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火龍

翌日


俺はドワーフの都の入り口でガレス殿と師匠を待つ。ドワーフ特有の酒を飲んで遅れるだ。面倒だな。起こしに行こうかな。それとも一人でいくか。と思ってたら、来た。


「すまん。遅れた」

「申し訳ない。兄貴が寝坊した」

「おめえだろうが」


「どっちでもいいです。さあ、行きましょう。ていうかお酒は抜けてますか?」

「ドワーフを舐めるな。宵越しの酒は残さねえ」

「そうですか。いいですけど」


「おめえ、師匠を信じてねえのか?」

「酒以外は信じてます。母上にドワーフの酒は信じるなと教わりました」

「う」


「マルクさん、リネアさんを出すのはダメだよ。何も言えなくなる。何回酒が原因で咎められ、いじめられたか。もう思い出したくない」

「ああ」


そして、俺らは鉱石場の入り口に来た。


「おい、行くぞ。マルク、怖気付いたら言え」

「大丈夫」


「そうか。ガレス、大丈夫か?」

「ああ、兄貴、大丈夫だ」

「そうか。行くぞ」


そして、俺らは鉱石場に行く。すると、入り口入ってすぐに火龍がいた。広い広場みたいな鉱石場の中央に火龍がどんと寝そべっている。


「あいつか、でけえな」

「ああ、でかい」

「だろ?無理だろ?」


「いや、俺とマルクとカレスが力を合わせればいける」

「ああ」


「はっ?俺も入るのか?」

「おい、マルク、ガレスが力を貸さないと、あれだな。防具も武器もないから、リネアに昨日の件を言うか?」


「そうですね。考えます」

「わかった。やる」

母上は、火龍より恐いらしい。


そして俺とガレスさんと師匠で火龍に挑む。作戦はまず俺が魔法で火龍を牽制して、その後にガレスさんと師匠が一気に攻撃して、時間を稼ぎ、俺が例の技、黄金闘気というらしい技で一気に攻撃する。師匠も殺しそうになった技だ。グランドベアキングの時より力を出せるようになった。これで決めたい。


俺は水魔法の上級魔法ウォーターフォールで攻撃する。簡単に言えば滝を作って水をドバーンとかける魔法だ。火龍の弱点の水をかける。さらにその水を凍らせる。これで火龍の力を削ぐ。


『ウォーターフォール』

大量の水が火龍に向かって落ちて行く。


そして

『フリーズ』

水を凍らせる。火龍にかかった水が急速に凍って行く。火龍は驚きと共に吠える。


「グルルルルル」

その鳴き声は大きく、風を巻き起こし、周りの氷を取り除いて行く。


しかし、同時に師匠とカレスさんが火龍の弱点である逆鱗と顎を攻撃する。しかし、師匠の顎への攻撃は避けられる。カレスさんの逆鱗への攻撃は当たる。火龍はもう一度吠える。痛みをごまかすかのように。そして俺はその間に集中力を高め、武闘オーラ。硬化、疾駆、剛力をかけ、体から金色の闘気が体を纏っていく。


まだまだ足りない。もう少し、時間をかけてください。師匠、ガレスさん。


師匠とガレスさんは動き、火龍を牽制していく。対して火龍は口から火の玉を吐き、二人を狙い、時に尻尾を振り、特にガレスさんを狙う。逆鱗を攻撃された事がよっぽど怒りに触れたらしい。


よし、来た。俺は黄金闘気を50%まで上げ、一気に火龍の死角から首に向けて突きを放つ。その際に付与魔法で氷魔法を槍に、そして風魔法を足に、さらにアクセラレーションとグラビティソードで槍を重く、早くする。俺だけの最強技だ。いけー。


火龍の首に刺さった。だが致命傷にはならなかった。かなりのダメージだが、それでも火龍は一瞬火で刺さるあたりを守ったことで氷は溶け、槍の刃が脆くなった事がほんの少しの差を生み出した。


槍は突き刺さったまま。くそ、どうする。

「マルク、これを使え。もう一発行けば勝てる」

「でも師匠」


「俺は大丈夫だ。槍がなくても戦えるくらいは鍛えている。それに」

「ああ、兄貴の替えの槍は持ってきた。ほらよ」


「さすが、ガレスだ。よくわかっている」

「ああ、火龍相手だ。一本じゃ足りねえだろうと思ったよ」


そう、兄弟の連携プレーだ。そして俺は師匠より槍を受け取り、もう一度黄金闘気を貯めながら動き、やつから離れる。この技の最大の弱点がすぐに使えないし、集中力を高めないと使えないため、ほかの事ができないことだ。


その間にガレスさんと師匠が火龍を牽制していく。師匠が尻尾で攻撃され、吹っ飛ぶ。ガレスさんがそれを受け止め、そして体勢を整え、また動く二人。今度は火龍の顎にガレスさんが槌の振り上げを一撃かます。


そして火龍の口が上を向いたところ師匠が槍で上顎と下顎を刺す。口を閉じさせた。師匠はまた槍をなくす。そこに火龍が頭で二人を吹っ飛ばす。二人は壁に激突して、悶絶する。さらに火龍は飛び上がり、二人に向かって、落ちていく


そこに、俺がもう一度集中力を高め、さらに力を貯めきった。今度は50%を超える。ああ、体が痛い。ここらが限度か。大体60%くらい。これ以上は先に体が壊れる。俺は高くジャンプして、一直線に首元へ一直線に飛び込んで行き、一気に突きに行く。そして、今度は火龍の首を貫いた。さすがの火龍も死んだ。


「くそ、死ぬかと思ったよ。兄貴」

「ああ、俺もだ。マルクの一撃が一歩遅かったら死んでた。あのまま圧死だな」


「ああ、よくやったよ。マルク。まさか本当に火龍に勝てるとはね。結構な年の火龍だったね。古竜一歩手前じゃない?」


「ああ。古竜じゃないだけマシだった」

「そうですか。あれより強いドラゴンがいるのですか」


「古竜又はエンシェントドラゴンって呼ばれるドラゴンだ。あれは勝てない」

「あれは勇者さんたちが全員で勝ったやつだからね」

「ああ、あん時も死んだと思った」

「ああ」


こうして、火龍討伐は終わった。さすがに俺のマジックバックにも入らないし、3人では解体も持ち帰るのもできないので、ガレスさんが街に戻り、スケットとして鍛治士を多く呼んできた。俺らはスケット達から感謝され、皆大喜びだった。


そして2時間ほど待つと数十人の鍛治士達が解体をした。これで槍と防具を作ってもらえる。火龍以上の敵と戦うならば、やっぱりある程度の槍は必要だ。そう思った戦いだった。その後はドワーフ特有の酒盛りが始まり、俺はすぐに宿に戻り寝た。体が悲鳴をあげていたからだ。火龍の解体を待つ間に少しずつ体の力が抜け、痛みがすごく、またマナがない感じがした。


体を鍛えないとこれ以上黄金闘気を高めるのは無理だ。


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