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終末へと誘う戦いの始まり 邪神戦争

あのクソ野郎はどこまで命を弄び、蔑ろにすれば気が済むんだ。あいつを絶対に殺す。そう思った。俺の命をかけても。


俺は父上らと最終の会議に臨む。俺は会議でさっきのことを説明した。

「そうか。あの邪神はそんな手を。死んだものは全て封印するしかないな」

「ええ、カンバルを倒すまでは遺体を封印する方がいいでしょう」


「なんとも、えげつない手を」

「ええ」


「それで、奴はサトウという勇者の力を完全に得るまで、どこかで静かにすると言ったのか?」

「ええ」


「せめて、場所がわかれば」

「それならマナを打ち込みました」

「何?でかした」


「はい。ヤマモトさんらに聞いた、魔族・ダークエルフ軍が本拠地にしていた場所を調べてみます」

「そうですね。それは斥候のヤイ君に任せましょう。彼らならマルク殿のマナを見分けられます。マルク殿は力を温存しておいてください」

「しかし、それでヤイが」


「大丈夫です。さっきのことで仲間を心配する気持ちはわかります。でも、信じる事が重要です。私たちは覚悟を持っています。大切な人を守るために命をかける覚悟を持っています。マルク殿だけが背負うものではないですね」

「あ」


「わかってくれましたか?そして、貴方の目が何もかもを背負うという覚悟を持った人の目になっている事も気づいていますよ」

「そうですか」


「そういう事だ。ヤイを中心に斥候部隊を組んで、カンバルの場所を突きとめろ」

「はっ」


そして、ヤイら斥候部隊の調査が始まった。俺はしばしの休暇となった。ミカさんとのんびり話をした。リオル先輩らは復活したガイス師匠らと訓練するようだ。

「隊長、大丈夫ですか?」

「大丈夫だよ」


「目に覚悟が見えます。死んでもいいっていう」

「え?」


「当たっていますか?やっぱり」

「ごめん。心配をかけて」


「心配なんて、大丈夫です。マルクさんに死んでもいいなんて思わないでほしいだけです」

「そうか」


「勝ちたいと思います。でも誰か1人の犠牲の上でなんて悲しいだけです。私の父も」

「ミカさん」


「私の過去を話します。それに付き合ってください」

「ああ」


「私の父は優しい人だったんです。母は体が弱く、私が生まれてすぐに亡くなりました。私は優しい父と2人で仲良く暮らしていました。でも私が6歳の時、事故に遭いました。私と父は保育園の帰り、歩いていました。

 そんな時に車が来たんです。私はあまりの恐怖に動けなかったです。その時、父は私をかばうように手で押して、そのまま車に轢かれました。私は父に押されて、車道から人様の家の庭に入りました」


「そんなことが」


「はい。その時のことは今でも覚えています。ちょうどクリスマスの日で、父とクリスマスケーキを買って、家で食べるはずでした。私が押されて入った庭のある家もちょうどクリスマスのパーティか何かをしているようで、明るく楽しそうでした。

 その後に事故のことがわかり、多くの人やその家の家族に見守られて父の元へ行ったのですが、父は・・・」


「私は父のお陰で、命を救いました。でもその後は辛く、悲しい人生でした。親戚をたらい回しに遭い、最後は教会の孤児院に8歳の時に入って、孤独になりました。何度もに死にたいと思いました。悲しく、つらくて」


「・・・ミカさん」


「でも、今は父に感謝しています。あの時、生きていたからこっちに来れたことを。私は今、幸せです。マルクさんや他の人に会えて。でもやっぱり父ともう一度逢いたいとは思ってしまいます。ですから、残された人は一生、死んだ人を忘れられないのです。ですから、最後まで生きることを諦めないでください」


「ミカさん。ありがとう」

「いいえ」


俺はミカさんのおかげで、もう一度、原点を思い出せた。父上や母上ら家族を、みんなを悲しませたくない。それだったはずだ。


その手段が英雄になることだ。目的と手段を間違えるな。まだしてない事もある。食べたい物がある。行きたい場所もある。俺の人生はまだ長いはずだ。


「マルクさん、この戦いに勝って、シューベルトでお祝いしましょう」

「ああ」



そして俺らは師匠の元へ行き、訓練をする。多くの人がいた。父上や兄上、シグルソン顧問、アレスにらに、リオル先輩ら、サンゼルたち、ガイアスら獣人族の部隊、本当に多くの人が訓練をしていた。


「みんな、ウズウズして、静かにしてられないんだね」

「おい、マルク、お前には言われたくない」


「ああ、マルクに訓練バカみたいなことは言われたくない」

「そうそう、この中でバカが誰かって言えば、マルクに投票する」


「「「「「それは俺も」」」」」

「ははは。最高じゃねえか。マルクが来ると明るくなる」


「なんだか、バカにされている気がする。よし、アレス、まずはアレスからボコボコにしてやる。鍛えてやる」

「いやあ、マルク。やり過ぎはまずくない?」


「大丈夫、まだ時間はあるよ」

「おいおい」


そして俺はアレスらと訓練した。全員のしておいた。師匠も倒した。師匠は俺は関係ねえだろうと言っていたが、ついでだ。俺の力を試すためだ。もう師匠を超えた事を示すためだ。


そのあとは俺らは軽く酒を飲んで寝た。


そして2日後ヤイらが戻ってきた。ヤイらはカンバルの場所を突き止めたようだ。場所はここから北に数十キロ先だ。魔王の城のさらに北側の場所にあるらしい。


俺らはヤイらが戻ってきた翌日に、そこに向け進軍を開始することを決めて、1日をのんびりして、翌日に俺らは準備を済ませて進軍を開始しようとした。


「ははは。この世界の下等生物共よ。蛆虫たちよ。世界に巣食う害虫よ。儂を倒しにここに来るか?その必要はない。儂の目的はあの偽物の神を封印した神殿だ、そこに向かう時に邪魔をするお前らを殺し、そしてマルク・ドンナルナ、お前の力を奪う。

 お前は儂と同化し、儂の中で生きる。よかったな。儂の作る世界の礎となれるぞ。さぁ、蹂躙を開始する。そこで待っていろ」


「あのクソ邪神」

「クソ邪神が」


「皆、聞け。邪神が来る。ここで俺らの命運は決まる。奴を倒して、俺らは未来を掴む。それ以外はありえない。家族を、友を守りたいなら、死にものぐるいで戦え、助け合え」


父上の言葉が響いた。

「「「「「「おおおおお」」」」」」


「俺が勝たせてやらあ。マットが、カズキが幸せを願ったこの世界の存続を邪魔させねえ」

「ああ、お前の世界なんてクソ喰らえだ。邪神よ」

師匠、ガッソさんの声が響く。


「邪神の思い通りにすれば、息子に、妻に怒られる。俺の部下たちに笑われる。俺はあいつらの誇りであるのだ」

シグルソン顧問の声だ。


「負けない。大事な人を守りたい。それだけだ」

ヤイが叫ぶ。


「ああ、ヤイ副長の言う通り。ここで勝って、俺の未来をいく」

リオル先輩が続く。


「ええ、マリアと一緒に生きたい。俺はマリアと共に夢を叶えたい」

ケビンの心の叫びだ。


「俺もレオナと幸せになるって決めた。スピキアーズ領を父上よりいい領域にするって決めた。まだ夢は始まってもない。こんなところで終わらせない」

アレスが叫ぶ。夢を見続けたいと。


「みんな、聞け。俺は英雄なんて呼ばれてるけど、大したことはなかった。それでも想い続け、努力し続けて、ここまで来た。想いは力になる。努力は積み重なり、勝ちを得る。ここまで俺らが生きてきた時間が俺らを勝利に導く。

 あんな、くだらない奴の時間と俺ら1人1人が生きてきた濃密な時間は違う。だから俺らが積み重ねてきた物を爆発させろ。今こそ勝利を」


「「「「「「おう」」」」」」

同盟の士気は最高潮になった、その時、カンバルが現れた。奴の姿は大きく、そして神々しいと言えるものだった。


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