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獣人族国家 国都までの旅

そして翌日


俺は宿を出て、警備に挨拶して、アンゼリーナとか言う奴が明後日に王都に連行されることを知り、手続きの書類にサインして、街をでる。北上する前に遺跡の資料館に行き、ラムダ様に挨拶して、北上して行く。そして国境の街を通り過ぎて、獣人族国家に入る。


獣人族国家の国境警備所で、手続きの列に並ぶ。国境を越えると要塞の街がすぐあり、今日はそこまで進む。そこからは乗合馬車で進む。俺みたいな人族が獣人族国家を歩きで行けば必ず問題になる。だからそこからは乗合馬車を使う。


そして俺の番になった。俺はマリアからの紹介状を見せると、獣人族の警備者は匂いを嗅ぐ。すると紹介状を返して

「こちらからはマリア様も匂いがします。本物でしょう。マルク様には獣人族皆が感謝しております。私も、私の出身の村にマルク様のおかげで回復士が誕生し、子供が死なずに済むことが増えました。感謝しております。ありがとうございます。・・・お時間を取りすみません。どうしても感謝をお伝えしたく」


彼は頭を下げて感謝を伝えてくれた。

「いえ。自分のしたことが獣人族国家ガウランの皆様の為になったのならば嬉しい限りです。それを教えていただき感謝します」


「おお、何と嬉しい。ありがとうございます」

彼は何度も深く頭を下げてくれた。俺のした事は彼らの為になっているようだ。その気持ちが彼の態度からしみじみと伝わる。嬉しいなぁ。


そして門を抜けて、すぐに要塞街に入る。俺を見る人が多い。どうしても獣人族の方々は人族を警戒する。


宿に宿泊の手続きをするために名を書くと

「あの、マルク・フィン・ドンナルナ様でしょうか?」

「はい。そうです」


「私はこの宿の主人です。マルク様のお陰で、次男が魔法を使えるようになったので、王宮に勤めることができました。感謝を。今日のお代はいりません。どうぞ、ごゆっくりしてください。それと最高のもてなしをさせていただきます」

「いえ、それは」


「いいえ。させてください。いつかガウランにいらっしゃったら、感謝をしたいと思っていたのです。どうか、恩返しをさせてください」


「そうですか」

「はい」

また、感謝をされた。凄いことだ。


そして、獣人族の方々のもてなし料理を食べた。牛だった。王国では牛はいない。そのために食べることはない。しかも王国はどちらかといえば、穀物中心なんだ。獣人族国家は民族によって、食べる物が違うらしい。


この辺は肉食中心の民族が多いため、肉料理がメインだ。要塞都市だけあり、兵士や戦える者が多いのが理由らしい。


牛は初めて食べる。前世でもほとんど病院に入院してたからは牛は食べたことがほとんどない。消化にいいものしかない食べてこなかった。


牛はうまい。うまいよ。凄いな。こんなにうまいんだ。獣人族国家はいいところだ。俺は食事を終え、宿で寝た。


翌日


俺は朝早くに国都レオナルクガウランに出発する乗合馬車の手続きをして、1時間後に出発した。


乗合馬車の他の客は皆が俺と距離を取る。まあ、そうだろうな。人族の俺と近くに座る人はいないだろう。そう思っていると子供が

「ねえ、お兄ちゃんは人族?」

「そうだよ」


「何でここにいるの?」

「ガウラン国王に招待されて、国都レオナルクガウランに行くんだよ」


「そうなの。偉い人?」

「うーん。そうでもないかな」


「じゃあ、何で王様に会うの?」

「前にしたことを感謝されて、会うんだよ」


「そうなんだ。マルク様みたいだね」

「マルク様?」


「うん。お母さんが言っているの。人族でもマルク様は凄い。獣人族はマルク様に救われたって」

「そうなんだ。凄いね」


「うん。私も魔法を覚えたいの」

「そうか。覚えられるといいね」


「うん。お兄ちゃんはマルク様を知っている」

「知っているよ」


「どんな人?」

「うーん、なんて言えばいいんだろう。普通の人だよ。凄い事をしたかもしれないけど、本人は凄い事をしたと思ってないかな。だから、君に話しかけられても笑って話すと思うよ」


「あの〜、マルク様では?」

「ええと」


「その子の母親です。その子はミアと言います。貴方様が私が知っておりますマルク様のご容姿に似てらっしゃいますし、王様にお会いするとおっしゃられていますので、そうではと思ったのですが?」


「ああ、バレましたか。私がマルク・フィン・ドンナルナです」

「えー、お兄ちゃんがマルク様?」

「そうだよ。ごめんね。騙して。ミアちゃん」


「ううん。私ね。去年病気したの。でも回復魔法で治ったの。だから感謝したいの」

「私も娘がマルク様が作った魔法理論のおかげで増えた回復士の方に直していただきました。感謝申し上げます」


「そうですか。よかったですね。ミアちゃん、よかったね」

「うん」

「ありがとうございます」


「おい、あんたがマルク様か?」

「ええ」

「「「「「「「おお」」」」」」


「いやあ、俺の村に回復士が生まれて、病気も怪我も怖くなくなった。ありがとうございます」

「うちもだ。ありがとうございます」

「うちも。ありがとうございます」


と多くの方が感謝してくれた。前にリリアに言われたことが本当だったな。それにガウル国王陛下のおっしゃられていたことも本当のようだ。嬉しい。


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