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スキルの真実③

スキルの真実の最後


父上が帰宅なされたようだ。

「「「父上、おかえりなさいませ」」」

「おかえり。ラルク」

「おかえりなさいませ、ラルク様」

「ああ、ただいま、マルク、エルカ、メル、リネア。ゼルも仕事を任せてすまぬ」


「いいえ、ラルク様も連日の近衛騎士隊副隊長のお仕事で、お疲れ様でございましょう」

「ああ、聖国の連中がうるさくてたまらん」

「聖国はどうなの?」

「ああ、何とか煙にまけそうだ」


「そう。これで少しは帰ってこれるわね」

「ああ。リネア、家の事を任せてすまぬな」

「ラルク、そういうのはいいわ。元気ならそれでいいの。妻なんだから任せなさい」

「そうか。リネア、ありがとう。ところで、マルク、訓練はどうだ?」


「はい。槍術は切り上げと巻き槍に苦労していますが、少しずつ上手くなってると思います」

「そうか」

「はい。あとスキルの方は発動条件がわかりました」

「ほう、スキルの発動条件が?」


「はい。発動条件は常時発動するようで、私が飲め込めば、直接、間接関係なく発動するようです。そしてマナを得て力にできるようです」

「ほう、それは耐性系や吸収系スキルと同じか。それはすごい」

「ええ。これからゼルに武闘オーラを毎日見せてもらい、それを吸い続けて、今度はスキルも引き継げるか試すつもりです」


「スキルを引き継ぐ?」

「ふふふ。ラルクも驚くわよね。私も聞いた時は驚いたわ。あとで説明してあげる」

「そうか。だが、一つ疑問だが。常時発動型で、どんな形でも飲み込むだけで発動するスキルならば、食べ物や空気からも、飲み込む時に力を得ているのではないか?」

「えっ?父上、それはどう言う事でしょう?」


「うむ、空気にはもちろんマナがある。食べ物には少しだがマナがある。この世の生きとし生きるもの、ありとあらゆる物の全てにマナが宿る。だから食べ物を飲み込む事で、食べ物のマナを、空気を呼吸する事で空気中のマナを得ているのではないか?」

「あっ、そうね。その可能性はあるわね。気づかなかったわ。ラルク、すごいわ」

「父上、これはすごい発見です。ありがとうございます」


「そうか。マルクが喜ぶなら嬉しい限りだ」

「ん、だからマルクはよく食べるから体が大きい」

「そうかあ、そうだよ。良く食べるから。マナを吸収して、マル君はでかいんだね」

「そうね。それなら他の子より明らかに体が大きいのも頷けるわ」

「ええ、確かに。それにマルク様がマナの保有量も多いのも」

「ゼル。そうだな」


すごい発見だ。このスキルは万能な気もする。あとはスキルを受け継げるか?と、どこまで飲み込むことができるかがわかれば凄いことになるかも。

よし部屋に戻ったら、もう一度検証だ。


マルクが部屋に戻った後、

「で、リネア、スキルを引き継ぐとはどういうことだ?」

「ラルク、あのスキルはすごいのかも。誰かがスキルを使用する時に発したマナや気功を飲み込んで、他人のスキルを得ることができるかもしれないのよ」


「他の者のマナから他人のスキルを得るということか?でもスキルは『飲み込む』だけだぞ」

「マルク様は『飲み込む』しか持っていないのに、魔闘スキルなどを使えています」

「ああ、そうだな。それは俺も確認した」


「ということは、『飲み込む』の中に魔闘があるのではないか。ということでは?」

「つまり、スキル表示はないが、あのスキルで飲み込めば使える。いやあのスキルに含まれるということか?」

「ええ、しかも一緒に訓練して、そのスキルを見せてもらい、その横で呼吸をするのを繰り返してれば、いずれ使えるということです」


「待て、それはすごいんじゃないか?」

「ラルク、すごいなんてものじゃないわ。ありえない話よ」

「ええ、あのスキルは全てのスキルを飲み込み、全てのスキルを含有する。『飲み込む』というスキル一つで、ゼロにも全てにもなり得るということです。しかも簡単な手順で。これは全能スキルとも言えます」


「全能スキルか」

「神にも等しいスキルかと。あくまでマルク様の言うことが正しければですが」

「マルクのことは秘密にしないとね。特に聖国にはバレたらまずいわ。ラルク、私のこともあるのにごめんなさい」

「いや、謝るな。リネアに惚れたのは俺だ。リネアを妻にすると決めたのも俺だ。それにマルクは俺の子だ。例え何があろうとも俺が守る。それが父親というもの」


「ええ。ラルク様、そうです。このゼルもこの命なら幾らでもおかけします」

「ああ、ゼル。気持ちだけは受け取っておく。しかし聖国はマルクのスキルを知ったら、騒ぐだろう。全能だ。神に等しい。それに魔法もそうだ。トルネストの時でもあれだけ騒いだのだ。もしマルクの理論が正しいと解れば、あいつらを刺激する」


「ええ、マルク様の魔法理論では、スキルはただの記憶装置や補助装置と言えます。この世界の中心はマナで、それをどう扱うか?が重要と証明されてしまいましたからね」

「あの理論は、天神教の狭義教義である『神が作りしスキルこそがこの世界のルールである』というのに反する。危険だ。それに加えて、あのスキルだ」


「ええ。あのスキルが知られるまでに、魔法理論を知らしめるその時までに、マルク様には力をつけて頂かないといけません。訓練をじっくりとして、しっかりと力をつけてもらいましょう」

「ああ、そうだな。リネア、ゼル、頼むな」

「ええ。任せて、ラルク」

「ええ。お任せください。ただ、マルク様のあのお噂はマルク様にはお辛いでしょうが、マルク様の為にも否定しない方がいいでしょう」


「無能とかいうやつか。あれをか。胸糞悪い」

「ええ。マルクが可愛そうよ。どうにかしたいわ」

「ラルク様、リネア様、お気持ちわかりますが、マルク様が聖国や魔族国家に対抗する力を得るまでは、マルク様のお力を隠すために使えるものは使わなくてはいけません」


「そうね。ゼルの言う通りかもね。でも、マルクには辛い想いをさせるわ」

「ああ、マルクが辛い時は俺らで支えてやろう」

「そうね、ラルク」


「きっとマルク様は乗り越えます。マルク様の一番の才能は折れない、諦めない心の強さです。あの歳であれ程の強い心を持つ方を私は見たことがありません」

「ああ、マルクは強い。俺とリネアの子だ。それにゼルの弟子だしな」

「ええ、そうよ」


「この辺でお終いにしましょう。ラルク様もお疲れでしょうし、お二人でゆっくりする時間も必要でしょう」

「…ああ、そうしよう。」

こうして話し合いは終わった。


『飲み込む』が正に万能か?

ここから実験回に。


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