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合宿の終わりと授業の始まり

翌日

今日で合宿は終わりで、帰路につく。


「アルフォンス様、この度は迷惑をおかけし、申し訳ありません。そして素晴らしい歓待をしていただきありがとうございます」

「いいや。それ以上のものをもらったよ。船乗りたちが嬉しそうに魔法を試しているようだ。こっちも得るものばかりで、今度、寄付するからね」

「ありがとうございます」


「ああ、じゃあ、もう出るのかな。忘れ物のないようにね」

「はい。みんな出るよ。忘れ物ない?」

「「「「「大丈夫」」」」


「よし出発」

「おう」

こうして合宿は終わった。帰りも特には問題なく進む。そして7日後に王都についた。

学院で解散となった。多くの者が楽しかったという話で盛り上がり、帰ろうとしなかった。


「お疲れ、マルク」

「お疲れ様です。リオル先輩」

「ああ、最初で最後の合宿は楽しかったよ」


「よかったです。騎士学院に入学されても、参加していただいてもいいですが」

「おお、いいのか?」


「ええ、カリウス先輩。休みがもらえればいいですよ」

「う、3週間は無理だな」


「ふ、騎士学院を受ければよかったのにな」

「リオル、そう言うな。決めたことなんだ。エルナンデス家を継がなきゃいけない。これはしょうがないんだ」


「ああ、俺は次男だから、そういうのはないが、大変だな」

「俺も兄上がいますし、法衣貴族ですからね。家名を継ぐだけですね」

「いいよな。お前らは」

なんて話をして、家路についた。


夏休みの最後は部室で先輩らと毎日稽古をしていた。一年生の稽古も見て、そして、魔術詠唱研究会の学院祭への準備をした。今年も合同でブースをやる。


ただし、実践戦闘研究会が手伝う形式になる。俺らはブースをしない。何故なら今年の武闘会は何と学院生以外にも招待者枠を入れ、予選から始めるという開催案だからだ。俺も少し手伝う。生徒会から協力要請でこうなった。夏休み前にライル先輩から話をされた。


そのため、俺ら実践戦闘研究会はそっちに参加する者が多く。また手伝いもあるため、ブースは協力程度になった。


こうして夏休みは終わった。


二学期初日


俺は朝から訓練して、学院に向かう。学院に入ると

「おはよう、マルク」

「おはようございます。ライル様」


「ああ、今日から二学期だね。頑張ろう」

「はい」


「そうそう、ルドルフが二学期から復帰するからよろしくね。クラスも違うし、関わりはないだろうけど、何かあったら、助けてあげて」

「はい」


「じゃあね」

ライル様は自由登校でも、朝から学院に来て、学院祭の準備をするようだ。大変だ。受験も来週らしいのに。でも余裕で受かるとか。ライル様はかなりできるんだ。文官学院を受けるんだとか。


領主になる子や王宮の文官になる子が受ける学院だ。学園都市か悩んだらしいが、去年のルドルフの件で王国内の学院を選んだそうだ。嫡男のライル様が国外に出ると聖国が何をしてくるかわからないから。ちなみに文官学院の場合には生徒会長の経験は有利に進むとか。運営経験から入試の点数にプラスされるらしい。


最近は俺も進路に悩んでいる。色々と父上に相談中だ。騎士学院を受けるための要件が問題だ。いつぞやの兄上の言葉を今受け止めている。どうするかな?父上が動いてくれている。それも踏まえて考えなきゃな。


と、そんな話をして教室に向かう。

「おはよう」

「「「「「「「「おはよう」」」」」」」

「今日からまたよろしくね」

「ああ、よろしく」


「席についてください。おはようございます。出席を取ります」

・・・・・・


「はい。全員いますね。再来週は課外授業です。皆さんは一年生のうちに受けられているのでお休みです。そこまでは授業があります。頑張ってください」

「「「「「「「「「「「「はい」」」」」」」」」」」


と、ホームルームは終わる。俺は実技の授業に向かう。課外授業の日は、課外授業を受け終わっている実践戦闘研究会の部員は、集団戦闘研究会と合同ダンジョン訓練をする。2日を訓練して、ダンジョンに4日潜る。



「よし、授業を始める。今日も元気に行くぞ。一学期の最後はスマンな。荒れた領地の方の聖国協力者の潰しに協力してくれと要請があってな。そっちをしていた。俺はあそこ出身でな。色々とやらんといけなかった。悪いな」


先生は謝罪の後に一呼吸して

「では、授業を始める。今年は普段の授業を評価している。みんながんばれ」

「「「「「はい」」」」」


いつも通り、色々なチームで模擬戦をして行く。今日はクラスを2つに分けて、模擬戦をした。俺のチームとレオナチームで戦った。戦績は1勝3敗だった。


最近のレオナの戦術はロドリス先生をして、現役の軍師でもトップ10には入るとか。軍師として王宮に勤めているのが100名。各貴族が一名から数名程度は抱えており、全体で200名くらいは軍師をしているらしい。その中で10位以内に入ると称されるなのだから凄い。


一切の手加減なしで戦術をされると正直戦いようがない。あの手、この手でこっちの戦い方を潰してこられ、手詰まりになる。これでは厳しいと思った。


まあ、集団戦闘の訓練だから、負けてもいいんだが、難しいなぁ。そして今日の俺の授業は戦術戦で負けて終わった。覆すことはできるが授業だからしなかった。他の講義生を怪我させないようにするためだ。


授業が終わり、お昼を食べに食堂に向かう。珍しく、リオル先輩らが食堂にいる。自由登校のため、お昼を外して、食堂にいることが多いのだが。


「おい、お前は何だ」

「ふん、うるさいガキだな。いつまで根に持っているんだ」

ああ、あの時の一年生か。まだ俺の悪口と実践戦闘研究会の悪口を言っているのか。


「ケビンの方が授業で強くなったのを何故不正と言う」

「それは、その雑魚が強くなるはずがない。薬か何かをしたのだろう。そんな不正をして何がいいと言うんだ」


「そんなのする筈がない。努力もせずに他人が自分より強くなると、人を妬んで、不正だなんだと貶めようとする。お前は何もないな。空っぽだ」

「な、何を言う。空っぽなのはお前のところの部長だろうが。無能が」


「おい、お前、調子に乗るなよ。俺らの方が先輩だが、口の利き方を無視はしていた。だがな、マルクをバカにするなら話は違う。今までもマルクが無視すると言っていたから許していた。それだけだぞ」

「う」


「お前は、一度心を入れ替えてみろ。バカが治らないとこれから大変だぞ。プライドに縋るな」

「な」

「もういい。どっか行け」


俺はリオル先輩らに近づく。

「先輩、大丈夫ですか」

「おう」


「お疲れ様です。何があったのかは何となくわかりましたが、大変でしたね」

「ああ、マルク。お疲れ様。ああ、あのガキがケビンに負けたのをどうとか言っているのを食堂で見てな」

「そうですか」


「ケビンがちょうど入ってきたから。もめてな」

「それはね。俺も去年はやり合いましたからね」

「そうなんですか」


「そうだよ。俺は貴族だから、ああいう貴族然として言ってくる奴らをやってやったよ。ケビンは平民だから大変だね。こういう時は頼っていいよ」

「はい」


「ああ、俺らもだ。くだらん。貴族というプライドに縋ってもいいことはないがな」

「ああ、それは俺とヨークスが一番わかりますね」


「ルーイはスキルに、ヨークスは立場に縋って、マルクに負けて、今は大丈夫だもんね。あの子も何か心を変えるようなことが起きればいいけど」

「彼は、貴族派ですか?」


「いや、王国派の貴族の4男だ。ただな親もあまり評判は良くない」

「そうですか。なんだかな」

「ああ」


「ケビン、あんなのに負けないようにね。俺も通った道だけど、ケビンの道も決して楽じゃない。だからこそ、折れない心が必要だよ」

「はい。マルク先輩のように、頑張ります」

「うん。そして、助けてくれる人たちを大事にね」

「はい」

と、そんなことがあって、食事を取って行く。


「マルク、進路は決めたの?」

「いや、まだだね。騎士学院には、入れないかと問い合わせているところだよ。どうも騎士の中には色々とあるみたいなんだ」


「そうか。古いしきたりがね。試験科目に武術スキルが必要だっけ?」

「ああ、騎士学院も、騎士試験もね。もういいんじゃないかって思うけど」


「まあ、それで弾いてきた人や試験に受かった人になんだかんだあるんじゃないかな。必死に受かるためにスキルを磨いたとかね。それをしない人に合格して欲しくないとか」

「アレス。そうなんだろうけど、そんなの試験でわかると思うんだけどね」


「そうかもな。ケビンなんか、スキルなくても、そこらの槍術家と変わんないけどな。マルクに至っては、もうゼルさんやラルク様、アルフ様以外は勝てないだろう」

「そうかはわからないけどね。案外知らない槍術家がいるかもしれない。そういう人に会ってみるのも面白いかもね」


「ふ。マルクの訓練バカが出てきたな」

「そうね」

いいかもな。騎士学院にも、騎士にもなれなかったら。冒険者になって強い人を訪ね歩く。面白いな。


そしてご飯を食べた後は訓練していた。アレスやレオナらはダンジョンに潜るみたいだ。俺らが夏休みに10階を見てきたことが刺激になったみたいだ。俺はリオル先輩らと模擬戦をして行く。


その後はマナを外に漏れないようにする訓練だ。少しずつ、繰り返し、少しずつよくして行く。まだ完璧にコントロールはできない。これができれば、困難な敵にも行ける。ただ、出さなくてもいいような戦い方も身につける必要がある。まあ簡単に言えば頼りすぎるなということ。


そして、今日の部活は基礎訓練の日だ。最近はわざわざ、教官をしない。一年生も自分で自分のダメなところを磨ける。故に素振りから始まり、打ち込みなどをして行く。黙々と自分と向き合い続ける。


そして、全体練習が終わると個人の訓練に入る。俺はまたマナが漏れないよう訓練する。

その横で、ケビンが素振りをしている。俺の素振りを見ているようだ。俺は武闘オーラや結界などを体に纏いながら素振りをする。最近は1日、全ての基本六技を2000ずつやる。武闘オーラを纏わせたり、マナを纏わせたり、疾駆や硬化を使いながらも入れて。


そして今日の部活も終了する。

「みんな、片付けをしてね。終わったら、自由に訓練場は使ってもいいよ。でもちゃんと掃除や片付けはして帰ってね」

「「「「はい」」」」

俺は生徒会室を訪れて、ライル様と武闘会の話をして、帰った。


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