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文化祭②

翌日


俺は訓練を今日もしないで、学院に向かう。学院に着いたら、生徒会で今日の確認をして、準備をする。


そして、今日もアナウンスがなる

「では、生徒のみなさん、今日も学院祭を開始します。昨日以上のお客様がいらっしゃる予定です。昨日以上に気をつけて頑張ってください」


そしてそれから1時間後

「お越しいただいたお客様にお伝えします。本日10:00より、武闘会本戦を行います。今年の武闘会は翌週の天の日に行われる騎士学院と魔法学院と当学院の学院対抗戦の出場者を決める選抜戦を兼ねております。そのため、昨年度と異なり、学院の生徒のみの出場となります。


今日は本戦出場者の32名が戦いベスト4を決めます。明日は勝ち残ったそのものらで準決勝以降の戦いになります。なお昨年度準優勝したアレス・スピキアーズさんが出場者として選ばれておりますので、最終日に残った方が学院対抗戦の出場者となります。チケットをお持ちの皆様はふるってご観覧ください」


そして生徒向けに

「武闘会本戦の出場者のみなさんは闘技場のリングにお集まりください。これより武闘会本戦を開催します。もう一度言います。これより武闘会本戦を開催します。本戦出場者は闘技場のリングにお集まりください」


そして本戦会場に選手が集まった。皆いい顔をしている。特にケビンとリンゼルが。何かしてくれそうだ。いい戦いを望む。


リーゼのアナウンス

「本戦出場者のみなさん、観客の皆様、これより武闘会本戦を開催します。午前は本戦の1回戦を、午後より本戦2回戦と3回戦を行います。本日を勝ち抜いた方が来週の天の日に行われる学院対抗戦に出場されます。どうぞ選手は頑張ってください。観客の皆様は応援よろしくお願い申し上げます」

「「「「「おお」」」」


昨年度の大会を見た方も多いため、観客席から歓声が上がる。



そして、一回戦が始まる。一回戦の目玉はテオ対ヨークス、ヨンダル対ケビン、マリア対キュリロスだ。例年見てる方だろう。観客席からこれらの試合が見ものという声が上がる。


まずはヨークス対テオだ。テオがどこまで成長しているかが勝負だ。魔術詠唱研究会のブースは今もやっているため、テオを応援する魔術詠唱研究会の声は少ない。休憩中の面々が来て、さらにルーナが応援している。それに対して、ヨークスは物凄い人気だ。去年のベスト4だけはある。


試合はシグルソン教官の掛け声で始まる。両者は対峙する。ヨークスはテオの動きを見る。テオは動かない。これにはヨークスも驚いたようだ。俺も驚いた。テオは開始の合図で魔法を仕掛け、先手で勝負すると思った。しかし、動かない。


ヨークスは様子を見ながらも動く、するといきなり鎖のような雷がヨークスを狙う。ヨークスは一瞬で捕まる。ヨークスも予想をしてなかったようだ。俺も初めて見る魔法だ。名付けるならサンダーチェインだろう。しかも無詠唱だ。研究と訓練の賜物だな。


そしてテオはさらに魔法を打ち込む。その連続した魔法に観客は息を飲む。俺も凄いと思った。しかし、凄いと思うだけでヨークスが負けるとは思わない。重力増加はさらに進化し、『重力操作』になった。これが最高形のようだ。魔法すら紙の重さにする。それ故に魔法の鎖をされても手以外は動けるので、他の魔法を避けていた。


結果、魔法を打ち込んでも最初のサンダーチェイン以外は効かず、最終的に根負けして、サンダーチェインを解いてしまったテオにヨークスが勝った。


どんどんと続いて、予想通りの勝敗が続く。しかし、驚きはリンゼルがうまく魔法で一回戦を勝ち抜いた事だ。複数の魔法を操り勝った。うまい戦いだ。戦術の勝ちだ。観客もわかっているのか、大きな拍手で喝采した。



そして、一回戦の山場の一方であるマリア対キュリロスだ。どちらも有力な選抜候補だ。マリアは昨年の時点でキュリロスと変わらないレベルにいた。個の強さはかなりのものだ。


それにどこまで戦い方を手に入れたかが勝負だ。対して、キュリロスは戦い巧者だ。ただ、決め手に欠く印象がある。それをどこまで変えれているかだ。


試合開始の合図と共に戦いは激化した。マリアがスピードで動いて来た。ああ、ダメだ。これはダメだ。去年と変わらない。そう思った。だが違った。


マリアはスピードに緩急をつけ、キュリロスを惑わせた。マリアのスピードはアレスに次ぐ。それが緩急をつけるとかなりに手強かった。


スピードを生かしたかと思ったら、ゆっくりになり、急に動く。ルーイに近いが基礎身体能力だから余計にいやらしい戦いだ。キュリロスも対応するように小さい動きで体の向きを変え、マリアと対峙する。


しかし、マリアはさらに早くなる。獣化だ。それはダメだ。理性を失いキュリロスの餌食になる。そう思った。それに負けても止まらない。シグルソン教官の出番と誰もが思った。観客も去年の戦いを覚えてる者がああっと声を上げる。


しかし、マリアは戦い方が変わらない。獣化を完全にコントロールしてる。獣人族には獣化をコントロールできるものが数名いると言われる。


しかしマリアがそのレベルに来たのか?それは凄い。去年の戦いで思うところがあったのかもしれない。覚えたんだろう。凄いな。マリアも実践戦闘研究会で成長したんだな。


キュリロスは完全にマリアを捉えなれなくなった。結果、マリアが一撃でキュリロスの意識を刈り取った。これには観客がわいた。凄い一戦だった。俺も感動し、拍手した。



そして一回戦のメイン試合、ケビン対ヨンダルだ。この戦いに観客は釘付けになる。去年の戦いを見た者はケビンの成長がいかほどかを見たがっている。去年、騎士学院の首席のリック先輩を追い詰めたケビンだ。その戦いはどうか。この戦いに観客席は熱気を帯びる。


そして観客の期待に応えるかのように2人の気合いが凄い。ヨンダルも相手を格下と見ていないようだ。試合開始の合図でお互いの間合いの取り合いが始まった。


攻めのケビンと守りのヨンダルという図式を誰もが予想した。しかし、ヨンダルが開始と同時に攻めた。驚きだった。観客も予想だにしないヨンダルの攻めに驚きを隠せない。


しかし、ヨンダルの攻めは鋭い。一撃が厳しい角度でケビンを襲う。それでもケビンはなんとか避け、捌く。そして時折、いいカウンターを繰り出す。その一撃に、徐々にヨンダルも攻撃を止め始める。だんだんと流れはケビンに来る。


すると、ヨンダルは守りをしっかりとし始める。観客の予想に合う戦いになったが、それは少し予想や期待するものとは違うものとなる。ケビンが完全に主導権を握り、ヨンダルは徐々に守りの合間を突かれ始める。


少しずつ、ボロボロになるヨンダル。あとはない。最後は攻めに転じた。ヨンダルはカウンターの一撃を狙った。窮鼠猫を噛むという状態だ。


それはケビンの槍のタイミング・軌道を読み、それに合わせるかのように盾を使い、衝撃で相手を吹っ飛ばす。ケビンは最後のぶつかる瞬間に少しだけ、軌道とスピードを変えた。


しかし完全には防げず、吹っ飛ぶ。そこにヨンダルが追撃に出た。3年生の意地というものがヨンダルを突き動かし、ケビンの攻撃読ませ、そして最後の力を振り絞らせた。これで決まる。そう思った。


だが、最後の結末は観客の予想とは違った。ケビンが体勢をくるりんと回転して元に戻した。それは獣人族の人が身体能力の高さを利用してする技だ。マリアあたりから盗んだのだろう。


マリアがよくやる。あえてぶつかり、吹っ飛ぶのを利用して、回転して相手の虚を掴む。これをケビンがした。ケビンは体勢を変えると一気に地を踏みしめ、突きで追撃にと突っ込んで来るヨンダルを突いた。その衝撃は一瞬、風の波となり、会場を駆け抜けた。


その瞬間、それまで声を上げて、両者を応援していた観客を静かにさせ、静寂が会場を包む。そして、会場にドッサという人が倒れる音がする。ヨンダルだ。ケビンが最後に逆転した。万雷の拍手が起こる。ケビンは少し照れくさそうに笑う。成長したなケビン。


「はい、これにて、一回戦が終了となります。二回戦はお昼休憩として1時間後の休憩を挟み、始まります。観客の皆様は1時間後に闘技場にお戻りください」

とリーゼのアナウンスが鳴り響く。観客はケビン対ヨンダルの一戦の余韻を楽しんでいるかのように動かない。




そして1時間後


二回戦が始まった。試合は予想通りに進む。一回戦でわかった実力通りの試合結果だが、ヨークスやルーイが力を抜くことなく、いい試合をするため、会場のボルテージは下がらない。いい大会になった。


そして二回戦の注目カード、リルニア対マークだ。副会長対次期生徒会長の試合となり、会場の生徒が熱気を帯びる。特に2年生は自分たちの代の生徒会長がどれほどか見極めかのように目を鋭くさせ、見つめる。


そして、同じく。女子生徒はマリアと並び唯一女子で残ったリルニアを応援する。この二つの熱気が入り混じり、会場のボルテージは一気に上がる。


観客の戦前の予想はもちろんマークだ。しかもマークの圧勝だ。マーク相手にリルニアがどこまで善戦するかが見ものという予想だ。俺は実は違うと思っている。マークがどれだけ冷静にリルニアの戦い方を捌けるかで結果は変わると思う。


入部当初はレオナのように強くなりたいと言ったリルニア。彼女の努力は部員なら全員知っている。


確かに入部当初は対人戦が弱く、ケビンらに大きく差をつけられていた。だがその努力が一年もすると花を開く。それまで環境的に強くなるために必要な物が足りなかったリルニア、彼女に最高の環境が与えられ、その誰より努力を愛する気質に強さが追いついたのだ。


開始の合図で、両者が対峙する。そこには強者同士のぶつかり合いの空気が漂う。それに観客は驚く。リルニアも強いと思っていたが、ここまでなのかという驚きが観客席にあるようだ。


リルニアは弓を主武器にしている。しかし、対人戦の弱さを克服するためにシグルソン教官にレイピアを習った。これが予想以上にリルニアの力になった。


シグルソン教官はむしろ、弓よりもこちらの方がいいとわかっていたからと言った。実際に剣スキルを彼女は持っていたらしい。でも女性だし、親が狩人ということもあって弓を使っていた。実際に弓のスキルもあった。


リルニアはレイピアで刺突を繰り出す。マークはそれを捌く。どちらも基本スキルの武術のみの戦いをする。しかし、その技量が凄まじく、お互いの剣が何度も交差し、凄い音で、凄いスピードで、観客を魅了し始めた。



マークもリルニアの剣の技量の高さを知っていた。しかし、それを楽しむかのように剣で受ける。マークの悪いところが出た。受けてしまうのだ。マークは万能で、特に受けが強い。守りは俺らの代の実践戦闘研究会1だ。それ故に模擬戦で他の部員の攻撃を受けてしまう。


これが続くうちに、技量で勝ち、受け切って勝つことこそカッコいいと思っていた時もあった。それをシグルソン教官に散々に怒られたのは2年のいい思い出だ。これがマークの悪癖なんだ。特に後輩相手だとしがちだ。いいやつで、マークと打ち合うと勉強になると後輩からは慕われている。


だが、今は真剣勝負の場だ。これは良くない。徐々にリルニアが策を巡らせている。ああ、そろそろマークが厳しくなる。あ、そこ地面が削れてる。マークが一瞬だが足を取られた。その隙をリルニアが突く。刺突はマークの鎧を気づける。マークはダメージを負った。これには観客が驚く。まさかと。


しかし、マークは体勢を立て直し、対峙する。リルニアはマークの性格を理解して、あえてスキルを使わずに勝負したようだ。それで油断をさせた。リルニアのうまさが出た。


それでも、マークも顔が引き締まった。気を抜けばやられる。


俺らの代は、学院史上最強と謳われ、上の代がいなくなり、同期以外は敵がいなくなった。それ故の油断だ。マーク、それはダメだ。これはいい戒めとなる。俺はそれを知らしめるために学院対抗戦を企画した。どうしても最高学年になると最強になる。


だが、上には上がいると知れば、緒をしめることになる。きっとこの後の代にとってもいいことだ。それは騎士学院でも同じだ。急に強いものが出てくる。それを知ることで、自分の弱さを知る。


マークは徐々にペースを掴む。もうマークに油断も、隙もない。リルニアの敗退は決まったと俺も思った。しかし、リルニアは一気果敢に攻める。魔法と剣、そして投げナイフと。マークは冷静にそれを守る。マークの周りに魔法やナイフが散らばる。あれ?包囲のように武器や魔法がある。何か狙っている?


そして、リルニアが手を出すと急に散らばっていた武器や魔法がマークを襲う。凄い。多分、スキルだろう。だが知らないスキルだ。なんだろう。遠隔操作とでも言うのか。


体を離れた魔法やナイフがドンドンとマークを襲う。しかもその合間にリルニアがレイピアで攻撃を繰り出す。ナイフなどは遠隔操作だけでなく、自動追尾もついているようだ。


マークも今度は受けているのではなく、防御に徹するしかできなくなった。これを防げればマークが勝つが、しかし、かなりキツイだろう。


死角から攻撃を受け、それに集中すると、鋭いレイピアの攻撃が飛んでくる。一向にマークの反撃のタイミングは来ない。それでも守り続ける。マークもスキルをフルに使う。


マークがボロボロになるが、攻撃が止まった。リルニアは動けなくなった。そこにマークが近づき、剣を首元においた。何かマークが囁く。それにリルニアが涙した。


そしてシグルソン教官の

「それまで、勝者マーク」

と言う終わりの合図が会場を駆け巡る。その瞬間に狐につままれるように静かになった会場は一気に歓声が弾けた。その声が学院さえも揺らすようなほどだった。最高の試合だった。俺はリルニアの成長に涙が出そうだった。




そのあとも試合は続く。またリンゼルが勝った。これまた戦術勝ちと言える凄いものだった。相手を嵌め、リルニアが作った凸凹を使い、こけさせ、勝利を得た。


これはこれで、観客の拍手を得た。強いのではなく巧い。軍師らしい強さだ。でもその強さが観客に受けた。そして学院の生徒もその強さに喝采をした。今の学院は単純な強さだけが全てとは思わない良さを持つ。




そして二回戦の最終戦、マリア対ケビンだ。二回戦のラストにて、最大の注目カードに観客が騒ぎ出す。2年生以下の最強決定戦だ。リルニアも強いが、強さが違う。個では2人が強い。リルニアの戦い方は負けないやり方だ。ケビンとマリアは最強を目指す戦い方だ。


ケビンは開始の合図と共に攻撃を開始する。マリアはいきなりスピードを殺された。相手の土俵にさせないというケビンの気迫が最初は勝った。しかし、マリアはこの攻撃を避け、何とか間合いを取ろうとするが、ケビンは連撃で体勢を戻させない。ケビンの積み重た基礎がマリアを圧倒する。


マリアは獣化をするしか方法がなかった。それをケビンは待っていたようだ。獣化したマリアを挑発するかのように後ろに下がり、マリアの獣化を待った。これにマリアは怒ったようだ。獣化した際に出る理性をなくした顔になった。


そこからマリアのスピードと攻撃は凄まじく、ケビンは防御に徹するしかなかった。挑発は失敗だと観客には見えた。観客はため息をつく。俺は逆の感想だ。あえて、獣化させるという行為で理性を失わさせられたマリアに勝ち目はない。あとはケビンがどう仕留めるかだ。


ケビンは魔闘を使い、攻撃を防ぐ。遂にカウンターが決まる。マリアは吹っ飛び壁にぶつかる。ケビンは追撃をできる体勢で止まっていた。マリアが今年もリングアウトした。そして去年同様に負けたのに攻撃を出そうとするので、シグルソン教官に気を失わされた。俺はケビンの成長が凄まじいなと思った。騎士学院戦でもいい勝負ができる。そう確信した。



そして二回戦を終え、アナウンスをして休憩を挟んで、3回戦が始まった。全ての試合が予想通りの結果となり、ベスト4はヨークス、マーク、ルーイ。ケビンとなった。唯一いい試合をしたのがリンゼルだ。だが戦術で覆せたのは二回戦までで、面白い戦術を披露したが、ルーイの力の前に屈した。準決勝はマーク対ケビン、ヨークス対ルーイだ。明日、陛下と殿下の前で勝者を決める。


「リンゼル、いい試合をしたね。軍師としての矜持を見せてもらったよ」

「ありがとうございます。でもこれではダメです。これに個の強さを求めないと」

「あまり、焦るな。リンゼル!リンゼルはリンゼルの強さを求めろ。周りに引っ張られて、違う強さを求める事は危険だよ」

「あ」


「わかったね。今回の勝利は本当にいい勝利だよ。中身も、結果も素晴らしい。今の戦いを生かせる強さを求めていけばいい。無理に周りに合わす必要はないよ」

「はい」


リンゼルは涙した。多分、自分の弱さと向き合い、今回は戦い方を決めた。でもそれに納得がいかなかった。だから、悔しかったんだろう。周りの3年やケビン、マリアの強さなんかを見て。



俺はリンゼルを一人にして、リルニアの元へ

「リルニア、あの遠隔操作はスキルかな?」

「はい」


「そうか、凄いよ。戦い方も、スキルも使い方も、全てが凄かった。マークが負けると思ったよ。あとはあれを続けれるスタミナとバレた時の対象法だね。でも凄かった」

「ありがとうございます。そうですね。バレた時の対処法も必要ですね・・」


「あれは、自動追尾もついてるの?」

「はい。よく気づきましたね」

「ああ、リルニアが動きを合わせていたように見えたから」

「はぁあ。マルク先輩はやっぱり凄いですね」



「やあ、マリア、大丈夫?」

「はい」

「獣化をコントロールした時は驚いた。獣人族の方でも数人しかできないんだよね?」

「ええ」


「もしかして、負けを気にしている?」

「あ、はい。すみません」


「そうだね。負けを悔しがるのはわかるよ。でもね。マリアにはまだ時間がいくらでもあるよ。来年は代表になれる。それに今回の負けは力で負けたんじゃなく、力を使いきれずに負けたんだ。使い方を見つけた。それは去年より圧倒的に強くなった。でもね。それを使わせてもらえなかった。


じゃあ、どうすれば使えるのか、今のマリアの最大の成長できるポイントだよね。もっと戦術や心を磨けば強くなれるってこと。それがわかる事ってのは凄いんだ。俺は、スキルを知った当初、強くなれるかわからないまま、前を向くしかできなかった。これは凄く辛い。


でも槍術が上手くなった時、魔法を撃てた時、スキルを理解できた時に自分の強くなる方法がわかったよ。その時は視界が急に明るくなったように感じた。今のマリアは強くなる方法がわかっている。前を向いてごらん。マリアはもっと強くなれるよ」

「はい」


マリアは嬉しそうに微笑んだ。


ケビンの元へ行く。

「ケビン、すごいね。どの試合もケビンの成長をとても感じたよ」

「はい、ありがとうございます。マルク先輩に褒められるのは嬉しいです」


「そう。特に挑発したところ、あれは素晴らしいよ。あえて獣化させるという危険を冒して、理性を失わせる。最初の一撃からずっと狙ってたね。しかも、獣化されても勝てるという判断のもとに」

「はい。バレてましたか」


「まあ、ベスト4に入るメンバーにはね」

「そうですか。先輩方は高い壁です」


「でも壁の高さをもう見えているんじゃない。勝つ方法も」

「内緒です」

「そうか、頑張れ」

「はい」

こうして、今日の武闘会は終わった。それから生徒会で今日の仕事を終わらせ、片付けをして、終わる。


遅くなり、すみません。

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