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トラブル

1ヶ月後


俺とガイアスはずっと訓練してきた。ガイアスは強くなった。俺もかなりの魔獣を倒して来た。強い魔獣を何度も倒した。しかも王国では倒せない魔獣ばかり。いい経験をした。


俺とガイアスは今日も訓練する。

「ガイアス、だいぶ型ができたと思う。もともと大まかに型はできていた。だが型の大事な地を踏む事をできていなかった。今は大丈夫。もう王都に戻って誰か拳闘の人に教えを請うといいよ」


「ありがとうございました。ですが、もう少しここにいます。会館で教えてくれる方を見つけました。それにマルク師匠に魔闘を教えてもらいたいです」

「そうか。わかった」

そして、俺は会館に行く。俺はそのまま依頼書を見て、強い魔獣の依頼がある。


地竜が出たようだ。地竜はモグラのような竜で、南の未開領域の砂漠からたまに来る魔獣だが、かなり強いので、出るとAランクが集められるらしい。


「皆さん、今回も地竜が出ました。未開領域の境目に出ました。こちらに来る可能性があります。倒していただきたいのですがどうでしょう?」


Aランクは今こちらに俺以外で3人いるようだ。俺以外は皆、獣人族だ。


「いいぜ。ただ、そこにいるのは英雄マルク様だろ。人族の英雄様の実力を見たいよなぁ」

「ああ、見たいなあ」


「マルク様ですか。私は一緒に討伐したいです」

女性のAランク冒険者だけが俺を評価しているが、他は敵視しているようだ。まあ。プライドだろう。こういうのは種族関係なく、どこにでもある。しょうがない。


「わかりました。では俺が倒すので、見ててください」

「あははは。おい大丈夫か?俺らでも一人で倒せないぜ。泣きを見るのが見え見えだぜ」


「ええ、ですから、後ろにいたらどうですか?心配でしょうから?」

「そうさせてもらうぜ」


「協会としても倒していただくことが必要なのでそれでお願いします」

協会も獣人族のプライドで俺を甘く見ているな。そして俺が泣きつくのを待っているか?ガイアスはもうトカゲあたりを狩っているだろう。


俺は未開領域に行く。未開領域の手前に穴があった。この辺で出たか?うーん、未開領域はマナの流れが魔獣の森に似ている。ここは感覚を惑わせる。だが、魔獣の森で5日いても、問題ないぐらい鍛えた。これくらいなら問題ない。うーん、ああ、いた。ここから未開領域に入って一キロ程度行ったところか。こいつら来れるかな?


「地竜がいるが、未開領域だ。皆さんは入れます?」

「はっ?未開領域に入る?バカじゃねえ?」


「ああ。それにそこにいるなんて、なんでわかるんだ。そんな適当な当たりにはついていけねえ」

「そうですか、じゃあ、ここにいてください。倒してきます」


「おい」

「ああ、行っちゃいました」

「いいのか?協会職員よお?」


「まあ、見つけられずにすぐ帰って来るでしょう」

俺は未開領域に入り、地竜のところにまっすぐ進む。奴は穴の中にいる。まだ動いていない。ここに水を流すか?うん。そうしよう。


地竜が穴から出て来た。水が穴の中で溢れ、出てきたようだ。よし一気に行くか。まだ出てきて状況がわかってないようだ。俺は黄金闘気をため、一気に行く。最近は動きながらでも30%くらいなら貯めれるようになった。だが50%を貯めようとすると動けなくなる。


そして一気に眉間を突く。当たったが硬いな。かなりのダメージを食らったが生きている。さすがは竜の一文字がつく生き物だ。まあ、竜というよりモグラだ。


俺はさらに硬化と剛力を増やす。そしてまたさっきと同じところを突く。今度は火竜の槍が赤くなり、地竜の眉間を貫いた。この槍はすごいが、たまに気まぐれなところがある。その力を発揮するにあたる技じゃないと赤く光らない。これがあるとないとでは威力が違う。面倒な槍だ。


俺は地竜を持ち上げて持ち帰る。ああ重い。いつもならマジックバックに入れて持ち帰るけど、こういう示威行為をすることも大事だと師匠に言われた。


戻ってきた。ああ、あいつら驚いている。

「戻ってきましたよ。きっちり倒しましたよ」


「あの、これがあそこに?」

「ええ、いましたけど」


「一人で倒したんだよなぁ?」

「他に誰かいます?」


「な、嘘だろ?どんな手を使った?詐欺野郎が!」

「詐欺というからには、何か証拠が?」


「ああ?てめえみたいなガキにできるはずがねえ。それが証拠だ」

「証拠になってないです。なんなら、戦います。弱い奴ほど騒ぐ傾向にあるので、実力を試しましょう。それなりには強いのでしょう?地竜は手応えがなくて、つまらなかったので」


「な、ああ、やってやるよ。詐欺野郎」

「で、負けたら、どうします。私が負けたらこれあげますよ」


「あ?俺が負けたら全財産をやるよ」

「わかりました。ではやりますか?」

俺はマジックバックに地竜を入れて、用意をする。このマジックバックは俺自身で作った最高の物で陛下が国宝にしたいと言われた物だ。


そして、俺とうるさい奴は戦った。奴は一撃で沈んだ。正直、地竜の方が数倍は強い。口ほどにもないとはこれのこと。こういうのは好きじゃないが、舐められると良くないというのが冒険者だ。本当に面倒だよ。もういいかな。騎士になろうかな。


「じゃあ、全財産をいただきます。協会の職員さん、彼の財産で協会の通帳にある分は全部下ろしてください」

「おい、てめえ、強いからって、それはないだろう?」


もう1人の男のAランクの獣人が声を張り上げる。

「はっ?人族だからって倒してきた魔獣を嘘呼ばわりして、詐欺野郎と呼ぶのはいいのですか?」

「あん?そんなの当たり前じゃねえか。人族なんかよお」


「はあ、自分たちが差別され続け、それを覆すために独立戦争をした獣人族のご先祖様方は可愛いそうだ。自分たちは人族というだけで差別をするような子孫を持って。これではいつかまた獣人族が差別される日が来ますね」


「なんだと?」

「馬鹿には説教しても意味がないので、やりましょうか?」

「あの、すみません。こちらの者が失礼を」

俺を評価していた冒険者だ。


「あの、誰方様でしょうか?」

「ああ、私はこの国の冒険者協会の会長をしている者です。バカの教育はこちらでします。職員は罰を与え、そちらに寝ているのは全財産を没収してマルク様にお渡しします。そして、そのバカはきっちりと教育しましょう」

「え?会長?」

できるなとは動きでわかったが、会長とはね。


「はい。私は、普段は冒険者としても活動しています。この国の冒険者はレベルが低いので、私のような役職付きもここ、未開領域付近で冒険者をしたりします。まあ、私はほとんどは国都にいますが」


「そうですか。今回は何故?」

「この支部の最近の結果が良くないので、見にきたのですが、酷い有り様です。少し教育が必要かと。それに人事変更も必要ですね。誰かまともなのを連れてきましょう」


「そうですか。それがいいと思います」

「おい、君、そこのバカを連れてきなさい」


「な、あの伝説の、シエル様?」

「うるさいです。喋らずにきなさい」

「「はい」」


そして会館まで戻ってきた。そして会長殿は会館に入ると支部長以下役付きを呼び出し、説教を始めた。なお、一緒に来た職員はなんと副支部長だった。これが副支部長。 昔の王都支部を思い出す。酷いな。


そして、シエル会長殿は1ヶ月ほどいるようだ。支部長は変わり、本部で再教育、副支部長はクビ、他にも何人かは変わるようだ。ちなみに、未開領域と接する街はほかに二つあり、そこは良いそうだ。街選びを失敗したか。


Lune様よりレビューいただきました。とても嬉しいレビューで心から幸せです。しかも優しい言葉、そしてこの作品の世界観をしっかりと捉えた言葉は嬉しいです。ありがとうございます。

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