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合宿④

2日後


俺らは午前は戦場で見て来た事を共有して、討論した。戦場を見た事で辺境伯領での戦線をもう一度考えていく。色々な意見が出てくる。戦場を見ると考えられる事も違うようだ。


「ああ、戦場を二回目も見たことで気づいたことはあるよ。道があった。そこを使わせないように、する工夫があったんだ。初めて見た時は傾斜に目が行ったけど、実はそれだけではなかった。道や進みやすい所などを使わせない工夫まであった。ハンニバル様はすごいと思う」

「そうですね。それはありました」


「ああ、そうだよ。リンゼル。これは兵士の方にも聞いて確認した」

「そうですか。すごいですね。よく気づかれたと感嘆しました」

「ああ、ありがとう。リンゼル」


その後も議論は続いた。少しずつ議論は白熱していく。

レオナとリンゼルの議論が特にすごく、皆にはいい勉強になったようだ。


午後は休みにした。俺は訓練をして、温泉に入り、のんびりした。


翌日


俺らは午前に領都に移動した。そして午後は領都オルガで観光をした。うちには領地持ちの貴族の子弟もいる。その子に領都を見せ、領内でどんな政策がされているかを学ぶ場を用意された。


これにより、多くの事を自分で気づくといい。ライル様らは特に説明しない。聞かれれば教える。自分で気づく事も勉強だ。多くの都市を見て、多くの事に気付き、学ぶ。


まあ、2、3年生は領都を観光したいというのもある。だから一つ一つ色々なものを見ていく。


「マルク兄上、こちらは食べた事ありますか?」

「これは、あれ?なんだ?」


「イチカンと言います。酸味の中に甘みがあり、美味しいです」

「へえ、お姉さん、一つもらえます?」


「あら、お姉さんなんて、こんなおばさんを捕まえて。もう一つ付けて二つあげるわ」

「ああ、じゃあ貰うよ」


「はいよ。これはおまけだよ」

「ああ、あれ?4つあるけど」


「横にいるのはリア様ですよね。いつも領主様にはお世話になっているからね。それにお姉さんなんて言われたからね」

「ありがとう」

「いいえ。かっこいいお兄さん」


「マルク、あれなんか、お姉さんにいいんじゃない?」

「ああ、メル姉にはこれだね。エルカ姉様にはこれかな。ユリア義姉上にはこれかな」


「ふふ。家族思いなのですね。マルク兄上」

「そうですね。マルクのお姉さん好きは根っからです」

「そうかな?ルーナ」


「このおもちゃ、アランに買ってこよう」

「アラン君が好きね」


「アランは可愛いよ。子供の可愛いさはズルいよ。近くにいるだけで笑顔になる」

「ふふ。叔父さんぶりがすごいね」


「マルク、お土産は買えた?」

「ああ、アレスは?」


「うん、買ったよ。ミルにも可愛い物を買えた」

「そうか。ミルちゃんはいくつだっけ?」


「ああ、10になったよ。再来年には王立学院に来るよ。その時は俺が2年面倒見て、その後は母上が1年間、王都にいらっしゃるよ」


「そうか、ミルちゃんも学院に再来年にはいるのか。みんな大きくなるね」

「おじさんっぽいね」


「ええ、マルクも叔父さんになってから、おじさんっぽいわよ」

「叔父さんだからね」


そして夜は宴を開いてもらった。ルイン様は要塞の兵士と学院の教員に魔法理論を教えてもらった事が嬉しかったようだ。


「やあ、マルク。学院の教員たちがいい勉強になったと喜んでいたよ。やっぱり本場は違うね」

「本場?ですか?」


「ああ、今や魔術詠唱研究会は魔法理論研究の総本山なんて言われているよ。そこに学ぶことができて辺境伯領の学院の教員は喜んでるね」

「そうですか。それはいいですね」


「ああ。それに、要塞でもいい刺激になったらしいし、魔法をできるようになった兵士も多いらしいからね。いいよ」

「そうですか。それはこっちも勉強になりましたから、お互いに良いことですね」

「ああ」


今度は

「マルク様、この度はありがとうございました」

「アカードさん、こっちこそ、ありがとうございました」


「いや、それにしても、実践戦闘研究会に、魔術詠唱研究会はすごいですね。学ぶ意識がすごい。兵士たちはこのままではダメだと、物凄く訓練を頑張っていますよ」

「そうですか。それは良いですね」


「ええ。良いことです。ルイン様が皆様をお呼びなされたことを感謝します。ただ、ゼル師匠にも来ていただきたかったです」

「ああ、ゼルは次の戦争の準備を手伝っているので、申し訳ありません」


「いえ、それはわかっております。戦場ではアルフ様と共に頑張ります。その前に王都にいく際にお会いできるでしょう」

「ええ、兄上をよろしくお願いします」

「ええ」


「マルク、今回はありがとうね」

「ライル様、こっちこそありがとうございました」


「ああ、ルドルフの顔つきが一段と良くなったよ。これもマルクのおかげだね。要塞への行きに話してくれたからだね」

「いえ、自分で気づいていましたよ」


「そうか。自分で。良い親戚を持てて嬉しいね。ところで、リアはどうかな?」

「リアは頑張っていますよ。さすがドンナルナ家です」

「そうか。目はなさそうだね」


「うん?何がですか?」

「いや、何でもないよ」

「そうですか」


こんな感じで宴は終わった。そして、明日帰る。


翌日


今日は王都の向け、王都帰還組はみんなで帰る。アレスやライル様らはここで別れる。

「ドンナルナ辺境伯様、この度はありがとうございました。我々、実践戦闘研究会にとって、本当に多くの事を学べる合宿となりました」


「ああ、こっちこそ実践戦闘研究会に良い影響を受けれたよ。ケビン君、実践戦闘研究会の皆さん、また来てね」

「はい」


「ドンナルナ辺境伯様、この度はありがとうございました。魔術詠唱研究会にとって、多くの事を学べました。学院の教員の皆様との討論は勉強になりました。また魔獣狩りをさせてもらい、多くの魔法を研究できました。ありがとうございました」


「こっちこそ、学院の教員にとってかなり勉強になったらしいよ。それに兵士も魔法を撃てるようになった。こっちも良いことばかりだよ。ありがとう」

「はい」


「テオ君、魔術詠唱研究会もみなさん、また来てね」


こうして、帰った。帰りは9日で帰った。特に問題は起きず、王都についた。


「みなさん、今日までお疲れ様でした。今回ご面倒をみていただいた、レアリア先生、シグルソン教官、ありがとうございました。参加いただいた先輩の方々もありがとうございました」

「魔術詠唱研究会の皆さん、お疲れ様でした。今回の合宿で学んだ事を、また二学期から生かして行きましょう」

「「「「「はい」」」」」


良い部長になったな。テオもケビンも。もう大丈夫、心配は要らない。

こうして解散になり、みんな帰った。俺も家路に着いた。明日から生徒会室で執務だな。


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