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ご奉公

2週間後


明日から合宿に出発する。その前日の今日、父上はお休みで、兄上らがいらっしゃる。なんでいらっしゃるのかはよく知らない。


父上と今日も朝から訓練する。最近は模擬戦が中心だ。俺の経験を増やすことが課題だからだ。基礎訓練もするけど。それで父上と打ち合う。硬化や疾駆を使い戦う。スキルを使って戦うのは経験する回数がなかなか作れない。よほど強くないと怪我させてしまうからだ。父上やゼルならば問題ない。


「ふむ、なかなか、疾駆も、硬化もきっちりと使えているな。他にも何か使っているのか?」

「はい、身体強化と剛力を使えるようになりましたので、アクセラレーションや剛力、身体強化と硬化や疾駆を使い分けるように頑張っております」


「そうか。まだ使いきれてないな。それにまだ使い分けも上手くいってないな。そこを狙えるぞ」

「はい。それが問題です。もっと使えるようになりたいと訓練しています」


「うむ。使い分けや使い方が上手くなれば、俺も勝てぬようになるかもしれないな、今でもかなり厳しい戦いになっている」

「ええ、私もそのミスが減れば、もう勝負で勝てなくなります。すでに王国最強と言えるレベルに足をかけ始めていますね。マルク様」


「そうか。ありがとうございます」

「ああ。頑張れ。いつでも付き合ってやる。そろそろ引退も考え始めている。もう45を超えたからな。若い者に道を譲らんとな」


「ふふ、私は60を超えましたが、まだ現役です。ラルク様はまだ大丈夫です」

「相変わらずだな。ゼルよ、お前はいつ衰えるんだ?」


「さあ。武術家は鍛えれば、衰え知らずですよ。ラルク様は最近鍛錬を怠っているのではないですかね」

「う、そんなことはない」


とそんな話をして、また訓練をして、汗を拭き、兄上を待っていた。


「マルク、この前の研究は凄いわね。よく考えたわ」

「母上、ありがとうございます。これからもっと魔道具は使いやすくなります」

「そうね。あの研究はそうなるわ。軍も強くなるでしょうね」


「ああ、コーネリアスが楽しそうだぞ。聖国に一泡吹かせてやるとか、呟いておった」

「ああ、皆様、聖国には思うところがあるのですね」


「まあな、俺らに世代は聖国が帝国を支援したことで多くの友を失ったしな。それにこの前の荒れた領地だ。コーネリアスの友人があそこの次期領主だったからな。それを聖国のせいで亡くなったんだ。あいつからしたら、思うところがあるだろう」

「そうですか」


「うむ。聖国の連中が最近も王国に人を潜り込ませたからな。それを捕まえて、拷問で色々と聞き出した後に聖国に返してやった。そして、した事から賠償を求めておいた。もし支払わない場合は農作物の輸出を止めると脅し付きでな。聖国の地は農業が少ししづらいからな。あいつらは困っておったな。だが、支払いはさせたぞ」


「そうですか。まあ、足並みを一緒にする必要もないですね」

「それがな、まあ、後で話す」

と話があるんだろう。兄上が来るのもその話か?だとすると、なんでわざわざいらっしゃるのかな?アランの顔を見たいのかな?


兄上が来た。

「遅くなりました。失礼します。父上、母上」

「ああ、来たか。よく来た。アルフ、ユリア」

「いらっしゃい。アルフ、ユリア」


「よくお越しで、お元気でおられましたか?ユリア義姉上、兄上、アラン」

「ああ、マルク」

「ええ。元気でした。お義父様、お義母様、マルク、今日はお忙しい中時間をいただきありがとうございます」


「うむ。元気ならよい。アランもよく寝ている」

「はい」

「うむ、で、あの話だが、いいのか?」


「はい。父上。私は一度道を間違えた者、まだその時の恩を返せておりません。ユリアに苦労をかけますが、お話を受けたいと思います」

「そうか」


「あの〜、お話とは?」


「うむ。先程の話だがな、実は聖国と協力することになりそうだ。実はランブル魔王国が魔族国家リブルを攻め、もうすぐリブルが陥落しそうだ。そうなれば魔族国家は統一国家ができる。そうなると、次の狙いは聖国か、我が国の友好国の有角族国家ラムオレとなる。


それで、王国もラムオレの支援と聖国の支援をする。聖国以上にランブルは恐いからな。聖国側は帝国が、ラムオレ側は王国と獣人族国家が支援と協力をすることになった」


「そうなのですか」


「それでな、誰かを将軍として派遣する話だが、アルフにその役をどうだと来た。本人もやる気がある。だが、来年に派遣となる予定だが、子も生まれたばかりだ。


だから今日アルフには来させた。そしてそうなるならば、女、子供だけにするのは不安だからな。うちか、ルクレシアス家に戻ることをさせようと思ってな」


「そうですね。それはそうした方が良いですね」

「ああ、でアルフ、ユリア、どうする?」


「はい。父上よりお聞きしてから、考え、ユリアと相談しましたが、こちらででユリアとアランを面倒見ていただきたいと思います」

「そうか。ユリアもそれで良いのだな?」


「はい。私はもうルクレシアスではなく、ドンナルナです。それにここは世界一安全かと」

「そうね。ラルク、私、ゼル、それに新英雄様までいるわ」

「母上、おやめください」

「ふふ。もう照れちゃって」


「はは。まあ慣れろ。俺は今回のことで追いつくぞ。マルク。まあその為に行くわけではないがな」

「そうですね。いつまでになるのですか?」


「まだ、わからないんだ。多分、1、2年は最低でも行くことになる。それまではアランとお別れだ。唯一の悩みがアランに忘れられることと、ユリアに会えないことだな」

「良い夫婦のようで、ご馳走様です。兄上」

「な、何を言う。普通だ」


「え、義姉上を大事にされていないのですか?ああ、義姉上が可哀想だ」

「な、そういう演技をできるようになったのか」

「商売交渉学で学びました。日々、成長しているのです」

「「「ははは」」」


「な、父上、母上」

「アルフ、マルクに一本取られたな。もっと励め」

「はい」


こうして、兄上らと話し合いは終わり、俺は起きたアランと遊んだ。

「だあ、だあ」

「アラン、いないいない」

「だ、だあ?」


「ばああ。ふふ。アラン、マルク叔父さんはいますよ」

「だああああ。だあだあ」

「アラン、マルク叔父さんは楽しいわね」

「だ、だああ、だ」


「楽しいって言ってるみたいですね」

「ふふ。そうみたいね」

こんなふうに楽しんで今日を楽しんだ。明日は合宿の出発だ。


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