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家族のひととき

メル、エルカの久々の登場

ルイン叔父上(俺の従兄弟)は帰っていった。

「ルイン叔父上は変わりませんね。なんというか、親しみがあります」

「ああ。それがルインの良いところだ。だが、ルインも貴族として、当主として立派になった。あの公爵らを相手に上手くやっておる」


「ふふ。ラルクは兄としてずっと心配していたものね」

「ええ。ラルク様はドンナルナ家で唯一、ルイン様のみを可愛がっておられましたからね」

「ゼルよ。お前もそう変わらんだろう」


「そうなんですね。他のドンナルナ家とはどうなんですか?」

「ドンナルナ家はダメダメだ。兄上がしっかりしてればよかったが、あの兄ではな。阿保どもが家臣団の中でのさばってな。まぁルインも大変だったろうが、大分、懲らしめたらしいからな。そうでなければドンナルナ家とは縁を切るところだったぞ」


「そうなのですね。だから父上はご実家を出られたのですね?」

「まぁ俺の場合は、もともと四男というのも大きいがな」

「ええ。四男で、期待もされず、家臣からバカにされていたラルク様はドンナルナ家を出られました」

「へえ。父上も大変だったのですね」

「ゼルよ。子の前で恥ずかしい話をするな。お前もそう変わらんだろう」


「うん?ゼルはどうして父上に付いて来たのですか?」

「うむ。ゼルは俺の祖父の庶子でな、俺の叔父にあたる。だが、庶子という事で、俺の父以外の者には軽んじられてきたのだ。それでも槍の名手だったゼルは俺の槍の師匠になってくれてな。父が隠居して兄が当主になり、さらに待遇は悪くなったところで、俺が大戦に一兵卒として参加する際に唯一の家臣として参加してくれたのだ」

「ラルク様、お恥ずかしい話はおやめください」

「お前が先にしたのだろう」


「まぁまぁ、ラルクもゼルも仲がいいんだから」

「ゼルは大叔父にあたるのですね。ゼル大叔父上と呼んだ方が良いでしょうか?」

「ははは。それはいい。マルクよ、そう呼んでやれ」


「マルク様、私はドンナルナ家の庶子ですし、親戚筋の家臣でございます。ゼルとお呼びください」

「ははは、祖父でも良いな」

「ラルク様、訓練が足りないかと思います。この後、しごいてあげましょう」

「まぁまぁ、ゼル。マルクも、ラルクもそのくらいにしなさい」

こうして、ルイン叔父上の訪問は終わった。俺はその後に部屋に戻り、のんびりしていた。


そして、夜になると、姉上が帰ってきた。

「お父様、ただいま」

「ただいま」

「ああ、メル、エルカ、お帰り」


「メル、エルカ、お帰りなさい。どうお仕事は?」

「ええ、大変ですね。慣れてきたら大丈夫です」

「ん、騎士がすぐ訓練で怪我する。バカ」


「そうか。メル、早く仕事になれるといいな。エルカ、騎士も頑張っているんだ。大目に見てやれ」

「ん。わかってる」

「メル姉、エルカ姉様、お帰りなさい。お仕事、大変でしょう?でも頑張っていらっしゃるようで、今日ルイン叔父上がいらっしゃった時に褒めておられましたよ」


「そう、ルイン叔父様が」

「ん。当たり前。ルイン叔父様はよく見てる」

「ええ、そうね。ルインはお転婆だと言ったら頷いてたわ。何かやったんじゃない?」

「お母様、そんな事ないです。ないです」

「ん。ないない」

「怪しいわね」

「「大丈夫」」


「まぁいいわ。メル、アルフに伝言頼めるかしら?」

「はい」

「たまには家に帰ってくるように伝えて」

「はい。お母様」

「お願いね」

「ふむ。まぁ。食事にするか?」


こうして、その後は姉上らと食事を楽しんだ。まだ姉上らが家を出て1ヶ月程度が経つぐらいだが、懐かしい感じて楽しかった。やっぱり家族は一緒にいる方が楽しい。

そして食事が終わると、姉上らは明日も仕事という事で、宿舎に帰っていった。


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