生徒会長
4日後
今日も訓練をして、学院に向かう。門を抜けると
「よ、マルク」
「おはようございます。カリウス先輩。ちゃんと卒業はできそうですか?」
「ああ、前期はトップ成績を取ったし、ちゃんと授業も出てる。大丈夫だろう」
「そうですか。ならよかった」
「ああ、部活も学院祭で引退だしな」
「ええ、恒例にそうなりそうですね」
「まあ、他はもっと早いけどな」
「ええ、うちは学院祭の武闘会がメインみたいな感じがありますからね」
「ああ、みんな、お前を倒したいって燃えてるぜ」
「まあ、負けないように頑張ります」
「さすが、無敗の男」
「やめてください。そんな凄くないですよ。何とか勝ちを拾っているだけです」
「ふふ。まあ、頑張ろうぜ」
「ええ」
と、カリウス先輩と別れ、教室に向かう。
教室に入ると、ギリギリになってしまった。
「おはよう」
「「「「「「「おはよう」」」」」」」
「はい、席についてください」
「では出席を取ります」
・・・・
「皆さん出席なされてますね。ではこれでホームルームを終わります」
とすぐに先生が入って来られて、ホームルームは終わった。―
「あ、マルク君、職員室に来てください」
先生に止められて職員室に向かう。
「マルク君、確認ですが、生徒会長をなされるという事を納得なされていますね?」
「はい」
「そうですか。であればいいです。教員も皆、マルク君の生徒会長は賛成です。むしろマルク君になってほしいと思っていましたが、やる気がないだろうと諦めていました。今回は受けてくれるということで、非常に喜ばしい限りです」
「はい、ありがとうございます」
「では、学院長とお会いしていただき、許可をいただければ、来期の生徒会長に決まります。今、大丈夫ですか?」
「はい、大丈夫です」
「緊張なさらずに。学院長と面談は形式的なものです。変な者がならないようというために会うという形式になっておりますが、そういった者は教員がそもそも推薦も許可もしないので、会うのはあくまで意思の確認程度です。では参りましょう」
「はい」
学院長室の前で、先生がノックすると
「学院長入ります。マルク・ドンナルナ君を連れて参りました」
「入ってください」
「はい、ではマルク君、入ってください」
「はい」
「マルク・ドンナルナさん、おはようございます。久しぶりね。入学早々に問題を起こしたラルクの子が生徒会長なんて、不思議ね」
「ははは、その節はお世話になりました。そして申し訳ありませんでした」
「ええ、その後も課題授業では、他の生徒を叱りつけたり、助けたり。そして魔法理論を発表して、多くの寄付金を学院にもたらしたり、貴方の話題で学院は持ちきりです。いい意味で、学院は貴方が入って大きく変わりましたね。感謝するわ」
「いろいろとご迷惑をおかけしてすみません」
「いいの。いい事の方が多いわ。シグルソン先生もいい方に変わられて、学院もスキル偏重がなくなり、生徒数も増えた事で、多くの生徒が成長しているわ。だから生徒会長として、貴方がなる事には期待しています。どうか頑張ってください」
「はい」
「いい返事ね。やる気十分ね。いいわ」
「許可いただき、ありがとうございます」
「これで学院長面談は終わりよ。部活や生徒会のことなどやる事も多いでしょう?さあ行きなさい」
「はい」
そして学院長室を出て、生徒会室に向かった。
「ライル生徒会長はいらっしゃいますか?」
「ええ、生徒会長室にいらっしゃいます。マルク・ドンナルナ君ですね。私は同じ学年のリーゼと言います。よろしくお願い申し上げます」
「はい。こちらこそ、よろしくお願い申し上げます」
「ええ、では」
「はい」
「ライル先輩、マルクです。入って大丈夫でしょうか?」
「どうぞ」
「失礼します」
「おはよう、マルク。今日来たって事は決まったのかな?」
「はい。先程、学院長と話して、来期の生徒会長としての許可をもらいました」
「そうか。じゃあ、来週から引き継ぎをするよ。よろしくね」
「はい」
「私の引退は学院祭の後にしようと思う。もし必要なら副生徒会長を選んでおくのと、生徒会のメンバーを残したい者を選んでね」
「はい。まあ、人柄次第ですが、皆、残ってもおうかと、それと1名か2名を副会長に指名したいです」
「そうか。いいんじゃない。僕は一人だけどね。みんなやりたがらないからね」
「そうですね。まあ、頑張ります」
「じゃあ、放課後に生徒会を紹介するから、来てね」
「はい、部室で2年生と話して、それから来ます」
「わかったよ。生徒会は全て集めておくからよろしくね」
「はい」
そして部室に向かった。
すると、三年生がいた。訓練を始める前のようだ。
「おはようございます。先輩方、報告があるので、少し、お時間よろしいでしょうか?」
「「「「「「「ああ」」」」」」
「では、来期生徒会長になる事が決まり、部長を降りる事に決まりました。次期部長はアレスがしてくれる事で承認を受けています。今日の部活で皆にも話そうと思います。先輩方には先に話したいと思い、部室に来ました。事後報告になり、申し訳ありません」
「いや、いいよ。来期は引退して、卒業している。マルクが決めることだ。それにアレスなら部長として大丈夫さ。俺らも不安無く卒業できるさ」
「ありがとうございます。リオル先輩」
「ああ」
「しかし、問題児が生徒会長ねえ」
「おい、それはマルクもカリウスには言われたくないだろう」
「間違いない」
「おい、ジュライ、ジンタ。てめえら」
「「「「「「はははは」」」」」」
「まぁまぁ、カリウス先輩。そう言って貰えると嬉しいです」
「そうか」
「後輩に慰められているぞ。カリウス」
「おい、リオル、せっかくマルクが納めたのに。この野郎」
「「「「「「「「はははは」」」」」」」
そして訓練を共にして、昼。
「やあ、みんな」
「お疲れ、マルク。職員室にはなんで呼ばれたの?生徒会のこと?」
「ああ、実は生徒会長になる事になったよ。それで、学院長の面談だね」
「そうなの?それはよかったわ。確かに私たちの代の代表はマルクだと思うわ。でもやらないタイプかなと思っていたわ」
「ああ、考えたけどね。でもせっかくライル様が推薦してくれたし。先生方も期待してくれているから、やろうかなと思って。で誰か副会長を頼めないかなって。どうかな?」
「俺にやらせてくれないかな?」
「いいの?マーク」
「ああ、むしろお願いしたい。俺は領地の経営をしなくちゃいけない。文官学院に卒業後は進もうと思っているから、是非お願いしたい」
「そうか。それは嬉しい。やりたい人がやるのが一番だからね」
「私もやるわ」
「レオナ、ごめんね。実践戦闘研究会の副部長をお願いしたいんだよね」
「アレス」
「そうなんだ。ごめん。アレスに部長を変わってもらおうと思うんだけど、アレスと話して、レオナには副部長を頼みたいんだ。やっぱり、レオナがいないと戦術研究がね。ダメかな?」
「そうね。私がいないと戦術の講義大変かしら。大分、一年生の中にいいセンスの子がいるけど。もう一年はいるわね。しょうがないかしら」
「ああ、ごめんね。レオナ」
「いいわ。マルク」
「じゃあ、俺とマークで生徒会。アレスが実践戦闘研究会部長で副部長がヨークス、ルーイ、レオナ。ルーナは引き続き、魔術詠唱研究会部長でお願いできるかな。俺も時間を見つけて、部活には参加するよ」
「俺もな」
「ああ、頼むね。マルク、マーク」
そんな話をして、お昼を食べた。
そして午後も先輩らと訓練をして、新体制についても先輩らに報告と相談をして、その後は部活だ。
「はい、皆さん。報告があります。実は私、マルク・ドンナルナは次期生徒会長と決まりました。それに伴い、実践戦闘研究会の部長の任を解き、部長はアレス・スピキアーズに変わります。そして、副部長も新体制になります。ここからはアレス新部長に変わります」
「変わって、新部長になります。アレス・スピキアーズです。よろしくお願い申し上げます。皆さんに相談なく部長に就任する事、お許しください。では、新体制ですが、副部長にレオナ、ヨークス、ルーイがなります。新体制で今日より活動することになります。よろしくお願いします」
「「「「「「はい」」」」」」
「では、最後にもう一度、前部長のマルク・ドンナルナより挨拶を受けます。マルクよろしく」
「あれ、それ事前の打ち合わせにないけど」
「うん、退任するのに挨拶なしじゃね」
「はあぁ。何も考えてませんが、挨拶をします」
皆が笑う。
「今日まで一年間を部長として頑張って来ました。最初は入れてくれる武術系の部活がないという自分勝手な理由で作った部活ですが、リオル先輩ら、そしてアレスらが入って、最初から20名を超える部活となり、右も左も分からずに、手探りで部長をして来ました。それでも多くの部員が楽しそうに活動する姿を見て、もっとよくしたいと頑張れました。皆さん、この部活は楽しいですか?」
「「「「ああ」」」」
「「「「はい」」」」
「そうですか。それはいいです。私は皆さんのその言葉、顔に励まされました。どうかこれからも頑張ってください。引退ではないので、できる限りは部活に参加する予定です。これからもよろしくお願いします」
パチパチパチパチ。拍手が飛ぶ。そしてケビンが泣いていた。引退じゃないよ。
そして、魔術詠唱研究会でも同様に副部長の任を解くことを発表した。ザックスやテオらが悲しんでいたが、これからも可能な限りは来る事を言うと、喜んでくれた。
そして、マークと生徒会室に来た。ノックをする。
「マルク・ドンナルナ、マーク・レオサードです。入ってもよろしいでしょうか?」
「どうぞ」
「失礼します」
「ああ、ようこそ。マルク、マーク。マークが副会長候補かな?」
「ええ。そうです」
「そうか。じゃあ生徒会を紹介するね。俺と会計のメイと総務のルッカは三年生だね。じゃあ、二年生のみんなは自己紹介して」
「さっきぶりね。リーゼ・レツィアよ。総務補助よ」
「ジェット・アイールだ。会計補助だ」
「書記のセンジ・バイレルトだ」
「マルク・ドンナルナです」
「マーク・レオサードだ」
「あとは三年生だね。二年生はできる子だし、性格もいいから安心して」
「はい。この後、少し話したいです」
「ああ、いいよ。時間は作ってある」
「はい」
そして、3人と話した。ジェットとは数回しか話した事はないが、一年で同じクラスだった。センジは違うクラスだが優秀と聞いた事がある。もちろんリーゼも。話すと悪い奴らじゃない。最初、固かったのは、俺の事を尊敬しているかららしい。特にジェットは同じクラスの時から尊敬していて、話したかったができないでいたらしい。またセージも魔法学での俺のやらかしを見ていたらしく。あの時に言った事に感銘を受けたらしい。変わってるなと思うがちゃんと理解できるんだから、優秀だな。3人共に残ってもらう事でお願いした。後、来年の生徒会への一年生の勧誘をお願いした。全員了承してくれた。
それから、マークと共にライル先輩のところに向かう。
「ライル先輩、全員に残ってもらう事で決めました」
「そうか。じゃあ大丈夫だね。引き継ぎはそんなにないし、学院祭はこっちでやるから、マルクとマークは生徒会に入るまで楽しんでね」
「「はい」」
こうして、生徒会室を後にして、訓練場に戻り、シグルソン教官の訓練をして、帰った。




