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武闘大会2日目二回戦

翌日


俺はいつも通り、今日も訓練をして、学院に向かう。門は人だかりだ。魔術詠唱研究会のブースに立ち寄る。

「ルーナ、昨日は大変だったみたいだね。大丈夫?」

「はい、実践戦闘研究会の方も来てくれました。今日から武闘会に人が流れていく予定ですから、大丈夫です」


「そうか。よろしくね」

「はい。マルク、頑張ってください」

「ああ」


そして、闘技場に行く。俺は闘技場でストレッチをして、待機所に行く。メル姉とエルカ姉様は早くから来ている。どうやら、回復士を増員してくれたようだ。自分が見たいからもあるだろう。


ついで、アナウンスが始まる。俺はリングに行く。

「はい。本戦参加者の確認をします」

確認がすみ、本戦のルールなどが言われて行く。参ったをした場合はどう追撃をしない。リングを出ても負け。気を失っても負けといったものだ。


「では、1時間後に始めます。準備をしてください」

「「「「「はい」」」」」


そして始まる。1戦目は俺からだ。客席寄せも含めて行う。俺の相手は騎士学院の二年生の人だ。一昨年、学院を卒業しているから知らない人だ。何故か睨んでくる。よくわからない。


「さあ、これから武闘会を始めます。1戦目は昨年の武闘会を優勝し、魔法理論を作り、巷では『魔法の真髄を覗く者』、『新英雄』と言われるマルク・ドンナルナ選手です。今回も優勝候補の一角、それに対するは、前々年度王立学院を首席卒業された天才、ザイン・ロンメル選手、騎士学院で頑張っているザイン先輩です。どちらが勝つのか?面白い戦いになりそうです」


実況が入る。今年は紹介を兼ねて、試合前に実況が入る。試合中はしない。去年不評だったから。


「両者いいな?始め」

俺とザインさんは対峙する。いい構えだ。隙はあまりない。だが甘い。


ザインさんがジリジリと自分の間合いにしようと近づく。だがやらせない。俺は一気に突きを行い、相手を牽制する。ザインさんは右腕に軽くあたり、顔を歪め、怯む。


ここで俺は一気に攻勢に出る。畳み掛けるように連撃で一気にリングの外側に追い込む。そして最期の一撃でザインさんは吹っ飛ぶ。リングアウト。勝ちだ。


「勝者、マルク」

「おおっと。マルク選手が怒涛の攻撃でザイン選手をリングアウトにしました。見事な勝利です」


こうして勝ち抜いた。相手は特に大きな怪我はないようだ。まあ、あの攻撃を、受け身をするぐらいはできるだろうな。それぐらいの強さが感じた。ただそれぐらい。何を思って睨んでいたかは知らないが、敵じゃない。


ついで、リオル先輩がうちの一年生と、アレスらが知らない騎士学院生や魔法学院生や冒険者と戦い、難なく勝った。


そしてジンダ先輩、ジュライ先輩、カリウス先輩らも実践戦闘研究会の二年、三年生、獣人族国家の人ら相手に勝ち抜いた。


また、獣人族国家の学院生1人とヨンダルとマイル先輩が勝ち抜き、一番最後の試合がケビンとリック先輩だ。これは面白い。リック先輩が勝つというのが予想だが、最近、ケビンは魔闘を使い始めた。ケビンには母親の家系で獣人族の血が微かに入っているらしい。


ハーフはスキルがないが、血が薄まるとスキルは出てくる。クウォーターから。ケビンはかなり薄いらしい。でも獣人族特有の魔闘ができる。先祖が相当な魔闘の使い手なのだろう。


試合が始まる。2人は対峙する。どちらも洗練されたいい構えだ。リック先輩には隙がない。また強くなったようだ。しかし、ケビンが仕掛ける。


まあ、あのまま待てばジリジリとリック先輩の間合いに持ち込まれ、負けていた。いい判断だ。この辺も強くなっている。魔闘はまだ使わないようだ。あれは武闘オーラもそうだが、マナの消費が普通はすごい。だから俺以外は簡単には、武闘オーラも使わない。


一気にリック先輩に近づく、しかし、簡単にいなし、今度はリック先輩が攻める。早く、鋭い。基本剣技で相手にする。スキルはマナの消費を考えて使うのが基本だ。この辺もリック先輩は堅実だ。相手の技量を見極めて戦う。


ケビンは押されて行く。技量は明らかにリック先輩が上、どうする、ケビン。行った。魔闘だ。足に纏わせ、スピードを上げる。これにはリック先輩も、会場も驚く。一番驚いているのは獣人族の人だ。


かなりのスピードで突きを応酬する。これにはリック先輩もたまらずスキルで応戦する。リック先輩のスキルは疾走と無拍子という。


『無拍子』は予備動作なしの剣技を出す。これには最初、俺も苦戦した。しかも卒業前に疾走を得たから、この技はかなりやばい。ケビンのスピードに合わせてくる。しかも無拍子だ。決まった。


無拍子を知らないケビンには厳しいだろう。しかも無拍子がさらに鋭くなった。隠しておきたかったスキルを出させたんだ。ケビンは成長著しい。


「負けました」

「そこまで。勝者リック」


ケビンとリック先輩が戻ってきた。

「負けました。マルク先輩と戦いたかったです」

「相手がリック先輩じゃな。でも先輩の奥の手を出させたんだ。すごいぞケビン」

「ありがとうございます」


リック先輩が疲れた顔でこっちに来た。

「やあ、マルク、お疲れ様。ケビン君は強いよ。正直に言えば、一回戦では無拍子と疾走は隠しておきたかったなあ」


「そうでしょうね。無拍子が鋭くなりましたね。正直、初見は厳しいかもしれません」

「そうだろう。くそ。ケビン君に苦戦しなければ。実践戦闘研究会の後輩たちは本当に気が抜けない」

「はは。鍛えていますからね」


「ああ、あの環境は、騎士学院よりすごいよ。騎士学院もいい生徒が多いけど、実践戦闘研究会は部員の質がもっといいし、教官もいる。伸びるよ。もっと早く入れていればね」

「でも、今年の首席候補をマイル先輩と争っていると聞いていますよ」


「ああ、後輩達が頑張っているからね。俺も少しでも強くなろうとしているよ」

「それに、愛する者に支えられている。強いはずです」

「な、な、マルク、そういうのは止めよう」

「ははは」


アナウンスが聞こえた。一回戦が終わり休憩に入るようだ。

「マルクは難なくか、強いな、相変わらず」


「カリウス先輩も同じ実践戦闘研究会の三年生を相手に余裕じゃないですか」

「余裕はねえよ。そう見えたかもしれないが、実践戦闘研究会は気をぬくと負ける連中ばっかりだ」


「ふっ。カリウス先輩もそうですよ。俺も全員に気を抜けないです。ここからは一戦、一戦が重要になります」

「ああ、そうだな」


「よお、マルク」

「ヨンダル、キュリロスと対戦なんてね」

「ああ、手の内は知っているから大変だった。何とか部長の面目は保てたよ」

「頑張ってね」

「ああ」


「マルク、負けちゃったわ」

「獣人族の人は強いよ。見てたけど、かなりやるね」

「ええ、スピードと魔闘ね。凄いわ。次でしょ?気をつけてね」

「ああ、ありがとう。エミリー」

「ええ、どういたしまして」


休憩も終わり、2回戦も始まる。あと二回勝てば、明日に進む。

「さあ、2回戦を始めます。2回戦の最初は優勝候補のマルク選手と獣人族国家からの挑戦者、マリア・ガウラン選手です。両者ともに一回戦をしっかりと勝ち、手を見せていない様子だ。マリア選手は女性ですが、獣人国家の学院1の強豪とのこと。どちらが勝つ上がるのか?」

「よし、では、始め」


お互いに対峙する。相手は武器を使用しない拳闘士のようだ。魔闘といい、いかにも獣人族の戦士といった感じだ。しかし、隙はない。強い。試合を見た時よりも対峙した方がそう感じる。これは気を抜けない。次なんて考えられないな。下手したら、アレスやリオル先輩と同じくらいだ。


一歩一歩と間合いを取り合う。ここが重要な相手だ。しかし、中々にいい駆け引きをする。間合いを取りきれない。


仕掛けてきた。間合いはまだだが、あっちも間合いの取り合いは分が悪いと見たか。だが魔闘なしなら対応できる。まだ余裕だ。獣人族らしい身体能力だが、俺もそっちは自信がある。


スピードの勝負になった。お互いのスピードで対抗する。相手は右に左にと凄いスピードで動く。だが俺もついていく。相手が焦れた、魔闘だ、一気にスピードを上げた。


俺も武闘オーラと疾駆で対抗する。ギシギシとリングが軋む。もう観客には見えないだろう。かなりの時間をお互いのスピードで動き回る。


しかし、獣人族の人はこっちを見て笑う。余裕がありそうだ。まだ奥の手があるのか。うん?なんだか獣人感が強くなった?あ、噂に聞く、獣化というやつか?それは危険だろう。


理性がある程度吹っ飛ぶんだろう?殺しかねないだろう。ここで出すもんじゃない。しょうがない、ここで決めよう。ここより先には絶対に行かせられない。この人は完全な脳筋だ。


俺は疾駆を使いスピードを上げる。一気に攻撃を開始する。獣化して理性が飛んでいるのかフェイントにハマる。ここで一気に武闘オーラで突く、これくらいしないと吹っ飛ばない。攻撃が当たり、吹っ飛んだ。ああ。リングアウトに持ち込めた。


だが、獣人族の人は立ち上がる。リングの外からこっちを攻撃しようとする。だがシグルソン教官が首に一撃し、意識を奪った。気絶しちゃったよ。


「勝者、マルク」

はあ、勝った。結構びびった。あの子はかなり強いぞ。みんな勝ち負けだったよ。少なくとも怪我をして勝てる感じだったと思う。


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