特務 エルフ領への旅 辺境伯領
翌日
俺ら第00小隊は要塞を出て、東に行く。3日かけてセレステまで行く。その際に町には行かずに、野営しながら行く。街に行くと俺のせいで歓待を受け、時間がかかる。故にセレステまではどんどんと進む。
道中は何も問題なく、3日後にセレステに辿り着いた。セレステの街も半年ぶりぐらいだ。師匠らは元気だろうか?
俺らはセレステで宿を取り、買い物をしておく。ここから要塞を通った後は多民族国家の街までは野営になる。なので、ここで必要な物を買い揃えておく。俺は特には必要ない。冒険者時代の服や防具をつければ旅人になれる。
俺らは買い物を済ませて、セレステの冒険者協会に入る。ミカさんの冒険者登録をしておく。エルフ領では冒険者として入るので、多民族国家から冒険者のふりをするためである。
ミカさんの冒険者登録で受付に近づくと
「よお、マルク達じゃねえか?どうした?また鍛えてほしいのか?」
「いえ、今回は任務でこっちに来てます」
「そうか。どのくらいいるんだ?」
「明日には出て行くことになります」
「なんでぇ。つまんねえな」
「まぁ、師匠、この後、飲みますか?」
「おお、いいねえ。マルク、わかるようになってきたじゃねえか。それだよ」
「はぁ、わかりたくないですがね」
「わかる必要はない。ドワーフはバカばかりだからな」
「あ?」
「ガッソさん、お久しぶりです。サンゼルも」
「ああ」
「てめえ、無視してんな。ガッソ」
「あ?」
いつもの喧嘩が始まった。俺とサンゼルは無視して
「マルク、久しぶりぶりだ。ヤイは?」
「あっちでミカさんの冒険者登録をね」
「そうか、ミカも冒険者として経験を積ませるのか?」
「いや、任務で多民族国家に行くから、冒険者として動くふりをした方が何かと動きやすいんだ」
「そうか。そろそろ、戦争が動きそうか?」
「うーん、魔族の動きが静かだからね。ただ、御神体をね」
「ああ、噂は聞いた。それでこっちも防衛を固める動きがある。まぁ、ドラゴンはもうどうにもできないだろうがな」
「だと思うよ」
そのあと、師匠とサンゼルとガッソさんと俺らで仲良く飲み会をした。その時にガッソさんにエルフ領のことを聞き、俺らの話を聞いてもらえるように里への言付けの手紙を書いてもらえるように頼んだ。奥様が書いてくれるということで明日もらうことになった。
翌日
俺らはガッソさんの奥様に言付けの手紙をもらい、セレステを出た。そして1日かけて要塞に辿り着いた。要塞に来た時には夕方で門の中には入るのがギリギリになった。
要塞に入ると
「よお、マルク」
「ルドルフ、久しぶりだな。元気か?」
「ああ、ガイスさんとアカードの扱きになんとか耐えている」
「そうか。辺境伯領もまだどうなるかわかんないからな。気をつけろ」
「ああ、これでもアカードの跡を引き継ぐことになるからな。領の民を守ることは一番気を使っているさ」
「そうか。すっかり成長したな。ルイン様も安心だろう」
「ああ、心配をかけたからな。俺はもっと頑張らないとな」
「まぁ、肩肘をはりすぎるな。ピンと張ると切れるぞ」
「そうか。ありがとう」
「ああ」
そしてさらに
「やあ、マルク」
「アレス!こっちにいたのか?」
「ああ、スピキアーズ家は辺境伯家の外縁だからね。去年の氾濫には間に合わなかったけど、今回の戦争ではこっちの守衛を担当しているよ。うちもなんとか陸戦をできる兵を育てられた」
「そうか。水軍が主体だったしな」
「ああ、もう一人、紹介したいんだけど」
「え?ああ、いいよ」
すると見知った女性が入ってきた。
「久しぶりね。マルク」
「ああ、レオナ!こっちにいたんだ。ハンニバル様には世話になっているよ」
「そう。お父様も頑張っているのね」
「ああ、王国の1、2を争う軍師だからね」
「そうね。マルクに報告したいことがあるの」
「何?」
「私とアレスは結婚するわ」
「え?」
「やっぱり驚いたよ。ぷっ」
「もう、アレス、笑っちゃダメ、プッ」
「二人とも笑っているけど」
「ごめんなさい、マルク。他のみんなは知っていたけどね。マルクは気づいていないと思ったのよ。そしたら、その通りだったから」
「そうなんだよ。ごめんよ」
「まぁ、いいけど。マークも結婚するって聞いたよ」
「そうね。聞いたわ。リーナね」
「ああ、そうだよ」
「みんな、そんな歳なんだよ。マルクはないの?」
「うーん、考えることはあるけどね。想像できないかな」
「はぁ、周りは大変そうね」
「ああ、マルクは変わんないな」
「それはみんなに言われるよ」
「結婚式は戦争後に行うから来てね」
「ああ、マークとリーナに、アレスとレオナか戦争が終わっても忙しそうだ」
「はは。そうね」
その後はアカードさんに挨拶して、今日は要塞に泊まった。




