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戦争開始まで③

魔族・ダークエルフ側


「勇者、これが操り人形だ。この前のより良くなっている。ちゃんと扱え」

「ああ、枢機卿様、わかった。へえ。これでうまく欺いてやるよ」

「ふん、勇者らしいところを少しは見せてみろ」


「あ?勇者だろうが?偽物とでも言うのか?あ?」

「その威勢を戦場でちゃんと見せろ」


「ああ、やってやらぁ」

「ふん」


「おい、あれはいけんのか?」

「大丈夫だ。おい魔王」

「大丈夫。問題ない」

あれと呼ばれた魔王ががしっかりと話す。


「そうか、これでこっちの戦力もこれでいけるな」

「当たり前です。カンバル様の復活となります」


「枢機卿様よ。俺は勝ってあいつらを弄べればどうでもいいがな」

「お前の願望はどうでもいい」


そして同時刻、リョウタとトルネストは話し合っていた。

「リョウタ、ナオキは強くなっているか?」

「いや、正直言えば、変わらないです」


「そうか、厳しい戦いになるか」

「ああ、かなり厳しいと思います。。トルネストさん、魔王はどうなんです?」


「ああ、あれは大丈夫だろう」

「天神様の力は?」

「そっちも大丈夫だ」


「そうですか。俺は違う心配もありますけど」

「カンバル様が本当に俺らを助けてくれるか?そうだろう?俺もお前らもカンバル様以外は助けてくれるものなどいない。逃げるか?」


「いや。それはわかってます。俺らが生き残るとすれば、ここ以外にはない。それだけのことをしたので」

「まぁ、リョウタはあいつらを切れば生きていけるがな」

「それはできない。俺の唯一の繋がりだからですから」


「そうか。リョウタに聞きたかったが、なんでそこまであいつらについて行く?お前ならもう一人の召喚者と共に逃げることもできただろう」

「ええ、でもナオキは俺が辛い時に助けてくれた唯一の友なんです。それに家族もいない俺には唯一のつながりです。ですから、あいつを置いてはいけない」


「そうか。何かあったんだな」

「はい」

こうして、魔族・ダークエルフ側も準備は進んで行く。


王国側


俺は隊にルーナと最終調整した魔道具の使用方法を教えていた。

「これでわかったな?大丈夫か?」

「ああ、問題ない」

「そうだな。これで問題ないよ」


「はい、問題ないです。ですが使わないで済むならそれがいいです」

「そうね。ケビンの言う通り、そうならないのが一番ね」


「ああ、ダークエルフはそうしないだろう。あいつらが何かを仕掛けてくるとは思う」

「ええ、あの枢機卿なら」


「ミカの言う通り、あいつはやるだろう。そして、あっちの軍師もそういう絡め手を使えるタイプだ」

「そうだな、前回の戦線を見るにやる可能性は十分にある」


「ああ、リオルの言う通りかもね。隊長らのおかげで対策は十分だけど」

「ああ、ヤイ。一応、危険なところはもう一度洗い出して置いてくれ」


「わかった。あとでケビンと見てくる」

「頼む」



ついで、俺はカリウス義兄上のところへ

「カリウス義兄上」

「ああ、マルク」


「こっちは今、最後の報告を終えたところだぜ」

「大変なお役目、お疲れ様です」


「まあ、慣れたもんだ。そっちは準備はいいのか?」

「だいたい、準備はできました。報告は?」

「ああ、奴らの面々についてだ」


「そうですか。赤井というやつ以外は?」

「リナ・ヤマモト、マイ・イチカワ、リョウタ・サトウ、あと、軍師はやはり人間だ。そして魔王ぐらいだ。魔王は全く情報がない。それと人形と呼ばれるものを使うようだ」


「それぞれ気になりますね。人形とは?」

「全てはわからんが、感情のないダークエルフらしい」


「擬似生命体ですかね?」

「多分な。確証はないが、マルクの報告からそうだろうと思うぜ」


「そうですか、大変そうな相手です」

「ああ、自爆とかされたら嫌だな」

「ええ、ダークエルフが好きそうな手です。クロとか言う元枢機卿は他人の命を何とも思っていないタイプですからね」


「ああ、そうみたいだな。その手のタイプは危険なんだ。面倒な奴だぜ」

「はい。他に3人の勇者は?」


「リナ・ヤマモトは剣士だ。かなりの腕前だ。剣聖と聖国では呼ばれていたようだ。マイ・イチカワは魔法の天才と言われている。全属性の魔法を使えるようだ。マルクほどではないがそこそこ全ての属性を使えると聞いた。

 最後のリョウタ・サトウは全くわからないそうだ。誰も戦っている間は何をしているか知らないと言っていた」

「そうですか。ミカに聞いたのと変わりませんね。強さ?」


「女性2人はかなりやるらしい。対人だと強いと聞いた。リョウタ・サトウは他の者らを助けているらしいが何をしているかがわからないから、いまいちわからないと聞いた」


「そうですか。わかりました。それだけわかれば大丈夫です。リョウタ・ヤマモトを早めにどうにかした方がいいでしょう」

「そうだろうな。それが一番大事だ」


「ありがとうございました」

ミカさんから聞いた通り、リョウタという奴はスキルを隠しているのだろう。大変そうだ。一番、注意しなくちゃ。それに軍師はやはり人間か。自爆に呪いを使うのだけは気をつけないとな。


そして、作戦会議へ出席する。

「という作戦になります。キーは右翼を任せる第00小隊と中央の将軍アルフ殿ですね」

「そうか。コーネリアス、ハンニバルよ。立案、ご苦労」


「はい。あとは、相手次第ですね。エルナンデス卿からの情報で勇者のうち3人はスキルと性格がわかりますが1人がいまいちわかりません。そこはアルフ殿に対応いただくこととなります。アルフ殿、よろしくお願い申し上げます」


「コーネリアス様、お任せください。相手を抑えるだけなら何とかします。スピキアーズ軍と辺境伯軍が協力してくれますし、シグルソン顧問もいます。必ず、敵を倒します」

「ええ。お願いします」

「マルク殿も勇者3人をどうにか頼みます」


「ええ、勇者を倒してきます」

「はい。もう魔族もこっちにくるようなので、最終決戦も近いかと」

「どのくらいでくる可能性が高い?」


「ええ、だいたい2日程度ぐらいかと、魔族領を出たという話ですから」

「そうか。それでは皆、健闘を」

「「「「はっ、勝ちましょう」」」」


そして先戦会議を終わり、俺はルーナに引き留められた。


「マルク、先日はすみませんでした。私も覚悟を決めました。父が来たら私が倒します」


「そうか。でも、そんなに気負ったらダメだよ。戦争だからね。これは最終決戦だし、生存競争だ。必ず、マルク・トルネストさんは出てくる。軍師とはいえ、あの人は魔術師として優秀な人だ。その力を使うなら最後は必ず来る。本物かどうかはわからないけど。

 その時にルーナが対峙したら俺は協力するからルーナが決着をつけるといい。でも、そうじゃないことも戦場だからあり得る。大事なのは心だ。対峙した時に戦う意志があればいい。当たるかもわからないのに私が倒すと気負ってもダメだよ。当たったら倒す覚悟さえあればいい」


「そうですね。ありがとうございます」


「いいよ。よかった。ルーナが、辛いだろうけど、自分を保てて」

「はい。揺れました。私は弱いですね」


「そんなことはないよ。そうじゃないなんてありえない。俺だって家族と対峙する時があったら、きっと、同じだよ。それでもそこから一歩を踏み出したルーナはすごいよ」

「ありがとうございます」

そして、隊に戻り戦いの準備へ。


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