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アルフのために

ガルドの人の良さが滲み出る回です。

翌日


今日も朝から訓練だ。今日は父上もお休みだから、家にいる。最近、忙しそうで、なかなか一緒に訓練をできなかった。


「父上、私の槍術と武闘オーラは、どうでしたか?」

「うむ。武闘オーラも槍術もだいぶ安定して来た。修練はしっかりとしているな。しかし、まだ、足りぬところもある。これからも訓練に励め」

「はい」


こうして、槍術と武闘オーラの訓練は終わった。

昼食を食べ終わると、思わぬ方が来た。


「ガルド、どうした?」

「うむ、少し報告と相談があってな。マルクの顔も見ておかぬと、レアのこともあるからな」

「ふむ、そうか」


「うむ、マルクとリネアも呼んで来てくれぬか?」

「ゼル、頼む」

「はっ」



「ガルド、久しぶりね」

「宰相閣下、はじめまして、ラルク・フィン・ドンナルナの次男、マルク・ドンナルナです」


「うむ。リネア久しぶりだな。マルク、良い挨拶だ。レアもいい先生であるようだな。しかし、今日は宰相としてではなく、ラルクの友人として来ておる。ガルドで良い」

「はい。ガルド様」

「うむ」


「で、何用だ?ガルド、お前が我が家を訪ねるなど珍しい。用があれば宮殿でお主の執務室に呼べばよかろう」

「ああ。あそこで話しずらいことでな。友人として話をしたいからな」

「そうか、で話はなんだ?」


「アルフのことだ」

「アルフか、あいつはもう縁を切った」


「そう言うな、ラルクよ。あいつはお前の言葉を理解している。だが、お前と言う壁を超えられずに、踠いておったのだ。だが、先日より、自分が間違っておったことに気づいたのだ。先週に話をした。アルスからも離した。昨日から休んでいるのは知っておろう」


「ふむ。でもな、変わったかなどわからん。そうならば、謝りに来るだろう」

「ああ、だから、儂が来たのだ。アルフが急に来ても追い返すのが関の山だろう」

「まあな」


「だろうが。だから、先だって儂がお前に帰って来たら話を聞くようにと、今日説明に来たのだ」

「そうか、お前に免じて、話は聞いてやろう。ただし、変わってない場合は本当に縁を切る」

「大丈夫だ」

「そうか」


「もう、ラルクもガルドも顔が怖いわ。まぁアルフがちゃんと私たちの話を理解して、前に戻ったなら、許す。それでいいのよ」

「ああ、リネア」


「すまなぬな、リネア、ラルク。アルフは王国に必要な者なのだ。許してくれると助かる。そして、昔のアルフに戻してやってくれ」

「わかったわ」


兄上は大丈夫そうだ。戻ってきたら、一緒に訓練をしよう。兄上にも見てもらいたい。

「マルク、お前もすまぬな」


「いいえ。ガルド様。我が家のために、心遣い、ありがたきこと。こちらが謝罪と感謝を申し上げるべきでございます。ありがとうございます」

「ふむ。本当にラルクとリネアの子か?その歳にしてはあまりにも気遣いや礼儀ができすぎる」


「ガルド、喧嘩を売っているのか?」

「ガルド、ラルクはともかく、私は礼儀ができるわ。そうね、死にたいのね」

「待て、すまぬ」


「次は死ぬと思え」

「ええ、死にたいなら、また言うといいわ」

「わかった。わかった」


「そうだ、せっかく来たのだ。酒でも飲んでいくか?」

「いや、この後、アルフが帰って来るだろう。それまで、ここにいたのでは意味がなくなるからな」

「そうか、悪いな、ガルド」


「ええ、今度何かお礼するわ」

「いらぬ、腐れ縁だ。幼馴染と恩人のためにしたこと、そんなことで感謝などいらないぞ」

「そう」

「そうか」


こうして、ガルド様は帰っていった。俺は、兄上を思う。兄上は記憶では優しい人だ。あのときの兄上は何か憑いていたのだろう。そうしか思えない。


ガルドの様な懐の大きい人になりたい。


何度もすみません。当作を面白いと思って頂いた方は下記に評価をするところがあります。是非ご評価をお願いします。本当にこういうのは心苦しいのですが、どうかよろしくお願いします。

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