表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
240/263

戦争開始まで①

マルクたちがエルフ領から王都に帰ってきてから3ヶ月後



同盟は多くの物資と魔道具を作り、そして多くの兵糧と武器、兵を集めた。魔族とダークエルフは静かに蠢いていた。俺もこの3ヶ月、魔道具を新たに作り、それを量産していった。


同盟の面々は、王国のレオサード領の要塞と有角族領の要塞に、緩衝地帯であった草原に作った要塞の3つに集合した。俺も今日からレオサード領の要塞にいる。


今回の戦争は俺ら同盟と魔族とダークエルフの戦争となった。有角族が問題になったが有角族は同盟に入った。彼らは月夜神への信仰を既に無くしていた。そのため有角族領の要塞に入っている。


他にも、ドワーフたちが武器を大量に持ってきてくれた。槍、斧、剣、弓など、全ての武器をかなりの数で、作れるだけ全てをこの戦争に持ってきてくれた。


エルフは秘伝の回復薬、各種の毒などに効く万能薬などを、多民族国家の少数種族は罠など大物のカラクリを持ってきてくれた。それぞれの種族がそれぞれも得意なことを生かした準備をしてくれる。


戦争は既に人族とか、レオナルク王国とかそんな小さなことにこだわる場面ではなくなっていた。ただ、それはこの1人の狂人によっておかしくなった歴史を、自分らの手で繋げていくため、自分たちの歴史にするための戦争となった。そこに何族というのは意味はない。


きっとこれが最初からできていたら、こんな事にはならなかったのだろう。そしてこの世界を作った神が願った事はこういう事だったのかもしれない。世界は歪さを元に戻すように1つになっている。


そして多くの冒険者たちもこの戦争に傭兵として参加している。師匠やガッソさん、サンゼルやリッキーたち、シンディーら多くの者がこの世界を守ろうとここに集まってきている。


多くの人らの願いを集めて、この戦争が始まろうとしている。密偵の話では勇者とダークエルフら、魔族らはランブル魔王国に集まっているとの事だ。どうくるか、どれだけの戦力かはわからない。


それでも俺らは戦場はここだろうと思う。


なぜなら、カンバルの研究所の跡地が王国のレオサード領の西にある。また、古代文明の聖地が獣人族国家の王国との国境沿いにある。そしてエルフの言っていた赤い光もここ有角族領で見えたと言っていた。だからここが狙いだ。そう確信した。




同時期の魔族・ダークエルフ側

「魔王様、お久しぶりです」

「あんじsnzokahUeぢxばぞいいdj」


「私の代わりに魔王にしたのに、調子が悪いようだな?」

「それはなんだ?」


「ああ、勇者か。これは魔王の代わりだ。私が魔王をできないから、代わりに置いたのさ」

「てことは、魔王は枢機卿様か?」


「そうであって、そうでない」

「どういうことだ?」

「そのうちわかる」


赤井はクロの性格がイマイチわからない。コロコロと変わるような性格はつかみどころがない。


「そうか、この前のは助けねえのか?」

「はぁ、あんなのは、全て複製品、助ける必要がありますか?」

「そうか」


「何を言っているのだ。勇者、くだらんことを言っている暇があれば、マルク・ドンナルナを倒す力を得ろ」

「わかった」


「いいですね。わかりましたか?」

「ああ」


赤井はクロは多重人格だとと思っている。もう数年の付き合いで赤井も20歳になっている。それでもクロについては初めからよくわからないことが多かった。


「ああ、崇高にして、孤高の我が神よ。あなたの御代となる私はここにおります。私は貴方がお作りした最高傑作にして、唯一の子でございます。その私のクローンなどよりも私自身こそが貴方の寵愛を受けるべきでしょう。あの様な者など、貴方は気にもしない」


クロはダークエルフの祖にして、始まりである。怪物以降最初の擬似生命体であり、最初の人格を得た擬似生命体となる。それが故に人格の調整がうまくいってない部分も多い。そして、ダークエルフはクロの遺伝子を元に作られたクローンであった。


しかし、数代の改良により生殖能力を得たのが、リネアの祖父であったが、その祖父もクロの実験道具となり壊れた。クロは他人の命をなんとも思っていない。いや、自分以外の生命を嫉妬まじりの憎しみすら持っている。



「直樹、クロはどうだ?」

「ああ、よくわかんねえ。何人かと話しているみたいてえだ。それに何をしてんのかもわかんないぜ」


「そうか、しかし、舞と里奈もクロとは関わりたくないみたいだから、ナオキに任せてごめんな」

「良太、いい。そういえばミカにあったぜ」

「ああ、あの子か?」


「ああ、いい女になってたよ。あれはいい」

「お前、舞と里奈が嫉妬して、泣くぞ」


「あ?別にいいんじゃねえ。あいつらが俺を好きなんだ。俺が好きなんじゃねえ。俺がやることに文句つけんな」

「そうか」


「でもいい。ダークエルフもいいが、あいつもいい」

「ああ、そうか」


「ああ、無能は俺のために生きればいいんだ」


良太こと佐藤良太は舞こと市川舞、里奈こと山本里奈を心配した。あの2人が嫉妬したことが伊藤美佳を孤立させる理由になった。赤井直樹がこっちの世界に来て、伊藤美佳を自分の女にしようとした結果、2人が伊藤美佳を無視したのが、伊藤美佳が誰にも助けてもらえなかった原因だった。


同時に直樹の増長が顕著となり、勇者の力が伸び悩んでいる原因であるが、クロらはそれを気にした様子もなく。良太は気になっていた。


しかし、その事を気にしても、いまいち状況が変わらないので、良太はあえて考えないことにしていた。自分が直樹を支えれば大丈夫だと思っている。



そんな中、魔族とダークエルフは世界戦争に向け、準備を整えていた。彼らは先日の有角族領での戦線で失った魔族を補うために、擬似生命体を使って、戦力の補充をしていた。


「クロ、擬似生命体は増えてきたか?」

「お前か。これらを見ろ。カンバル様のお力で増えたぞ。魔族と人族の供物のおかげだ」

「どの程度の強さだ?」


「ふん。くだらん質問だ。カンバル様がお作りになったあの怪物を元に作ったんだ。強いに決まっているだろう。軍師は軍師らしく、これで勝ってこい」

「ああ、わかっている。カンバル様に頂いたこの機会で世界に俺の名を轟かせる」


「マルク・トルネストだったか。そんな名など、どうでもいい。カンバル様が人族や長寿種族共を殺して化現なされることを願っている。彼の方が化現なされる事が最も大事だ。それさえできればそれでいい」

「そうか。わかった。尽力する」


「返事などどうでもいいんです。やってくれるならば。カンバル様を化現させましょう」

そして、マルク・トルネストはクロの元を離れ、戦力の確認に行く。


供物を吸わせた御神体はまだ化現できていないカンバルの力を発揮し始めていた。そしてその力はもう少しでカンバルの化現が終わるところに来ていた。魔族とダークエルフはそれを狙っている。


「ナオキ、マイ、リナ、リョウタ。調子はどうだ?」

「あ?調子なんて関係ねえ。俺は勇者だぞ?」


「そうか。それならそれでいい。強い事が勇者の証明だ。マイやリナはどうだ?」

「ええ、問題ないわ。魔法なら、任せてよ」


「私の剣術は誰も止められないわ」

「まぁ、俺がこいつらを助ける」


「そうか。頼むな。リョウタ」

「ああ」


「おい、リョウタがいなきゃ、俺が弱えみたいじゃねえか?」

「そうは言ってない。ナオキは強いが相手の英雄は強い」


「へ。強くなければ面白くねえ。あいつなら勝てるさ。この前の操り人形で見た強さは大した事ないぜ」

「そうか、それなら倒してくれるな?」

「ああ、任せろ」


トルネストは信じてなかった。どうしたら勝てるかを考えなくてはいけないと思っていると、良太と目が合い、ニコッとされた。トルネストはリョウタに期待したいと思った。


そして、今度は魔王を見に行った。

「sなぶs9dj¥ずあlsjfkwd」

「ダメか。クロが調整できればいいが」


「xbzばいzmjさs、大丈夫よ」

「そうか、ならがいいが」


今回から何話かは色々な視点で描きます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
もし良ければ、勝手になろうランキングにもご協力を小説家になろう 勝手にランキング
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ