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辺境伯でのスタート

王都旅立ち、1ヶ月が立つ。俺は辺境伯領の魔獣の森近くの街セレステにいた。要塞の近くの街だが、辺境伯領の北にある森に近く、冒険者であふれている。


森は魔獣が多くいて、森南東側の要塞が領都側を守り、南西側のセレステの街が王都側を守ることになっており、ここにも辺境伯軍がいるが、多くは冒険者が魔獣の進行や数減らしを担っていた。



俺は訓練して、冒険者協会セレステ支部の会館に行く。会館で依頼書を見て行く。今日は虎の魔獣を倒しに行く。ここではそれなりに多い依頼だ。リッキークラスが普通にいるため、cクラスが最低クラスとここの支部が王国内で最も強者が多い。


ただし冒険者の数は少ない。多くの新人がベテランに追い出される。訓練場で模擬戦と称して力を試す。そして力のない者は追い出される。これはいじめではなく、力のない者は死ぬからだ。あえて冒険者がそうしている。


俺も受けたが模擬戦をしてきた者らを倒して、認められた。なお、サンダルも同じく受け、なんとか大丈夫だったようだ。


こうして俺は受付で虎の魔獣の討伐依頼があるので、受けて会館から出て行こうとするとサンゼルが来た


「よお、マルク、今日は何の依頼を受けたんだ?」

「ああ、虎の魔獣が出たらしい。大きい可能性があるって」

「そうか。俺は蛇だ。でかいらしい」


「そうか。あれは大変だよ。でも楽しいよ」

「ああ、楽しそうだ。マルクもだろ?」


「ああ、楽しみだよ。ここでは今まで戦った事ない魔獣と毎日できる。楽しくて充実してるね。こんなに戦いが好きだって気づいたよ」

「ははは、俺もだ」


こんな話をして、俺は会館を出て、森に行く。森に行くのは冒険者くらいだ。辺境伯領の魔獣の森は中心部には行ってはいけないと言われる。実際に死ぬか、迷う。


かなりマナが濃く、魔獣も強いし、方向感覚も失う。だから俺も森の中心部にはいかない。今回も森の外側で虎が出てきたらしいところから森に入り、森の端で倒す予定だ。奥にはドラゴンがいるなんて噂もある。



そして、依頼書にあった場所に来た。こういう所には必ずその跡がある。あ、虎が通った獣道がある。ここから通って来たのか?森から出てきて、ここを通って、あそこの森で暴れて森に帰る。そんな所か?



はあ、そろそろ入るか。うーん、虎の気配がわからない。近くにいるとは思えないな。この跡は虎の魔獣の獣道であっている。でも気配がない。これはヤバイ感じがする。


でも依頼未達成は良くないしな。どうするか、場所を変えてみるか、それとも入って少し様子見てから戻って探すか?


よし、入ってみよう。ああ、入ったけど、ここはいつも思うけど、マナが乱れてる。なんで魔獣はこの中を平気でいられるんだろう。何が人と違うんだ。魔族の人らはどうなんだろう。


はあ、なかなかいない。ここは一旦出よう。


あ、いる。虎か?いや、動き方が違う蛇だ。これは蛇だ。サンゼルが追っている奴か。


ああ、俺の依頼はこれじゃないんだけどなあ、どうしよう?サンゼルがいればな、ああ、ちょっと西側にいる。そっちは虎っぽいな。逆になればいいが。よし蛇を連れてって、交代しよう。


蛇を刺激して、俺について来させ、サンゼルに合流した。

「サンゼル、それは俺の依頼だし、こっちはサンゼルの依頼だ。変わろう」

「あ、マルクか。そうかそれはいい。こっちに来い。こいつは面倒だ」


「よし、一気に交代するぞ。俺がそいつを突くから、サンゼルはあいつの攻撃を止めてくれ」

「わかった」


そして、変わる。サンゼルは攻撃をしていたようだが、虎は全然ダメージを受けてない。サンゼルとは間合いが違いすぎて、相性が悪かっただろうな。俺は虎に突きを入れる。この森は広い。だから長槍と短槍の間ぐらいの槍を持ってる。俺の間合いはまあまあ長い。


こいつの爪はヤバイな。これは一撃でBランクを殺せるかもしれない。こいつは強いな。飛んでいる大鳥よりはまだマシだが、最悪だ。


これで毒とかあったら、まず勝てない。だけどこいつはない。だから爪をまともに受けなかったら、大丈夫だ。


よし、腕を振り上げた。これを避けて、近づいて懐に入って。よし、右足を踏み込んで左足を踏み込んで突く。そして今度はそこから右足に力を入れ、左に離脱しよう。


突きをいれたが、あ、くそ、右の前足を振り上げてきた。


振り上げた足は一気に加速して俺の右手めがけてくる。くそ、痛え。右手に当たった。


少しかすった程度だが、右腕が赤く腫れた。かなり痛いな。回復魔法をかけて。はあ、なんとかなった。奴もだいぶ食らったけど、こっちもだ。


今度は武闘オーラを纏う。そして、疾駆で迷わせてやる。左足に力を入れ、右に一気に動く。そして左前足を振り上げた。今度は右足に力を入れて左に動く。


今度は右前足を振り上げてくるから右に動く。今度は左に振り向いて、左前足を振り上げて一気に振り下ろしてくると何度も攻撃をこっちに動きに合わせて連続して入れてくる。


だが、わかったことがある。こいつ左足の振り下ろしが少し遅い。


よし、右に動き、そして左足を振り上げる。そのタイミングで動き、左腕を空振りした瞬間。そこを右から一気に奴の懐に入り、武闘オーラとアクセラレーションを使い、付与魔法で風を付与して一気に突いて、さらに風の刃を傷口に一気に叩き込む。


すると奴の首にバサッと切り込みが入る。かなりのダメージだが、致命傷には少し足りない。血管まではいってないようだ。


くそ!これで、だいぶ食らった程度か!

俺の攻撃でもトップクラスの攻撃を死なないどころか、致命傷にもならない。こいつは。凄いな。


かなり苦しみながら、俺に攻撃してくる。そこを避けて、一気にさっきの傷口を攻撃する。さっきより深く入った。ここから一気に武闘オーラを込めて突いて、抜いた瞬間に風魔法をぶち込む。


やっと、首から真っ二つになった。これで頭と体に真っ二つだから、はあ、これなら十分に売り物になる。


サンゼルは蛇を倒したようだ。まあまあ傷ついているな。回復薬持ってるかな?こっちもまあまあヤバかった。こっち来てこういうのが多い。なんとか勝ってる程度、もっと魔獣の倒し方を知らないとダメだ。


対人ならいけるが、魔獣相手は経験が少ない。でも命のやり取りをできることが俺の経験不足を増やしてくれる。ここならもっと強くなれる。ここで頑張る。


「サンゼル、一回獲物を持って出よう。ここにいたらやばいかも。回復薬は持ってる?」

「ああ、持っている。少し待ってくれ。回復薬を飲む」


少し待つと

「もう大丈夫だ。行こう」

「ああ」

こっちに来る前にカリム魔道具屋で、マジックバックを買ってから来たようだ。こっちだと高い。それぞれのマジックバックに獲物を入れて、森を出る。


「はあ、結構ヤバかった。そっちは?」

「まあまあ、厳しかった。虎よりはいい。間合いが遠い虎は厳しかった。マルクがいてくれてよかったよ」


「こっちも蛇は面倒だから、サンゼルが近くにいてよかった。たまに組んでやろう。慣れるまで」

「ああ」


そして、ひと休憩して、さっき戦った場所の血の海を片付け、会館に戻る。会館に着くと、解体倉庫に持って行って、討伐証明と買取金額を依頼表に記載してもらい受付に行く。


これがこの支部のスタイル。森が危険すぎるので、解体は協会に任せる。森の片付けだけをする。そうしないと死ぬ。あの森で連戦は死を望むようなもの。ベテランもしない。そして、ベテランでも気を抜けば死ぬ。


1匹倒すのに苦しい。要塞側は比較的に弱い魔物が多いが、セレステ側は強い。だから強い冒険者を優遇している。


宿も冒険者ランクによって、いい宿が取れるし、安い。それくらいここは弱肉強食だ。そうでもしないと強い魔物が跋扈して、辺境伯領は死の大地になる。ゼルもここで地獄のように師匠に扱かれたらしい。


辺境伯軍も年に一度必ずパーティーで戦うようだ。たしかにパーティーなら余裕があるだろう。実際に強いのにほとんど冒険者がパーティーを組んでいる。それで倒すのが当たり前だ。たまに冒険者の中に俺らのように一人でやっているものがいるが大体はAランクで、化け物だ。俺でも勝てるかどうか難しい。


そして、受付を終わらすと近づいて来たゴンダルだ。

「よお、坊主共、どうだ?」

「ゴンダルさん、今日はまあまあ厳しかったですね」

「何をやったんだ?」


「ああ、虎だね」

「はっ?虎の魔獣を一人でか?」


「ああ、そうだよ。かなり強かったよ。爪の振り下ろしが早かったし、強かったよ」

「そうか。お前は規格外だな。サンゼル、お前は?」

「俺は蛇だ」


「あ?蛇をか?」

「ああ、そうだ。かなり厳しかった。回復薬でなんとか直せるぐらいの怪我をしたぜ。こんなのは王都ではなかったな」


「そうか、お前も強いな」

「だが、蛇ならマルクは先週に無傷で倒したぞ」


「おい、お前ら、人間やめるのか?」

「そんな、まだ弱いよ」

「ああ、まだまだだな」


「おい、蛇も、虎もBランクが5人パーティー組んで何とかだぞ。Aでも一人で倒せるのは数人だ。それが来たばかりのルーキーができることじゃないからな」

そんな話をして今日は宿に帰って訓練して、瞑想して寝た。最近は研究ができていない。研究は家か王宮研究所の施設を借りないと厳しい。


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