危険なところまではしておりません」

「そうか、無理はするな」

「はい」


「エルカが危なかったけどね」

「メル」

「そうね、エルカはやりすぎだったわね」

「お母様」

「ふふふ。冗談よ」


「そうか。まぁ大丈夫だろう。リネアもいたのだろう?」

「ええ」

「父上、エルカ姉様は俺の事を慮って少し頑張り過ぎてしまったのです」

「ん。マルクの言う通り」


「そうか。アルフ、どうだった?」

「はい、父上、それはすごかったです。マルクは本当にすごいです」

「そうか、アルフもお前も励め」

「はい」

そんな話をして、その後は他愛もない話を楽しみ、夕食は終わった。俺は部屋で瞑想して終わり。



マルクが部屋に戻った後、ラルクの執務室では

「アルフ、どうだ、マルクの訓練を見て」

「はい、マルクにスキルがないというのは信じられません」


「うむ。あのスキルおかげというのはあるが、全てマルクの努力だ」

「私は、もっと強くなります。マルクに魔法理論を教えてもらうことにしました」

「そうか」


「あの聞きたいのですが、マルクはどのようにして魔法をできるようになったのでしょう?」

「ああ、最初はスキルなしではできないと知ると、魔法とは何かを考えておったようだ。そして、魔法の実験をメルやエルカに手伝ってもらって、調べていってな。そして、トルネストの理論を参考に新たな理論を見つけたのだ」

「トルネストの。あの方の本は正しかったわけですか」


「いや、間違っておったようだ。お前も読んだだろう?あいつの理論は自分のマナを呼び水に自然のマナを詠唱で変容させるのが魔法で、スキルはそれを理解する力だとした。だから、スキルをなくても変容さえできれば魔法はできると」

「はい、そうだと記憶しています。しかし、それではできないというのが正しいと証明され、売れなかったと記憶しています」


「ああ。それをな、マルクは魔法はマナが結合する結果としたのだ。詠唱はそれの方法を簡単にするための式のようなもの、スキルは詠唱という式と詠唱の結果を覚えやすくする力とした」

「な、たしかに、それはそう言われれば。では式をなくせばいい?結合の種類を見つけ出し、その結合方法を作れれば、できると?」


「だそうだ。そして、やってのけた。俺の目の前でな」

「そうですか」


「そして、あのスキルも、飲み込むだけではない、マナや気功を飲むことで強くなると。そして他人のスキルや魔法を飲むことで、自分のものにできると、そしてそれは直接飲み込まなくてもスキルを使用した時のマナを飲むことでもできる。それを見つけ出した。全て自力だ。俺もリネアも何一つも教えることもできなかった。」


「なんと、すごい。あの噂は」

「ああ、間違いだ。ただ、それは秘密だ。魔法もな。じゃないと聖国が何をするか解らん。お前も秘密にしろ。メルもエルカもマルクの魔法理論でスキルなしに魔法を使用できるようになったが使用も訓練も誰にも見られない場所でやっている。休みの日はどこか知らん場所で訓練をしているようだ」

「そうですか、私も気をつけます」


「ああ。マルクが十分な力をつけるまではな。学院を卒業する頃にはいいだろう」

「わかりました」


「ただ、間違えるな。マルクがすごいのはスキルでも、頭でもない。その心だ。俺よりも強い心を持っている。それはゼルも、リネアも、俺も尊敬するほどだ。『自分の息子を尊敬できるか?』とガルドに言われたが、そんなことは俺でも思う。しかし、あの強さはすごいぞ。考えてもみろ、お前が、あのスキル以外は無いとわかったとしたら、そこから魔法を研究して、世の中の知らない方法を見つけられるか?スキルをとことん研究して、苦しい思いするのに、その苦しいことを続けられるか?そもそも這い上がれるか?」

「う」


「俺がそうだったら、できるとは言えん。いや、7歳では、マルクと同じことをする前に泣いて泣いて、ものや親に当たり散らし、何もする気にすらならん」

「そうかもしれません」


「お前はそのマルクの心の強さを一番学べ。お前には才能がある。俺よりも上かもしれん」

「はい、父上。しかし、マルクはなぜ、そんなに強いのでしょう?何故そんな事ができるのでしょう?」

「わからん」


「そうですか。マルクを尊敬する父のことはわかりました。私も今日は同じことを思いました。そう思う一端を見る事ができました。父上の言っていたことは正しかった」

「ああ。お前は戻ってきた。それで良い。頑張れば必ず道は開ける。苦しくても辛くても、逃げ出さずに前を向け。そして進め。マルクはそうしてきた」

「はい」


「お前には、過去の俺を話さなかった。それは俺の間違いだ。言っておけばよかった。これから教えてやる」

「はい」

その後、ラルクはアルフに過去の話をした。マルクに話したように。


第2章もあと1話の閑話を入れて終了です。


本日は2話投稿です。明日1話で2章を終わらせて、第3章を投稿します。


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