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最強の実証

『飲み込む』が最強スキルということかどうかの実証です。

それから3週間後


今日も訓練だ。

槍術は、かなり良くなってきた。いつもの踏み込み500回と突き1000回を終えて、切り上げと巻き槍の訓練だ。切り上げがかなり良くなってきた。巻き槍もかなり良くなっている。


「マルク様、かなり基礎ができてきたお陰で、切り上げも巻き槍もいいですね。特に踏み込みが力強く、スムーズになってきているので、突きもそうですが、切り上げや巻き槍もかなりスムーズに槍を使えていますし、地の力もしっかりと槍に伝わっています。これなら槍の武術家として半人前というところまで来ました。あとは二つの基礎を完璧に扱え、実践になれれば、槍術家として生きていけます」


「そうか、でもまだまだだよ。まだ半人前にも程遠いよ。師匠のおかげで良くなったのかもしれないけどね」

「ええ、もっと頑張ればスキルのあるものにも勝てますよ」

「ああ」


こうして、午前の訓練の後は、食事をして午後の訓練だ。

まだ、気功も武闘も使っている気配がない。俺の仮説は間違っているのかな?


「さあ、午後の訓練です」

「ああ、ゼル、今日も頑張るよ」

「しっかりと呼吸をしながら、私の訓練をご覧ください」

「ああ、頼むよ」


こうしてゼルが何度も何度も武闘オーラを見て、大きく呼吸をする。ゼルから発せられる気功を逃さないように。そして、身体がやがて熱く、臍の下に力を感じる。


いつも通りだ。気功を感じられるうようになってきた。ただ、ゼルの気功は見えない。マナはすぐに見えたのにな。マナは身体の中にあるからか。


あれっ?ゼルはなんて言ってたっけ?確か「武術訓練に長い時間を費やすと、地の力を知り、地の力を使えるようになると、気功が使える。」みたいなことを言っていたな。そして気功を練るのが丹田だったか?


うん?丹田に気功を止めて、地の力を・・・。よし丹田に力を入れて、地面から丹田に向けて注意を向けて見てみよう。


「ゼル、ごめん。ゆっくりやって貰っていい」

「はっ。わかりました」

ゼルがゆっくりと武闘オーラを込めて、突きをしていく。俺はよく見た。何か見えそうだ。


「ゼル。もう一度お願い」

ゼルはもう一度やってくれる。地を見る、そして丹田に向けて目線を上げていく。うん?なんか引っかかる。ゼルがもう一度してくれる。今度はより何かがあるような気がする。なんだろう。どこから始まってるかわからない。


どうしたら、わかる。なんだ。目か?目が悪い。いや違うか。目を凝らしていれば見えるのか?違うか?うーん、この何かが見えれば。よし、やっぱり、目に集中して、ゼルの突きを見てみよう。


うん!?

さっきの、引っかかった何かが見える。なんだ。なんて言えばいいんだ。何か青いモヤが足から腹にそして体全体に、そしてそれが槍に纏われていく。そして突きをした。槍先から一気にさっきのが出ていく。よし飲み込もう。スゥー。


ああ、これだけ。あの時のとはまた違うやつだ。これが気功とマナが合わさった武闘オーラか。わかった。あとはこれを扱えれば。


「マルク様、今のは目に気功とマナを集めましたね。気功とマナを見ることができるようになってましたね。武闘が見えましたか?」


「うん。多分、ゼルが地から伝ってきたものを体の中で何かに変換して、それを体全体に伝えて、槍と体に纏って、一気に槍をふると、その槍先からその力を発したように見えた」

「そうですか。マルク様が見えたものが武闘オーラです。そしてマルク様は目に気功とマナを集めて、武闘オーラで目を覆い、武闘オーラを見ていました。これはスキル武闘オーラの技で凝と言います」


「本当?」

「ええ」

「やったー」

「おめでとうございます」

「ありがとう。ゼル」


合ってた。俺の仮説は正しかった。このスキルはマナも気功も飲み込める。そしてそれを力にする。そしてスキル技すら飲み込める。そしてスキルをできるようにする。スキルも引き継ぐんだ。持っていないスキル、持てるはずないスキルを得る方法ができた。


俺の『飲み込む』は万能だった。俺が思った通りだ。ただの飲み込むだけのスキルじゃない。このスキルの意味は『全てを飲み込んで力にする』なんだ。これで英雄への道は見えた。これで父上らを心配させないで済む。でもダメだ。ここで安心しちゃダメなんだ。ここで慢心したら終わりだ。俺はいいスキルを持った。だけどこのスキルは持ってるだけじゃダメなスキルだ。努力しろ。今まで通りに足掻け、抗え、歩を止めるな。例え小さくても進み続けろ。


それがマルク・ドンナルナだ。忘れちゃダメだ。


「考え事ですか?顔を見る限り、慢心はなさそうですね。ここからは少し、凝を訓練しましょう。その技は有用ですから」

「うん、やるよ」

「ええ、訓練を続けましょう」


そして、凝の訓練を続ける。何度も何度も。かなりできる確率が上がってきた。まだ訓練が必要だ。まだまだ成功確率は30パーセントに達した程度だ。これは一部のものしかできない高レベルのスキルだ。1日、1日、一歩一歩、日々訓練だ。


「さぁ、お部屋で少し休憩してください。夕食時にはお呼びします」

「うん、じゃあ後で」


「ゼル、ありがとう」

俺は訓練場を出た。部屋に戻って、汗を拭き、大きく息を吸って気持ちを整える。落ち着かなくちゃ。これで浮ついて、いいことはない。


「お夕食の時間です。マルク様」

アイナが呼びにきた。

「ああ、今いくよ」


やっと能力設定が終わります。

評価をいただきです。ポイントが上がれば、作者のテンションが上がります。

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