出会い ガイアス1
翌日
俺は訓練をしてから、会館で牛の魔獣の依頼を受けるために受付に行く。俺は受付で手続きをしてから森に行く。牛だ。なかなか見つからない。魔獣の気配がしない。どうするかな。あ、いた。ここから数百メートル行ったところだ。
人もいるな。誰か戦っている。ああ、あんまり良くないな。助けるか?とりあえず行ってみよう。
「くそ、俺では戦えないのか。父上のようになれないのか?」
「もうううう」
「うわあ、痛え」
ああ、ダメだな。突進を受けて怪我している。どうしよう。
「助けいる?」
「あ?頼めるか?」
「わかった」
俺は牛の魔獣に一撃を入れる。牛は吹っ飛ぶが、傷はない。丈夫だな。そのおかげで傷のない状態で冒険者協会に搬入できそうだ。それから牛の眉間に突きを一撃入れる。牛は悲鳴をあげて死んだ。
「大丈夫?」
「ああ、回復魔法が使える」
「そうか。ならいいけど」
「人族か?」
「ああ、この国に色々と勉強をしにね。そっちは?」
「ああ、俺は騎士団長カンザス・ガウランの子、カイアス・ガウランだ」
「ガウラン族か、どうしてここに?」
「再来月の武闘会に出ようと思うが弱いんだ」
「そうか強くなるためか?」
「ああ」
「じゃあ、一緒に訓練する?」
「な、お前は強いよな。いいのか?俺は弱い」
「ああ、そっちがいいんなら。人族に教わるのとか嫌じゃないの?」
「ああ、それか。俺はマルク・ドンナルナを尊敬しているからな。あの人は俺ら獣人族に希望をくれた。だから人族だからと嫌わないさ」
「そうか。そういえば俺は自己紹介してないね。俺はマルク・フィン・ドンナルナだよ」
「あ、あ、貴方が」
「ああ」
「ありがとうございます。貴方の事を尊敬しております」
「そう。これからよろしくね。俺は南に行くけど」
「はい。ついて行きます」
「そう、じゃあ、明日の朝に俺が泊まっている宿り木って言う宿に来て」
「宿り木に」
「ああ」
「わかりました」
そして、ガイアスと別れて、街に戻り、牛の魔獣を渡して、依頼書を完了させて帰った。
翌日
ガイアスとともに街を出て、南に行く。俺は昨日のうちに移動願いと王宮に南に行く事を伝言してもらい、南に行く。そして2日で街に着いた。移動の間もガイアスと訓練をしていた。ガイアスは筋は悪くないが、魔闘をうまく使えないし、スピードを上手く使えてない。
だから、スピードを生かして戦う方法と足の使い方を教えた。これが彼の一番悪い部分だ。全くもって足がダメだ。地の力を使えない事が一番悪い。
そして街に入り、宿に行く。そして宿で物を置いて、中庭で訓練をする。ガイアスは足のためを使う訓練に時間を割く。
「ガイアス、もっと強く足を踏み込む。そして拳を出す。そこがダメだ」
「はい」
「もう一回」
「はい」
今度は上手く足を使えた。ガイアスは勘が良く、センスがある。
「それだ。それをとにかく完璧にできるまでやる。足の踏み込みは武術の基本だ。どんな武器でもこれができないとダメだ」
「はい」
ガイアスは何度も何度も踏み込む。俺はそれを見ながら一緒に踏み込みをしていく。俺も基礎からやっていく。久しぶりに何度も基礎をやる。こういうところはいいな。教える事はいいのかもな。
そして、俺らは宿で夕食を食べて、寝た。
翌日
俺らは冒険者協会の会館に行き、依頼書を探すが、いいのがないので、俺らは常時依頼を取り、受付をして、街を出ていく。
未開領域の少し手前に行って、俺らは常時依頼の魔獣を探す。それから1匹を見つける。トカゲの魔獣だ。よし
「ガイアス、あれを倒す。まずは踏み込みをしっかりとして、殴れ」
「はい」
そして、ガイアスの一発が入る。腰が入った、いい一撃だが、ダメだな。ちゃんと地を蹴ったが足りない。
「うん、まだまだだね。俺が倒す。見てて」
「はい」
俺は槍を使わずにパンチで倒す。地をしっかりと蹴り、地の力を無駄にせず、拳で突く。これが一番大事だ。トカゲは死んだ。
「すごい。地の力を使うというのはこれですね。わかりました。でも、俺はまだ訓練が足りない」
「そう、頭でわかってもそれをちゃんと使えるかは別だよ」
「はい」
「それは訓練でしか、実践でしか学べない。だからちゃんと訓練するよ。それを何度も何度もする。やっとガイアスは正しい方法を知った。そこからがスタートだよ。教えてくれる人はいなかったの?」
「はい。父上を早くに亡くしましたから」
「あれ、でも最初に」
「騎士団長だったのは本当です。ですが、もういません。それからは誰にも相手にされず、一人で訓練してきました」
「そうか。ごめん」
「いえ、嘘をついたのは自分です」
「いいんだ。わかった。じゃあ街に戻ろう。また訓練だよ」
「はい」
そして、俺とガイアスは宿に戻り、ずっと基礎を繰り返す。




