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閑話 家庭教師レアリアから見たマルク

レアリア視点の閑話です。


はあ。明日から、マルク君の授業をしなくちゃね。お父様がせっかく勉強になると紹介してくれたの頑張らなくちゃ。それに変な授業したら、あの極悪ツインズが何をしでかすか?あの子達、どんだけマルク君が好きなのよ。


わざわざ仕事終わりに学院に来て、脅かして来るなんて。ちょっとは友を信じなさいよ。全く。


翌日


さあ、授業よ。

「マルク君、こんにちは。今日から家庭教師をします。レアリア・ルクレシアスです。よろしくお願いします」

「はい。レアリア先生」


「マルク君、レア先生でいいです。あと礼儀作法はまぁまぁできていますね。まだ教わり始めたところでしょうか?もう少し頭の角度を下げる。ええ。そのあたりです。これから、貴族の礼儀作法も教えるので、ちゃんと覚えてください」

「はい、レア先生。ただマルクとお呼びください。先生は目上にあたりますので」


「そう、わかったわ。マルク」

「はい、レア先生」

「では授業に入るわね」

「はい」


そこから、きちっと授業をしたわ。しかし、マルクは何て聡明なのかしら。授業をちゃんと聞いているだけでなく、その辺の貴族家当主並みに礼儀はできるし、歴史や地理では驚くような質問して、少し答えられるか心配になるくらい。あの2人の弟なの?


ブルッとしたわ。寒気がする。あの2人だわ。遠くにいても怖いって。でもいいわ、教師になった時のいい勉強よ。学院の授業じゃわからないことだわ。やっぱり現場はいいわ。


3ヶ月後

今日の授業もマルクは凄かったわ。2代目国王陛下の考えをあの歳で完璧に理解しているなんて、相当に頭がキレるわ。あの子はまだ10歳よね。平和のために自身の評価を顧みずに行動する事の需要性より、初代様のカリスマ性や英雄らしい行動に憧れても不思議ではないのに。


この凄さを理解できるなんて。武門の家には珍しいわ。マルクはきっと凄い文官にもなれるわね。歴史に名を残す子になるわ。私も頑張らなきゃ。マルクのやる気を満たすような授業をしなくちゃね。本当いいところを紹介してもらったわ。


あっお父様だ。今日はご帰宅が早いわね

「お父様、おかえりなさいませ。今日はお早いお帰りで喜ばしい限り。宰相が早く帰れる国ほど良い国はないことでしょう」

「うむ。ラルクの息子、マルクの授業はどうだ?」


「はい。実に良いところをご紹介いただきました。マルク君は素晴らしい生徒です。私も教えることで、多くのことを勉強できており、教師になるための良い学びの場となっております」


「そうか。ラルクはマルクを一番可愛がっておるようだ。粗相のないようにな」

「はい。お父様」


そうか、マルクを一番可愛がっているのか。


まぁ、極悪ツインズはまぁわかるが、アルフ様は優秀だと評判だけどね。マルクは世間の評判だと・・・。まぁ手のかかる子ほど可愛いと言うしね。


まぁ、従順で真面目、真っ直ぐなところもあって、生徒としては可愛いし、優秀なのよね。問題行動なんて見たことない。それどころか優秀すぎて、驚くほど。まぁ、期待するかしらね。でも騎士としては噂通りのスキルなら、キツイかしら。


それから、3ヶ月後


うーん。少し、マルクに落ち着きがないかな。いや焦っているのかな?そうかラルク様が戦場に行ってらっしゃるからね。


まぁわかるけど、あの英雄ラルク・フィン・ドンナルナよ。数多の戦場を駆け抜けて、数多の命を救った。『王国の風壁』と呼ばれる王国の守護者よ。そんな人が死ぬなんて、怪我すら想像できないわ。でも父親は心配なのね。可愛いわね。子供らしい、年齢相応なところは初めて見たわ。


「先生、今回の戦乱はなぜ起きるのでしょう?」

「気になるのね。辺境伯領の戦乱が」


「はい。皇帝は、継いだばかりで武威を見せたいというのはわかります。王国はエドワード殿下に功績を積ませたいというところでしょうか?」

「そうです。マルク。ではなぜ帝国は皇帝の弟を大将にしたかわかる?」


「うーん。皇帝は皇弟を亡き者にして地盤を固めたいということでしょうか?」

「そうね。そうだと思うわ。そして皇弟には皇弟の事情がある、家臣を連れて行き、武功を立たせたいという事情があるわ。そうすることで国内での権力争いで有利にしたい。もしくは自身の保身のためかしら。だからこそ、下手に家臣を失うような戦いもできないのね」


「なるほど、全ての者に思惑があり、それで動けないということですね」

「ええ。そうね。だったら止めればいいのよ。民が泣くだけで無意味よ。王国は、宰相はもっと狙いがありそうだけどね」


「狙いですか」

「・・狙いはいえないわ。まだ。情報が漏れたらマズイから」

「そうですね」


「これでも宰相の娘なの。ごめんなさい」

「いいえ、先生のご立場も考えずに聞いた私が悪いのです」

「そう言ってもらえると助かるわ。本当はマルクの勉強のために教えたいのだけど」


はあ、なんて鋭い子なの、10歳そこらでここまで会話で聞き出そうとするなんて、凄いわ。そこそこの貴族当主と話すくらいは本心を隠さないと、いらないことまで話しそうよ。子供と思って甘く見てると良くないわ。


ちゃんとしなきゃ。


そんなことを思われていると知らないマルクは父親を心配していた。こうして授業は終わった。


レアリアのマルクの評価をお楽しみください。


本日、もう一話投稿予定

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