表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
200/263

未開領域の戦い

1週間後


俺は昨日まで、未開領域周辺や少し中に入ったところで魔獣を倒していた。トカゲやワームと言うでかいミミズなど。如何にも砂漠らしい魔獣が出てきた。


そして、今日、未開領域に1週間入る予定だ。必要な物のうち、食料はマジックバックの小さい方にそれ以外は大きい方に入れた。


会館で手続きの最後をして行く。皆が本当に行くのかという顔で見てくる。まあ、今回はそれなりに行く程度、ちょっと強い魔獣と戦えたらというくらいだけどね。


街から道なき道を進み、未開領域の手前まできた。これから未開領域に入る。ああ、マナは少し乱れてる。未開領域はどこも同じだな。ここから、さらに奥に行く。そう思った瞬間にワームだ。穴から出てきた。


いきなりだから驚くということはない。普通の冒険者はこの乱れたマナで魔獣の探索が難しいらしいが、そんなの散々と師匠に叩き込まれた。サンゼルと一緒の魔獣の森に入れられての最終試験は5日だが、最初の二ヶ月くらいは何度もこういう展開だった。死にそうになったよ。


出てきたワームを槍で突き、切り裂いた。こいつは急に出てくるのと、攻撃力が高いのとで面倒と言われるが出てくる場所とタイミングさえわかれば、硬い生物ではないから簡単に倒せる。かなり柔らかい。それに血が青く、多く出るし、ネバネバする。それが気持ち悪いんで、嫌われ物だ。


俺はさらに進む。この辺ではトカゲが多い。面倒だな。でもこいつらを全て倒すと冒険者が食い損ねるから、一気に魔法でとはできない。俺はできる限り関わらないように進む。何匹かは倒しながら、進んだ。


すると、砂嵐だ。ああ、進む方向がわからなくするのかな?なんだか手の込んだ仕掛けみたいだ。


俺は構わず進むことにする。マナ嵐とかなら面倒だが、別に視覚に頼って進んでいないし、視覚で魔獣を探していない。砂嵐は別になんともない。まあ、ただ入る前に、ここらで一日休憩しよう。そして翌日、砂嵐の中を進む。


すると、またワームだ。面倒だから火魔法で焼いた。こいつらは柔らかいだけでなく、火にも弱い。だから普段は土の中にいる。そこから、さらに進むと、ああ、地竜が結構いる。これは地竜の巣かな。これはいい。ここは訓練になる。地竜は強くないけど、土の中から隠密を使っていやらしい戦いをする。それが群れなら面白そうだ。


そして俺は、地竜の巣に向かう。すると気づいたのか地竜たちが動き出した。隠密するもの、いきなり出てくるもの、突進してくるもの、総勢15匹か。ちょうどいい。火竜と違って、単体での強さはない。


突進を避け、地中から穴に引きずり込もうとする攻撃を避け、1匹ずつ攻撃して倒して行く。こいつら、連携がうまいなぁ。地竜は集団でこそ強い生き物か。


だいたい半分にきた。隠密している奴が来ないな。1匹だけ位置を把握できていない。まあ、隠密はこちらを攻撃しようとする瞬間にわかる。地竜程度のスピードなら十分避けられる。にしても、隠密で隠れている地竜がいないな。気配を探るが気でも、マナでもわからない。どこ行った?


そして、数匹を倒す。後は2匹だ。1匹は隠密している奴だ。もう1匹は目の前にいる。また地中に入ろうとするがそれは許さない。もうそれはお腹いっぱいだ。十分見たから倒すよと、突きで首を落した。


他のはいないのに出てこないと言う事は、隠密の奴は逃げたようだ。なんだかな。まあいい。片付けだ。1匹だけを持ち帰り、後は焼いて土に埋めればいいだろう。俺は後片付けをして行く。そして終わったと思った時に地響きがし、気配を感じた。これは強敵だ。俺は気とマナを抑えてあるので、一度隠れる。相手が分からず、このレベルはまあまあやばい。


そして、来たのはデカイ地竜だ。地竜にもキングクラスがいるのか?聞いたことがない。そもそも、人族や獣人族では地竜は最強クラスに分類しているため、そんなの聞いたことがない。


「がおおおおおおおおお」

鳴いた。そしてこっちを見た。やばい。鳴いたのは超音波のようなものを出してこっちの位置を調べるためか?いわゆるエコーっていう奴で場所がバレた。そして、地竜はこっちにくる。俺はとりあえず、スピードを上げて一定の距離を取る。


奴は地中に潜った。それをその大きさでしたら地面が沈むだろと心の中でツッコミを入れつつ、俺は動く。止まれば地中に引き込まれる。場所が悪い。すでにさっきいた地竜が散々に穴を掘っているところにあんなでかいのが掘ったら、ドボーンと砂の中に引き摺り込まれる。一旦、ここから離れよう。そして奴をここから離さないとどうにもできない。俺は猛スピードで地面を蹴りながら、進んで行く。まるで忍者になったみたいだ。見たことないけど。


それにしても、超音波エコーか。地竜はそれで地中からこっちの場所を理解してたのか。このデカイのもそうだろう。なんとか、巣を出た。ここならいけるだろう。奴の場所は?


あ、やばい、油断した。地面が落ちていく。それに足を取られた。


体が地中に入って行く。砂が口の中に入ってくる。呼吸ができない。くそ、しかも地竜が土の中で突進して来た。空いたところにまた砂が入ってくる。う、またか。


身動きが取れない。このままでは死ぬ。どうする?何もしないと死ぬ。まずは硬化だ。まずは突進を耐える。奴はすごいスピードで突進してくる。また地中深くに入って行く。奴の突進で空いた空間はどんどんと砂で埋まって行く。そして俺はさらに地中深くに引き摺り込まれる。これはやばい。くそ、舐めすぎた。驕っていたか。これはまずい。


また、突っ込んでくる。奴の突進が体にダメージを与える。痛い。硬化を突き破ってダメージを与えてくる。俺はアクセラレーションで思考加速をする。考えろ。ここを抜ける方法を。このままでは死ぬだけだ。こんなところでは死ねない。帰って家族に会いたい。みんなと笑い合いたい。師匠と訓練したい。夢はまだ叶ってなんかない。俺の集中力が高まる。


待て、この砂を退かせば。よし思いつきだがやってみるか?しょうがない。これしか思いつかない。よし、硬化と黄金闘気を50%まで上げて、武闘オーラで体を守り、その上から黄金闘気で体を覆う。それまで耐える。




よし準備はいい。黄金闘気も溜まった。


行くぞ。


『トルネード』


俺を中心に竜巻ができる。俺も巻き込みながらトルネードが地中を削り、砂を退けて行く。俺は自分のトルネードで体を傷つけていく。痛い。この魔法はやっぱり禁術だよ。なんて威力だ。自分で食らって、死にそうだ。くそ。咄嗟だから威力を制御できなかった。この状況だからしょうがないが、自分で自分の命を奪いそうだ。


だが、トルネードで、だいたいの砂を退かし、俺の体が外に出たところで、魔法を止めた。よし、生き残った。


地竜は・・・地上にいた。地竜キングはボロボロだ。トルネードに巻き込まれたんだろう。


ここで回復されたら、俺が死ぬ。ここで仕留める。一気に黄金闘気を保ったまま首を突く。突きで首を刈った。そして体に回復魔法をかけ、一息つく。


はぁ、辛かった。一番は自分のトルネードだけど。この魔法が、俺の攻撃の中で威力が一番だと思う。実際に師匠にも最も脅威なのはトルネードだと言われている。この技をどうにか槍に付与した状態で攻撃して、敵の体の中にトルネードを発生させられないかと考えている。ただ、火槍が保つかわからないので実験していない。


体はボロボロだ。今回はさすがに死ぬかと思った。地竜キング、ありがとう。命のやり取りは俺の力にする。お前の命は俺の力にする。だから静かに眠れ。


俺は地竜キングの死骸を解体して、持ち帰る。今回はここまでにしよう。ここで一泊して、ゆっくりと戻る。結界を貼り、ゆっくり休む。



そして翌日、地竜の巣を出て、ゆっくり戻る。予定は5日だが、今回は3日で帰って来た。


会館では俺のボロボロの姿を見て、ほらという感じだ。俺は受付で帰って来たことを告げ、受付をする。そして解体所で買取を願いたい魔獣を書き、解体所に行くと、驚きの声が出た。それを聞いて、冒険者たちと支部長や職員が来た。


支部長たちが顔を青ざめる。そして、いくらにしたらいいかを話し合っている。俺は決まったら教えてくれと伝え、宿に行き、休む。もうダメだ。疲れた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
もし良ければ、勝手になろうランキングにもご協力を小説家になろう 勝手にランキング
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ