合宿③
翌日
俺らは午前は要塞の兵と訓練をしている。今日は個人戦と集団戦をする。俺は集団戦では一年生らとマリアと組んで戦う。
「よし、皆の戦い方はわかった。それじゃあ、ルケ君と俺が前衛だ。二人で相手を止める。その隙を中衛としてリアとマリアがつく。そしてリンゼルは魔法と弓でリアとマリアを補助し、後衛を先に狙ってくれ」
「「「「はい」」」」
そして、俺らは戦いが始まる。俺とルケ君はしっかりと相手の前衛と中衛を止める。その後にリンゼルとリアが魔法で攻撃する。いい。いいタイミングだ。後衛が避け、陣形がずれる。
そこにマリアとリアがさらに攻める。そして俺が前衛一人と中衛を動かせない。ルケ君も前衛を止める。いい。そこにマリアが後衛を攻撃して倒す。
そしてリンゼルがさらにもう一人の後衛を狙う。しかし、ルケ君が抜かれて、こっちの陣形を崩され負けた。
「ルケ、惜しかったね。でもよく頑張った。これからも訓練すればいいよ」
「はい。悔しいですが、でも訓練不足ですね。もっと訓練します」
「そうだね。一人を確実に抑えることは前衛の基本だね。倒すのはその先だから、一つ一つ行くといいよ」
「はい」
「リアはもう少し、事前の策を崩す勇気や状況を見て、動く事を覚える事も大事だね。前衛が厳しそうなら、助けに行くことも大事だよ」
「はい。マルク兄上」
「マリアは、いい攻撃だよ。だけどもう少し、集団の戦いを突き詰めるといい。まだ、個人の戦いになっている。位置取りが少し悪いね。
中衛は前衛も後衛も助けられる位置を取ること、前衛が厳しければ前衛を助ける。後衛が攻められている時は後衛を守る。その判断をもっと身につけることも大事だよ。頭を使うことも覚えよう」
「はい」
「リンゼルはいい判断ができている。戦術をよく学んでいるだけはある。攻めも位置取りはいい。だけど攻め手が弱いし、少ないね。もう少し、個を強くすることを励もう」
「はい」
「うん、でも皆よく学んでいるよ。一年目だ。ここからだよ。まだ強くなる方法もある。頑張っていることもしっかりとできているよ。自分のペースで頑張ることだね」
「「「「はい」」」」
こうして、訓練を終えた。俺も学ぶ所が多い。もっと指示を出すようにしないとな。
午後は要塞から戦場となった場所を見る。そして俺らが2年前に受けた説明を受けて行く。一年生、二年生はしっかりと学び、戦場をよく見て行く。
俺も昔とは少し違うふうに見える。戦場には傾斜だけでなく、歩きにくい地面の場所や道がある所もある。帝国が本陣を置いた場所にも歩きにくいところがあるし、歩きやすい道もあるとついて来た兵士から聞いた。
こういう所も使わせないようにしたり、使わせたりをしているのだろう。そこまで見えるようになったのは成長したのだろう。俺も少しずつ成長してるんだな。
そして、今日は終わった。しかし、要塞の兵士の人らが詳しく教えてくれるのはすごいな。ここまでしてくれる辺境伯軍の兵士の方々とルイン様には頭が上がらないな。
翌日
俺らは午前から戦場を見て行く。一年生のときに見た所を一つ一つ見て行く。説明も聞いて行く。みんな傾斜を教えられると「おおーっと」という声を上げる。そして、どんどんと見て行く。説明の度にリンゼルが「そうか」と呟く。戦術が好きなんだな。勉強になっているな。
そして、夕方になり、要塞に戻った。俺らは今日見たものを討論した。そして、今日は寝た。
翌日
また、戦場で見ていない所を見て行く。面白いな。戦地には見えていないことも多かった。
そして、今日の午後は要塞にいる兵の人らに魔法理論を教え、色々な魔法を試してもらった。それから、夜に宴をしてもらった。
「お疲れ様です。マルク様」
「アカードさん、お忙しい所を今回はありがとうございます」
「いえ、皆様の学びに付き合え、こっちも学ぶ所も多いですね。新人の兵士が自分より若いものが自分より強いと昨日から目の色を変えております。これは嬉しい誤算です」
「そうですか。お互いに良い影響があるのですね」
「ええ」
「ふふ。マルクも成長したよね。前にここに来た時は一年生だったかな。ゼルについてくる感じだったよね」
「いや、ライル様、赤ちゃんみたいに言わないでください」
「はは。ごめんよ。今や新英雄にそんな事を言っちゃダメだね」
「もう、ライル様」
「ははは」
「マルク、いつも見ている要塞も学ぶと色々見えてくるな。全然見えてないものだ」
「成長したから見える事もあるし、人から学ぶから見えるものもあるよ。アドルフは今、成長しているね」
「ああ」
こうして、みんなで話をして、楽しんだ。明日は要塞から魔獣が多い森の方に行き、辺境伯軍の魔獣狩りに付き合う。そして、俺らも魔獣狩りをさせてもらう。手前に出てくる。弱い魔物を狩り、追い返す。
これに付き合い、集団でやって行く。俺ら3年生や2年生がついて、一年生がして行く。まずは魔法や遠距離攻撃で、その後は近づいて攻撃する。それなりの数の魔獣を中に追い返す。ここでは朝から一部の兵を派遣して、その者らが訓練も兼ね。魔獣を追い返したり、打ち取ったりしている。もちろん監視もしている。魔獣の氾濫があると困るので、その傾向がないかを確認している。
訓練を終え、午後は休憩となった。俺は訓練に励み、頑張った。
そして翌日は要塞を出て、宿場町に戻って来た。戻って来たのは夕方だった。俺らは疲れを癒すため休憩をしら。俺はゆっくりと温泉につかり、疲れを癒した。




