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特務 エルフ領への旅 多民族国家

翌日


俺らは要塞を出て、レオミラン王国を通り、多民族国家に入る。


「ここからは多民族国家に入る。みんな準備はいいか」

「「「「はっ」」」」


「みんな、ここからは冒険者パーティーを装う。その話し方はダメだ」

「そうだね。マルク」

「わかった」

「「わかりました」」


「ケビンとミカはもう少し砕けた話し方を、リオルは固い話し方をしないようにな。できないなら話をしないキャラを作ればいい」

「「「わかった」」」


「まあ、砕ければ楽だよ。俺の普段くらいで十分に冒険者としていける」

「ああ、ヤイの言う通りだ。まぁ、普段のヤイはリットさんに怒られているけどな」


「マルク、それは今言わなくてもいいでしょう」

「「「「ぷっ、はははは」」」」


皆の笑いが収まったところで出発する。

「じゃあ、行くぞ」

「ああ」


そして多民族国家の国境に来た、入国審査に並ぶ。今は戦争中で北に行きたがる連中は少ない。


「次の者」

「ああ、頼む」

「ああ、冒険者か?

「ああ、王国の風というパーティだ。王国貴族の依頼でな、エルフ領の貴重な薬草を取りに行く」

「そうか、今は戦争中だ。あまり入り込むと苦労するぞ」


「ああ、わかっている。少し取る程度だ。長居はしない」

「大変だな」


「ああ、貴族って言うのはいつでも我儘だ」

「そうだな。入っていい」

「ああ、ありがとうな」


こうして、入国を許されて入る。本当は書面を見せればいいが、エルフたちもこの国に幾分かいる。街に出たいエルフもいるんだ。そいつらから何か噂をされたら面倒だから冒険者のふりをしている。特にダークエルフには気をつけてないと。



それから俺らは多民族国家に入り、案内人と合流して、彼の案内で、北に進み、エルフ領との国境近くにある街に着いた。


ここで案内人と別れ、2日ほど休みを取り、情報収集と必要な物を買いためておく。特にエルフ領の物を買う。これを身につけておくことで、エルフに対して好意的であるという印になるようだ。


特にミカさんは既に顔を隠れるようにしているが、それをエルフ領の物に変える。ミカさんはこの世界の顔ではないため目立つ。少しでもダークエルフやエルフを刺激しないようにしておく。


そして宿を取り、俺らは買い物をして行く。

「これがエルフ領の物だ。こっちはこの辺の物だろう」

「ああ、こっちは辺境伯領で見たな」


「そうだな。多民族国家の物は大体はあそこにはある」

「そうだな」


と、ここで商店露店商の男が話しかけてきた。

「お兄さんたち、王国のもんなん?」


多民族国家は言語が入り混じるので、独特のイントネーションと言葉尻になる。まぁ、言葉は帝国語と王国語と同じ文化圏になる。というか世界全体が旧大帝国時代の言葉が国により少し違う程度だ。


「ああ、そうだ」

「そうなんやな。どう?これなんか、エルフ領の物だぜ。いいんじゃないか?」


「そうか。エルフ領に行くから丁度いい。もらおう」

「そうだろうな。ここに来る人なんて、ほとんどがエルフ領からの流入かこっちから行く人や」


「そうか。結構多いのか?」

「最近は、入ってくるのも、出て行くのも少ないなあ。戦争がな、早う辞めてくれへんかな」


「そうか、これも貰うよ」

「おお、気前がいいねえ。嬉しいわ」

と買い物をして情報収集して行く。



次は冒険者協会に入る。依頼なんかを見ながら、ここらで話されていることを聞いて行く。

「なぁ、エルフたちが減ったよなぁ」


「ああ、なんか帰ったらしいぞ。里から帰れって伝言が来たって、あいつが言ってたよ」

「そうか。戦争のせいだろうが、こっちもやりづれえなぁ」

「ああ」


と話が聞こえて来た。そうか、エルフたちが里に戻れと言われるのか。きな臭いなと思いながら色々と話を聞いて、ある程度情報を得たところで協会を出た。


依頼は特にいいものはなく、あれば訓練がてら、冒険者を装うのにもいいので受けようと思ったが、ダメだった。



調査の最後に食事をしに食堂に行く。買い物途中で美味しい店を聞いておいた。

「なぁ、なんだかエルフ領は危険そうだな」

「ああ、薬草を早くとって、帰ろう」


「ああ、あんまり居たら何かに巻き込まれそうだ」

「そうだな」


と、冒険者を装う会話をしながら、早めにエルフ領に向かうことを話した。



そんな風に話していると、声が聞こえた。

「おい、エルフ領のガキを売るのか?」

「てめえ、声がでけえ。誰かに聞こえたらどうする?」

「ああ、すまん。でも聞いてねえだろう」


「まぁ、そうだろうな。そうだ。聖国の新たな枢機卿がよう、何でもエルフを前枢機卿たちの見せしめに殺すんだと、そうすることで国の引き締めだってよ。ろくなもんじゃねえよ。枢機卿たちはダークエルフでエルフは関係ねえだろうにな」

「おめえも一枚噛んでるんだろう?」


「ああ、俺はただエルフを呼ぶだけだ。あとはガックがやるってよ」

「いくらもらえるんだ?」

「ああ、金貨10枚だ。呼ぶだけだぜ」


「おい、俺も混ぜろよ」

「ガックに言え」


「よし、ガックのところに行くか」

(おい、ヤイ、頼む)(ああ)

と、バカの話を聞いた俺らはガックとか言う者のところに行く奴をヤイにつけさせた。


そして、俺らはここを出て、宿に戻った。その後、1時間ほどして、ヤイが戻って来た。犯行は明日の夕方に行うらしい。ガックのアジトもわかった。エルフの人は場所がわかんないらしい。


俺らは明日に予定を変更して、ガックたちのアジトにエルフが連れてこられたら、急襲して、エルフを救うことにした。


事前に襲えばいいが、それだと問題になる可能性が高い。だから犯罪を起こさせてからじゃないとできないのがもどかしいところだ。レオナルク王国内なら事前に捜査権で潰すんだが。



翌日以降

俺らは二手に分かれ、行動する。買い物をするもの、昨日の連中を追うもの。俺とミカさん、リオルは買い物で、ヤイとケビンが捜査班だ。俺らはそれぞれ動き、話を集めて行く。少しだけ冒険者協会で常時依頼を受けたりもした。


その後、夕方前になり、ケビンらに合流した。俺らはそれぞれ、アジトの裏側は俺とミカさん、表側はリオル、周りはヤイとケビンが様子を伺うために分かれる。



小悪党供を一網打尽にする計画だ。目立たぬように静かにだ。ちょうどいいのは奴らのアジトは人目につかないところにある。もちろん俺らも隠れにくいが訓練で俺が鬼の隠れんぼを入れているため、皆、かなり隠れるのはうまい。


そうこうしているとエルフが連れられて来た。まだ子供のようだ。エルフは長寿だからわからないが、世間を知らないのだろう。あんな連中に眠らされている。


「なあ、どうせ殺すんだろう。エルフをなあ」

「あ、まぁ、いいんじゃねえ」


「そうか。俺からな」

「おい、俺からだろう」

クズい会話をしている。女の子だったか。最悪だな。アジトに入ったらGoだ。



そして、アジトに入ったのを確認して、入って行く。俺とリオル先輩が中に入り、裏手の出口はミカさんが、そして表はヤイが、スピードのあるケビンが逃げるアホを捕まえる。


俺が裏手から入り、リオル先輩が前からだ。そして中に入ると、エルフ以外の少数種族もいる。クソ野郎が。俺はそこに居た警備の連中を捕まえて、少数種族の人らを解放して行く。


その際に

「俺らは義勇で動く冒険者です。警備隊のところに逃げてください。その際、俺らのことは内密に」

と伝えておく。皆は頷きそして頭を下げた。



俺はさらに進む。エルフはどこだ?すると、ドンと音がする。リオル先輩がやったな。静かにと言ったのに。リオル先輩は女性を苦しめる奴が嫌いなんだよな。


「リオル、そのくらいにしろ」

「はっ、すまん」


「いい。まあ、このくらいなら目立たないだろう。エルフの子は?」

「ああ、大丈夫だ。ほら」


「ああ、よかった。大丈夫か?」

「はい」


「騙されたんだだろう?」

「はい。でも?」


「俺らがなぜ助けたか?たまたま昨日、こいつらが君を誘拐して聖国に売る約束の話をしていたのを聞いたからだ。これからエルフ領に行くが、それなのにエルフの人が誘拐されるのをみすみす見逃すのはな。気が引けてな」

「そうですか。ありがとうございます」


「ああ、こいつらはとりあえず捕まえて警備隊に出す。君はどうする?」

「ええと、関わりたくないし、里に帰れと言われているので」

「そうか。送って行こうか?」


「いいえ、里にはエルフ以外は入れてはいけないので」

「そうか」

俺らは捕まえてたアホを警備隊のところへ置いていった。その際に警備隊には会わず、紙をアホに貼り付けて帰った。町は騒然となったようだ。警備隊が張り紙を見て、奴らのアジトに行くと複数の少数種族の者が捕まって居たから、しかも聖国の連中が絡んで居たため、大騒ぎになった。


第222を変更しました。元々入れるはずの話を入れ忘れていたので挿し込み投稿です。そちらもご確認ください。

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