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特務 エルフ領での話し合い

翌日


昨日の件で騒ぎがすごい。だから、俺らはすぐに街を出た。


そして北の国境を超え、エルフ領に入った。里の場所はわかるし、ミカさんが道をある程度わかっていた。そのおかげで、すんなりと里にこれた。ただ、街で会ったあの子はエルフ以外は入れないと言って居たから、問題だ。


ここからは俺一人で行く。俺はエルフではないが、エルフの血を引いている。それにエルフのガッソさん夫婦からの手紙もある。


そして俺はエルフの里の付近に入る。早速、襲撃にあった。俺は攻撃は避けるが反撃はしない。相手の攻撃が終わるまで避け続けた。


「何者だ?ここからはエルフの里、入ろうとするなら命をかけて戦う」

「俺はエルフ血を引く者の子だ。俺自身は人族の血が入っているが、母上の手紙を渡しに来た」

「誰の子だ?」


「リネアだ。エネアの子だ」

「!リネアだと、エネアの子だと!?」


「ああ、そのエネアの孫にあたる。長老にお会いしたい」

「ちょっと待て、長老に聞いてくる」

俺は動かずに待ち続けた。


「リネアの子、名前は?」

「マルク・フィン・ドンナルナという」

「わかった。入れ」


そして、俺はエルフに連れられて里に入る。両隣にはエルフの戦士が付いている。


そして長老の邸宅に来た。

「それで、何ようだ。人族よ」


「ああ、これは母上からの手紙だ。そしてこれはガッソさん夫婦からだ」

「リネアに、ガッソか」


「ああ、読んでくれ」

「まあ、読むだけはしよう」


棘のある言い方だ。やっぱり関わる気は無いか。そして長老は文を読んで行く。


「ふむ。読んだが答えはノーだ」

「そうか。魔族に与するか?」


「それはない。中立だ。戦争などに関わらない」

「そうか。それでも魔族は攻めてくるぞ」


「ふん、わかっておる。どうせ、滅びゆく種族だ。別に構わん。人族や魔族と関わるくらいならばな」

「そうか。閉鎖社会を選ぶか。滅びを選ぶのか?」


「ふん、若造にはわからんだろうが、我らはとっくのとうに滅びを選んでおる。とうの昔にエルフは滅びに入ったのだ。レキシナ様を失ったその時にな」

「待て、レキシナだと?」


「レキシナ様を知っているのか?」

「ああ、遺跡でその名を見た」


「そうか。そうだろうな。人族の歴史ではレキシナ様のことなど知る由も無い。遠い昔だ」

「レキシナとは誰だ?」


「ふん、お主には関係ないだろう。エルフの歴史じゃ」

「ああ、そうだ。しかし、それが何か世界の成り立ちに関係している気がする」

「ふん、勘のいいヤツめ」


「やはり、そうか」

「ああ、じゃが、ここから先は話さん」


「ダメか?」

「ああ」


「まあ、いい。中立ならばこちらも問題ない。だがな、一つ忠告する。年寄りが世界を諦めるのは勝手だ。だがな未来ある者を巻き込むな。お前らがどういう未来を選ぶかは自由だが、それを未来ある者に押し付けるな。滅びを選ぶなら、それを選ばぬものには自由を選ばせろ。それが先を生きる者の務めだ」


「ガキが偉そうに。エルフのことなど、何も知らんくせに」

「ああ、知らん。だがな今のエルフは知っている。だから、お前ら老人のくだらん後悔や無念に若い者を無理矢理に付き合わされていることが残念に思う」


「出て行け。この若造が」

「ああ」

出て行こうとしたら


「じいちゃん」

「馬鹿者、客がいるから入ってくるな」

「あ」


「あ、この前はどうも」

「なんじゃ」


「ああ、先日、多民族国家の街で捕まっているところを助けましてね」

「な、そうなのか?」


「うん。そうだよ。危ないところを助けてもらったんだ。里に来たんだね。よく入れたね」

「ああ、俺だけはエルフの血が入っててな」


「そうか、だから、なんか懐かしい感じがしたんだ」

「そうかもな」


「ふん、孫が世話になったな。だがこれはこれだ。お前らには与しない。まあ、中立だけは守ってやろう。まぁ、魔族やダークエルフと仲良くすることは何があってもありえんがな」

「そうか。レキシナが関わっているんだな?」


「そうだ。それと孫を助けてもらった礼だ。カンバルと言う者を調べろ。それだけだ」

「カンバルはエルフか?」


「違う。古代文明の人族だ」

「そうか。わかった。邪魔した」


俺は里を出て行く。最初に話しかけてきた者に声をかけられた。


「おい、リネアという者に、これを渡せ。エネアの遺品だ。ダークエルフからこれを返させたんだ。もうエネアの関係者は長老である叔父と俺の家族とリネアだけだ。俺はリネアという者の従兄弟にあたる。だからこれを持っていたが、リネアが持つべきだ」

「そうか。わかった」


「すまぬな。さっきの長老への言葉を聞いた。エルフの中にもお前と同じ意見はある。だがな」

「ああ、いい。お前たちにはお前たちの考えや状況があるのだろう。それを無視した俺が悪い。だが、俺が言われて来た常識のようでな、言わずにいられなかった」

「そうか」


俺はエルフの里を出て行く。隊の皆に合流して、先程の事を伝えた。

「そうか、それはしょうがないな。でも可能性はゼロじゃないかもな」

「ああ、そう思う」


「そうですね。可能性はあると思います」

「そうだと信じたいです」


「まあ、戻ろうよ。ここにいても意味がないよ」

こうして、俺らはエルフの里を出て行く。


俺ら派今度はダークエルフを探るため、ダークエルフ領近くの街に行く。エルフ領の近くの街とは別の街だ。


それから、数日間ダークエルフ領を探ったが、全然分からなかった。どうやら完全だんまりで、多民族国家にも全く来ないらしい。それらしい者も見ないと噂が立ったという事だった。


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