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騎士の仕事

翌日


今日は朝から訓練をする。ミカさんも午後から学院があるが、午前は暇なので、俺らの訓練 に参加する。俺とヤイ、そしてミカさんの3名で行う。騎士団の訓練場は広いので、かなりの訓練をできる。


まずは基礎訓練として走る。訓練場をとにかく走る。シグルソン教官の授業を思い出す。


「ヤイ、遅れてるぞ。もう少しだ頑張れ」

「わかりました。隊長」


「ほら、ミカさん、もう少し。これくらい走れないと何かあった時に死ぬぞ」

他にも訓練している隊があるが、少し引いている。まぁ、走っている量が他の隊の倍以上だからね。


「はい、終了。2人ともよく走りきった」

「はぁ、はぁ、鬼だ」

「はぁ・・・・ほんと」

これくらいで根を上げてもな。まだまだだな。


「そうかなぁ、これくらいは普通だよ。大したことない」

「はぁ、はぁ、そう思う。はぁ、マルクが、はぁ、はぁ、変だよ」

「冒険者も動くのが基本なのにヤイはダメだな」

「マルクが、・・おかしい」

「ええ、マルク様はおかしいですね」


「2人とも息が戻ってきたね。じゃあ、素振りに入ろう」

「「ええ〜休ませて」」

「はい、いくよ」

「鬼隊長」

「鬼教官」

そして、俺らは素振りをしていく。どうやら周りの騎士らはドン引きだ。そんなに鬼か?俺からしたら、訓練内容はかなり楽なメニューにしてある。


「はい、素振り終わり。お疲れ。少し休憩を入れるよ。休憩後は模擬戦だね。俺と2人で戦うよ」

「はあ、休憩だ」

「はぁ、はあ、はぁ、休憩が嬉しい」

2人とも結構強いけど、基礎が不足している。ここを鍛える。俺ももう一度基礎をしっかりとしたいので、ちょうどいい。


「しかし、いつも息一つ切らさずに飄々とされていますね?」

「そうだね。これくらいは普通だよ」

「本当は走ってないに一票」


「いや、走っているよ」

「う、魔法とかじゃないの?スキルとか使ってない?」

「ヤイ。これくらいでスキルに頼ったらダメだよ」


「う、これくらいって!これだから訓練バカは」

「ええ、今のは引きました」

2人の顔が引き攣る。


「なんでかな?動けるって幸せだよ」

「ここまでとは」

「ああ、ここまでおかしいとは思わなかった」

そうこうしていると他の騎士らも訓練に来た。


「訓練中ですか?第00小隊隊長、 マルク殿」

「お久しぶりです。第5小隊隊長、リット・メンリル殿、今は休憩中です」

リット殿は小隊長として先輩でリック先輩のお父上だ。


「そうですか、かなり厳しい訓練をしてらっしゃると噂をお聞きしております」

「私は普通だと思いますが、まぁ、うちの隊は暇なので、有事の際に動けるようにある程度は訓練しています」


「そうですか。うちの隊も負けておられませんな」

「ふふ。第5小隊も訓練は厳しいと聞いております。ねぇ、リック先輩」

「な、そこでふるな」


「おい、リック。お前は隊員、マルク殿は隊長だ。お前は口の聞き方も知らんのか。今日は厳しくする」

「な」


「リック先輩、すみません」

「おい、リック、来い」

「あああ」

ああ、可愛そうに。


「ああ、マルクの被害者が増えた」

「ヤイ、何が?」

「いや、あれだ。マルクのおかげで強くなれるものが増えたなと」

「そう。そういう風に聞こえなかったけど」

「ちょっと」


「ミカさん、先に徹底的にヤイとやるから待っててね」

「な、許してください。隊長」

ヤイの声が、こだました。それからヤイを何度も倒しては立ち上がらせて、模擬戦をした。最近、ヤイはかなりのペースで成長している。何より斥候としてかなり優秀で、他の部隊が欲しいとも言われている。


そして次はミカさん

「えい」

俺はミカさんの突きを避ける。えいって言うのはどうなんだろう。まあ、タイミングを掴んだいい突きをできているし、かなりやる。シグルソン教官の扱きがしっかりと基礎を作っている。ただし走るといった武術の基本はシグルソン教官は短い時間では教えられないと俺に託した。


「えい」

またいい突きだが、俺はミカさんの突きを避けて、踏み込んだ足を払う。するとミカさんはコケる。ずってんと本気でコケる。そして俺は槍を顔の前に。


「はい。ここまで」

「ありがとうございます」


「ああ、突きはいいよ。いい突きだね。シグルソン教官の扱きが身になって来たと思う。ただ、『えい』って言うのはシグルソン教官の教え?」

「いえ」


「やめろって言われない?」

「はい。ですが、なかなか」


「そうか。素振りからやらないようにしないとね。それでタイミングが読めるよ」

「はい」

そして今度はヤイとミカさんが2人で俺に攻撃する。ヤイはチームの方が強い。それを自分でも知っているので、いい攻撃やいやらしい攻撃をしてくる。


いかんせん、ミカさんが正道の攻撃だけにいいバランスだ。それでも、避けながら、さばきながら、俺はヤイを攻撃して、2人を分断してミカさんを仕留め、そしてヤイに一撃を入れる。



「ああ、勝てない。隊長に勝つ手段が見つからない。万能すぎる」

「はい。マルク様はどんな攻撃にも耐えたり、避けたり、ズラされたりで、結局対応されます。どうしたらいいのでしょう」

「まあ、経験だよ。多くの経験をして、自分の強みを伸ばすと俺みたいなタイプは対応できない。だから、頑張ってね」

「はい」

こうして、午前の訓練は終わった。そして昼食後にミカさんの午後の授業を見守り、今日は終わった。


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