友は先行く。
それから1週間後
俺は今日も訓練して、会館に行く。サンゼルが今日から遠征に行くらしい。ヤイらと壮行会をする。俺は今日は依頼は受けない。みんなで騒ぐ。そして楽しく。それが遠征をする者を見送る時の冒険者の習慣だ。
俺は会館でサンゼルらと会う。もうリッキーらがいる。エルゼもカットもいない。カットは変だ。あいつはもう、エルゼに何かされてるかもしれない。どうにかしたいが奴らの計画がわからない。だから動けない。
「やあ、サンゼル、おはよう」
「よお、ありがとうな」
「ああ、サンゼル、俺も辺境伯領に行くよ。先に行って活躍しろよ」
「ああ、お前が霞むくらい先に活躍するからな」
「ああ、期待してるよ」
「よお、サンゼル、マルク、何2人で盛り上がってんだ」
「そうだよ。マルクももうすぐしたら行くんだもんね。ずるいよ」
「ヤイ、お前もあと数年で遠征できるだろう」
「うん。妹も14だからね。後2年ぐらいかな。でも、サンゼル、ずるいよ」
「早く、Bランクに上がれ」
「サンゼル、見てろよ。戻ってきた時にはBになってるからね」
「ヤイなら成れるさ」
そして、俺らは乾杯する。会館の食堂だが、ここが俺らの最高のレストランだ。サンゼルは嬉しそうに酒を飲む。そして俺らも楽しく、サンゼルのバカな話をしている。あの時、ああしたとか、初めて会った時に喧嘩したとか。
そんなサンゼルの思い出を話す。俺も初めて会った時はガキのくるとこじゃねえとか絡まれた。サンゼルもガキの時に冒険者になったのにね。
それから、副支部長殿が来た。仕事の合間にサンゼルの遠征を応援しに来た。
「サンゼルさん、今回の遠征で強くなることを願っておりますよ。活躍して、サンゼルは王都出身だって自慢させてください」
「ありがとう。副支部長殿」
「ははは。何、かしこまってんだサンゼル」
「そうだね。ぷっ。サンゼルが敬うのは慣れないよ」
「プゥ!ははは。サンゼルが」
「おい、リッキー、マルク、ヤイ」
「ごめんよ。サンゼルらしくないもん」
「ああ、そうだよね」
「ああ、お前はいつでも不遜だろ」
そして笑い合う。今度はレネさんやシンディーが来る。
「サンゼルさん、遠征頑張ってください。名前を王都まで届けてください」
「ああ、世話になった。レネ」
「はい」
「あれ、いい雰囲気だね」
「あのさあ、マルク、気を使うことを覚えよう」
「はははは」
「そうね。本当に覚えたほうがいいわ」
「ほら、シンディーにも言われてるよ」
「う」
「そうだな。そこは成長したほうがいい」
「はは。ほらサンゼルにも言われてる」
「わかった。頑張ります」
「「「「「あはははは」」」」」
こうして、サンゼルを送り出す飲み会兼壮行会をした。サンゼルは明日出発する。
俺は壮行会を終え、俺は家に帰った。そして、アランと遊び、寝た。




