騎士なのか?
マルク君はどうしたいか?
兄上が帰って来てから、3週間が経った。俺は気持ち新たに訓練に励んでいる。兄上に文官を勧められ、騎士になれないと言われた。
そのことで、一瞬、道に迷ったが、母上の言葉で騎士になる道を探していた。今日の午前の訓練も終わったところで、ゼルに聞いてみよう。
ふうう、今日の分も終わった。
「はい。今日の分もしっかりできましたね。どんな時も変わらず、しっかりとやっていくことが大事です」
「ああ。ゼル、今日も訓練に付き合ってくれてありがとう。なぁ、少し相談があるんだ」
「そうですか。私で良ければ」
「あぁ。ゼル、このままじゃ、俺は騎士になれないと思う。騎士学院も、騎士試験も受からない。どうしたら、騎士になり、父上を超えられるようになれるかな?」
「マルク様、騎士になりたいのですか?それともラルク様を超えたいのですか?」
「うーん、父上を超えたいかな。騎士はその手段かな」
「でしたら、騎士にこだわる必要はありません。冒険者などいかがでしょう?」
「冒険者?確か、騎士や宮殿魔術師になれない人がなるんじゃなかった?」
「一般にはそう思われがちですが、宮仕えを嫌う強者がなることがあります。実際にドワーフの国や商業都市国家群では有名で、強い冒険者がいらっしゃいます。その中には英雄とも言われているもの、傭兵として、大戦で活躍したものもおります」
「そうか。それなら俺でもなれそうだね。でもドンナルナ家の者が冒険者になってもいいのかな?家名を汚すことにならないかな?」
「ラルク様に相談してみたらどうでしょう?多分、賛成してくださりますよ」
「そうか、父上に聞いてみよう」
「はい」
ゼルと話した後、昼食をして、午後の訓練を終えた。
夕食時に、父上に
「お帰りなさいませ、父上。母上と父上にご相談があります」
「なんだ?」
「何かしら」
「はい、先日兄上がおっしゃっていたことですが、騎士になるのは難しいのではと思います」
「そんなことを気にするは必要はない」
「ええ。貴方は貴方の道を進めばいいと先日言いましたよね」
「母上、その御言葉、大変嬉しく。覚悟をもう一度強く持てました」
「そうか」
「そうなのね」
「ですが、実際には兄上の言う通り、騎士になるのは難しいと思います。ですので、ゼルに相談したところ、ドワーフ国や商業都市国家群では冒険者になる者に、強者や大戦で活躍なされた方もいらっしゃると聞きました。であれば、私もそうなりたく思います。しかし、もしかするとドンナルナ家の家名を汚すことになるのではと思い、相談しました」
「そうか。気にするな。俺もリネアもお前がそうしたいと思うなら、諦めて自分の意思を曲げぬのでなければ、それでいい。いくらでも応援してやる。家名など、あってないようなものだ。俺が一代で貴族にした家名だ」
「そうね。ラルクの言う通りよ」
「ありがとうございます」
こうして、父上と母上に許可をもらい、その後は夕食を楽しんだ。
ラルクとリネアの様な優しい人になりたいと、作者は思います。
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