試練
そして1ヶ月がたった日
「よし、マルク、サンゼル。何とか最初の関門は合格だ、次に入る。お前らは虎か蛇以上をを1匹倒す依頼を受けろ、それが終わったら俺と戦う。俺はお前らを殺す気でやる。お前らのどちらかが俺を殺せるくらいの一撃を入れれたら終わりだ。わかったな?」
「「ああ」」
「じゃあ、依頼に行ってこい」
そして俺らは依頼に行く。俺は蛇と、サンゼルは虎だ。そして俺らは2時間で依頼の魔獣を倒して、会館に戻ってきて、師匠とやる。
俺から始める。俺は師匠に本気で行く。あの技で攻撃するが避けられ、師匠の本気の突きで結局は気を失う。サンゼルも同じらしく、俺が目を覚まさせられたらのびていた。
また俺がやる。何度やっても同じ結果だ。そうして何度ものびては起こされ、やるを数時間やって終わった。結局は一撃も入れられずに終わった。
それが1ヶ月続いた。その間にサンゼルは何度も位階酔いを繰り返したらしい。だがそんな事を気にしてくれる師匠じゃない。問答無用で叩きのめされ、死を何度も意識した。
そんな2ヶ月を過ごして、俺とサンゼルは森で数日を過ごすという死の試験を受ける。
弟子入りから2ヶ月後
今日は訓練はなしで。朝から師匠とサンゼルと森に行く。今日から5日間、森で過ごす。正直言えば、自殺行為だ。森に数日いるなどありえないと普通の冒険者は言う。しかし俺らはやる。
「よし、小僧共、今日が最終試験だ。森の中心近くに俺が用意した物がある。それを取ってこい。だいたいそこまで行くのに二日かかる。往復四日から五日ってところだ。用意はいいか?」
「「ああ」」
「これを越えれば、まあ、この世界の強者としてはトップ20ぐらいには入る。まあ、トップ10は俺クラスしかいねえ。あいつらは化け物だな」
「「ああ」」
「まあ、頑張れや」
「「おう」」
「行ってこい」
俺らは卒業試験のため、森の中に入る。数日を森の中で過ごすだけでも自殺行為と言えるが、森の中心部に近づくとかは、完全な自殺行為だ。ありえない行為とされている。それを課された。死を覚悟して望まなくてはいけない。
1日目
俺らはまず、目標地点に入るルートを作成して、森に入る。目印を木につけながら、周りを警戒して進む。もう複数の事を当たり前に同時進行で行えるようになった。そうしなければ死んでいたし、師匠の攻撃で、大怪我をしていた。
少し進むと蛇がいる。
「おい、マルク。三匹の蛇だ。俺が先行して、二匹行く。お前は離れた一匹を倒せ」
「わかった」
そして、三匹の蛇のうち、二匹をサンゼルが先行して切り離した。俺は一匹を疾駆で一気に突き、首を切り落とす。サンゼルも一匹の首を瞬殺で切り落とす。そして、そのまま切り返して、もう一匹の首を切り落とした。
「サンゼル、大丈夫そうだね。行こうか」
「ああ、これくらいならな。行こう」
そして、さらに進む。少しずつ方向感覚を迷わされ始める。だが、もう慣れた。毎日休みなく、森の中を駆けてきた。このくらいはなんて事ない。
虎がいる。二匹だ。番いだろう。
「サンゼル、俺が先行して一匹を切り離す。お前は残りの一匹だ。いいか?」
「ああ」
そして俺は虎を突き、一匹の注意を引く、そしてそれに釣られた一匹が俺についてくる。もう一匹もついて来ようとした瞬間にサンゼルが現れて、もう一匹の行動を阻む。俺とサンゼルは一気に虎を倒しに行く。
虎は俺めがけて、右足を振り上げた。俺はそれを避けて最短で喉元に武闘オーラを込めた突きを入れた。すると虎は一突きで死亡した。サンゼルは同じく、虎喉元を切り裂き、すぐに眉間に剣を突き刺した。
「マルクは大丈夫だな。よし行こう」
「ああ、行こう」
そしてさらに進む。先には猿の魔獣や猪の魔獣、ウルフリーダーを中心とした小型狼の群れなど、強い魔獣と一般に言われる魔獣と何度もあったが、俺らは相手にもせずに瞬殺していった。
そして、今日は休みを入れた。だいたい、半分くらい来た。結構な数を倒したがそれでも俺もサンゼルも余裕がある。サンゼルももう位階酔いするレベルではない。二人で火を起こし、体をあっためて、飯を軽く食べ、先に俺が寝る。
少しして、起きるとサンゼルと交代する。サンゼルは数匹も猿の魔獣を倒したようだ。このレベルなら、一人で20匹程度までは俺もサンゼルもいける。もういっぱしの冒険者、いやトップランカーに近づきつつある。
そして俺が交代して警戒していると、猪の群れと虎が一匹きたが、どちらも一瞬で殺した。正直、虎一匹ならば、もう相手にはならない。この程度ならばもう朝飯前だ。ただ、それでも気は抜かない。師匠との一戦で相手に合わせて戦ったら死ぬことは学んだ。
そして、サンゼルが起きてきて
「マルク、すまんな、大変な方だったみたいだな。虎か。まあ一匹なら問題ないと思うが」
「ああ、特には問題ない。サンゼルも余裕だろ?」
「ああ、一匹ならば、瞬殺できる」
「じゃあ、行こうか」
「ああ」
森の中で長話はしない。そんなのは死にたいと言っているようなものだ。虎が6匹以上で行動している場合なんか、俺らが力を合わせないと厳しい。
流石に6匹以上を一人で相手するのは無理だし、一匹でも相手に先に気づかれ、奇襲を食らったら、大怪我する可能性はある。そうなれば生きていけない。森の中は最強の生存競争をしているところだ。そんな中で気を抜いて話をするなど馬鹿のする事だ。
二日目
俺らはまた進んでいく。
「おい、ウルフキングだ。しかもかなり年数を過ごした奴だ」
「ああ、しかもウルフジュネラルもいるな」
「ああ、3いや4匹か。それにウルフリーダーが15匹」
「ああ、これはヤバイかもな、どうする?」
「マルクはウルフジェネラルとウルフリーダーを頼む。俺がウルフキングをやる」
「わかった」
そして行動する。俺が前にやったウルフジェネラルは無理矢理にウルフジェネラルにされた個体で、なって数日、しかもウルフリーダーは一匹だったから楽勝だった。
ウルフリーダーは小型狼が少し強くなった程度、ウルフジェネラルはウルフリーダー程度の連中だった。
この魔獣の森のウルフジェネラルはちゃんと成長してウルフジェネラルになり、そして数年をウルフジェネラルとして過ごしている個体だ。今回はしかもウルフリーダーを15匹も連れている。ジェネラルすらキング直前の奴だ。
さらにウルフキングがいる。気を抜いた瞬間に死ぬ。
俺らは獲物に攻撃する。俺がウルフジェネラルにサンダーチェインをかけ、動きを一瞬止める隙に、サンゼルがウルフキングにアタックする。そして俺はウルフリーダーの群れの前に出て、群れの動きを止め、ウルフキングと群れを分断する。同時にウルフリーダー数匹を殺す。
それから、ウルフリーダー10匹とウルフジェネラル4匹と対峙する。これでサンゼルはウルフキングと対峙できるだろう。俺も気を抜かずにウルフジェネラルと対峙する。俺はウルフリーダーを隙を見て殺していく。大抵は首を切り落としていく。突きだと、刺さってしまい、抜けなくなると死が見えてくる。だから全て首を切り落とす。
あと、ウルフリーダーが4匹、ウルフジェネラルが4匹になった。
ウルフジェネラルはウルフキングの元に行こうとするが、俺がそれをさせない。そしてウルフジェネラルと対峙しながら、ウルフリーダーをさらに殺していく。
もうウルフリーダーはいなくなった。ウルフジェネラルは俺を強敵と認め、ウルフキングの助けを諦めたようだ。俺とウルフジェネラルは数度、睨み合う。
俺は隙を探すが、4匹が連携してなかなか隙ができない。ならば作る。これを一番師匠の元で学んだ。
一匹の元に一歩寄る。すると他の3匹が近づき、俺を牽制しようとする。一番近づいた個体の方へ。一気に方向を変え、首を切り落としにかかる。
すると奴も気づいたのか避けようとする。そして他の奴らも連携して、俺を牽制しようとする。だが、圧倒的に遅い。そして、来るなら殺しに来い。
俺は狙った一匹の首を切り落とすと、槍を回して血を落として、そのまま牽制に来た3匹のうち、一匹の首を切り落とす。これで2匹しか残ってない。ウルフジェネラルはあっという間の出来事に驚き、後ずさる。
そして、一気に残りの2匹めがけ、俺は突っ込んでいく。飛び込んで踏み込み切り下ろしをして、一匹の首を切り落とした。
もう一匹が死ぬ気で攻撃して来たが、もう遅い。俺は、右足に力を込めて、左に動き、反転して、右足に力を込めて、一気に突きに行く。
ウルフジェネラルの横っ腹にぶっ刺さる。最後のウルフジェネラルは絶命した。サンゼルを見ると、苦労したようだが、何とかウルフキングを倒したようだ。
「サンゼル、大丈夫か?」
「ああ、少し消耗した。マルクは余裕そうだな」
「まあ、ウルフキングよりは楽だ」
「そうか。少し休んでいいか?」
「ああ、この後も何があるか分からん。少し移動して休もう」
「ああ」
俺らは少し場所を移り、休憩を入れた。疲れた体を休ませて、飯を食い、休憩を終えて進む。
本日はできれば4話アップします。




