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引退 輝きを放つ者たち

1週間後


俺は訓練をして、学院に向かう。門を抜けるとリーゼに会った。

「おはよう、リーゼ」

「おはようございます。マルク会長」

「ああ、何だか会長は慣れないな」


「はあぁ、慣れてください。今日からマルク君が生徒会長です」

「ああ、わかったよ。リーゼ。今日からよろしくね」

「ええ」


「今日の放課後は部活に行くからよろしくね。明日からは生徒会を中心にするけど、今日だけはね」

「ええ、聞いております。大丈夫です。こちらで対処しておきます。ただ仕事は溜まりますので、明日以降、頑張ってください」


「手厳しいな」

「当たり前です。マルク君は生徒会長なので、仕事は多いです」

「わかった。よろしく」

「はい」

そして、教室に行く。


教室では、学院祭の話題で盛り上がっているようだ。

「おはよう」

「「「「「「「「「おはよう。生徒会長様」」」」」」」」」

「やめてくれよ。みんなでからかわないでよ」

「ははは。武闘会で一位を連覇しても、生徒会長になっても変わらないわね。マルクは」

「そんなに人間は変わらないよ」


そしてホームルームを終え、授業を受けて、空き時間に生徒会室で執務に励む。放課後になり部室に行く。


「では、実践戦闘研究会と魔術詠唱研究会の合同引退式を始めます。まずはみんなを代表して実践戦闘研究会部長の私アレス・スピキアーズが先輩方に感謝の言葉を述べさせていただきます。先輩方、本当にお疲れ様でした。


最初からずっと、裏方として支えてくれた先輩方、私たち二年生が足りない部分で引っ張ってくれた先輩方、心より感謝申し上げます。


前任のマルク共々、お世話になりっぱなしで何も返せずですが、精一杯、今日は皆様の引退をお祝いさせていただきます。これまでありがとうございました」


「続いて、私、魔術詠唱研究会部長、ルーナリア・アルメニアが部を代表して感謝の言葉を述べさせていただきます。魔術詠唱研究会の三年生の皆様、経験のない部長を一年間支えてもらい、心より感謝を申し上げます。


皆さまの支えでここまで部を大きくできました。心より感謝申し上げます。色々な苦労もありました。それでも皆さんと一緒に乗り越えて来たこと、心から嬉しく、


そして懐かしく思います。ただ今は感謝の念でいっぱいです。どうかいつまでもこの魔術詠唱研究会を忘れないでください。どうか、いつでも部室にいらっしゃってください。ここが皆さんの出発点としてあり続けられるよう、頑張ります。本当にありがとうございました」


いいスピーチだ。2人とも部長としての貫禄がある。素晴らしいな。


そしてシグルソン教官

「皆、ここまでよく頑張って来た。俺の生徒はすごいと胸を張れる。お前らの努力はきっとこの部の伝統になろう。これからも励み続けよ。お前らは王国の未来で、俺の誇らしい教え子だ。どんな苦しい時も俺の扱きを思い出せ。そうすればできるだろう?どんな事も。だから走り続けろ。俺みたいな老人になるまで」

「「「「「はい」」」」」


そしてレア先生

「皆さん、お疲れ様でした。皆さんは本当にがんばりました。その頑張りはいつか実をつけ、また誰かの道しるべになる。私はそう思います。この魔術詠唱研究会の発展は皆さんの努力の結果です。どうかそれを誇りにこれからも頑張ってください」


ロドリス先生も送る言葉を言い、先輩方の言葉になる。リオル先輩から

「まずは、アレス、ルーナ、ありがとう。すごくいい会だな。そしてシグルソン教官、レア先生、ロドリス先生、お忙しい中、いらっしゃってくださった事、心より感謝いたします。


この部で学んだ事は多すぎて、言葉にできません。私はマルクの強さに惹かれ、ここに入りました。マルクの強さは心でした。その心を磨く事、これを学んだのが一番大きかった。俺が一番尊敬する人はマルクです。


そしてここにはマルクだけでなく、後輩でしたが、アレス、マーク、ヨークス、ルーイ、ルーナ、レオナと本当にすごい後輩がいた。彼らから学んだ事も本当に多い。でも学ぶためには心だ。心が弱い奴は強くなれない。みんな心を磨け。それがお前たちに残す最後の言葉だ。みんな、ありがとう」


ついでカリウス先輩

「俺はな、学院に行けない時期もあった。本当は最初からこの部に居たかった。でも三年生になり、入った。俺が来れなくなってからの初登校で挨拶に来た時、ふざけて入部しに来たと言ったんだぜ。


でも入れないなと心では思ってたよ。人気の実践戦闘研究会に三年生が途中からなんて迷惑だろうと。でもそれから通えるようになって、最初にマルクに会うと、マルクがもう名前を入れておきましたと言って来た時は正直、心が震えるほど嬉しかった。


ここが俺の居場所になった時の嬉しさは多分、誰にもわかんねえだろう。俺は本当に皆に、マルクに、同期に感謝している。最高の仲間だ。ありがとう」


次はクリス先輩

「まずはみんな、アレス、ルーナ、いい会をありがとう。俺は入学した時は弱かった。リオルやカリウスらにはまず敵わなかった。だから必死に強くなろうと思った。


シグルソン教官の授業も2年で取った。そんな時にマルクに出会った。マルクは凄かった。最初は無能という噂から、シグルソン教官の授業を受けているのを見たときは、バカにしてるのかなと思ったよ。俺は努力してここにいるのに、マルクは舐めていると。


でも違った。スキルを使わずにシグルソン教官と打ち合って、本気にさせた。俺にはできない事だった。そこには明らかな努力が見えた。スキルがないと知って、それでも諦めずに頑張った者が持つ美しさにも思える努力の跡が。


俺の目標にもう1人、マルクが加わった。そして最後の学院祭、マルクとリオルには勝てなかったが、俺の目標の1人、カリウスには勝てた。


だからみんな諦めるな。俺はここで誰より凄く努力して来たマルクを見て来た。そして、それに負けないと努力するリオルやアレスらを見て来た。彼らの努力を見ろ。努力するものは強くなれる。


俺もカリウスに勝てた。弱かった俺がだ。だからみんなもやれる。頑張れ。みんなありがとう」


そしてジュライ先輩、ジンダ先輩、ラックス先輩、ルックス先輩らと続いていく。そして最後はライル先輩だ。


「まずは、みんな、こんな立派な式をありがとう。アレス、ルーナありがとう。俺はこの部に入った時、みんなの気迫に驚いたよ。そして負けたくないって心から思った。


本当はね、マルクが羨ましい、妬ましいと思っていた時期もあったんだ。俺には無い物を持ってたマルク、俺にはいらない物を持たないマルクが。笑い話だけどね。


でもね。その反面、親戚だからね。マルクの大変さも知っていたよ。だから尊敬もしてた。


それがここに入って、どうでもよくなった。マルクは本当に努力する。皆を楽しませようとする。俺は正直驚いた。後悔もしたよ。俺が抱いてた嫉妬は馬鹿馬鹿しいってね。


本当に努力できる人は素敵だよね。ルーナもアレスもすごいよ。リオルやクリスら同期も、レオナやマークら後輩たちも、ケビンら一年生も。みんなの努力を見る度に俺はもっと、もっとって思ったよ。


ルドルフにも見せてやりたい。本当にみんな、ありがとう」


少し、驚いた。ライル様が。でもいいスピーチだ。


「最後にマルク元部長、贈る言葉をどう?」

「え?」

「先輩たちみんな、マルクが始めた事に感謝してるんだ。マルクの言葉で引退させるのが、始めた者の務めじゃない?」

「マルク、お前の言葉をもらえないか?」

「ああ、そうだな。誘った奴が何も言わないのはな?」

「「「「「ああ」」」」」

「そうですか。わかりました。皆さん、元部長として話させていただきます」


少し間を置き

「まずは先輩方、お疲れ様でした。魔術詠唱研究会も、実践戦闘研究会も、ここまで部が大きくなったのは先輩方のおかげです。私やルーナ、アレスは未熟なところもあったでしょうが、先輩方が支えていただけたからここまで来れました。


皆さんは部の基礎でした。皆さんがいたから、部は繁栄したんだと思います。そして皆さんと一緒にできたこの2年間が私という人間のこれからを決めるような気がします。


先輩方は私を褒めてくださりましたが、私にとって先輩方こそが英雄でした。私のようなものが作った部、私とルーナが代表の部に入り、未熟なところも多い私たちを常に支えてくれた先輩方こそ、この部の英雄です。


皆さんが努力された事はきっと輝く事になるでしょう。そして皆さん全員が伝説と言われる日が来ると思います。本当にありがとうございました」



先輩方が涙した。本当に嬉しい。ああ、涙が出る。先輩方と過ごした日々が思い出す。リオル先輩と戦った学院祭、クリス先輩に言われたあの一言、ジュライ先輩やジンダ先輩と笑いあった日々、ラックス先輩やルックス先輩とイタズラした事、カリウス先輩が戻って来た日の事、全ていい思い出だ。


そして実践戦闘研究会は最後の模擬戦をする。戦いたい者に挑む。俺は先輩方と全員と戦った。

うちの部らしい終わり方だ、アレスは粋なことをする。そして引退式が終わり、俺らは家路に着いた。


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