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狙いは何か

その日は来た。空が変わった。黒い雲が広がり世界は暗くなった。そして、その雲が晴れて明るくなると、空は赤くなった。エルフの話にあった赤い空だった。


世界は大きな変換が起こった。始まりは、魔族領から始まった。奇妙な叫び声が聞こえると魔族領からゾンビが現れた。世界にはゾンビが存在するがそれはもの凄く少ない。それは世界の人々が魔獣を倒せば焼き、人が死ねば火葬し、そうすることでゾンビ化を防ぐためだ。


にも関わらず、魔族領から大量のゾンビが現れた。その中には赤井のコピーやマルク・トルネストのコピーもいた。あいつらは死人を辱めるような行為に出た。


最悪の行為に多くの人が怒りを覚える。それにより、多くの人間が立ち上がった。偽物の神と生きとし生ける者との戦争が始まる。



俺らは有角族の要塞にいた。ゾンビたちは何故か、他の国を目指さず全てここ有角族国家を目指す。俺らはその理由がわからず、会議をしていた。

「何故、あいつらはここを狙う」

「わかりません。ですが、かなり助かります」


「リット、ああ、それは確かだ。下手に民のいる街を狙われるよりはマシだな」

「しかし、理由がわからんのは不安を煽る。どうしたらいい?」


「無理にでも発表しますか?」

「うむ。それも手か?」


「ガルド、そう思うか?」

「ああ、それも良かろう。ただ」


「もし違うとわかったら、信頼を失いますね〜」

「コーネリアス、やはりそうか?」


「ええ、国民は大丈夫かと心配しているのです。それが同盟の言っていることが違えば、それは大きな失墜となり、心配は増え、同盟への信頼を失い、パニックが起きるでしょうね〜」

「く、どうしたらいい?」


「まずはわかることから始めましょう。最悪の事態ですが、幸いにして、ゾンビの動きは遅い。こちらに来るのは2週間程あります」

「そうか。そうだな。よし、勇者とダークエルフを調べよう」

「はい」


そして、俺は会議室を出て、カインさんと会う。

「カインさん、カンバルの研究はどうですか?」

「はい。カンバルは獣人族国家にある古代文明の遺跡に執心だったようです。それが何かがわかりませんが、それを調べてみることは重要かもしれません」


「そうですか。あそこはどういった施設だったかわかっているんですよね?」

「ええ、全てを調べ終わっておりませんが、何かの宗教施設のようなものではないかと」

「そうですか?」


「ええ、教会か、礼拝堂言ったところでしょうか?」

「うーん、それを狙う理由がないか?」


「ええっと。ゾンビが狙っているのは、あの遺跡と?」


「そうかなと思いました。先日の魔族・ダークエルフの戦いは化現でしたから、神であるカンバルの化現を狙うのに、王国内の研究所が必要かと思いましたが、そうではないようですからね。あそこじゃなくても化現できたなら、あの辺にある何かを狙っている。それだと、今更カンバルの研究所を狙うよりは他の古代遺跡かなと?」


「そうですか。他の王国の3つ、獣人族国家の1つを探ってみます」

「そうですか。ありがとうございます」


「いいえ、これは我ら戦えぬ者の戦いです。学者には学者の戦い方があります。奴らの狙いを見つけることが学者の戦いです」

「そうですか。学者の皆さんもこの世界のために戦っているんですね」


「ええ、私たちはどうにも世界には疎いです。それでも大事な人がこの世界に多くいます。それを失いたくはありません。ですから、できる事で戦います」


多くの人が生きる事を選びたいと思っている。そしてその思いで戦っている。それは小さい事かもしれない。でも誰もバカにしてはいけない、否定するのも間違いだ。カンバルの思想なんてくだらない。


カンバルはカンバルで苦しんだのかもしれない。でも、それで他人の気持ちや生き方を否定していいはずがない。それを間違っていると思うのはしょうがない。でもそれを否定するのは間違いだ。他人の思いを否定する行為こそが否定されるべきだ。


俺は英雄なんて言われてる。でもカインさんのような人らこそ英雄だ。彼らの思いはすごい。背負えるかはわからない。でも背負いたいと思う。


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