合宿1日目
それから1週間後
合宿出発の日だ。今日から1週間をかけて、スピキアーズ領を目指す。人数は28名だ。スピキアーズ領に直接くる部員が22名いる。合わせて50名だ。不参加もいる。その辺は個々人任せにしている。
「みんな、用意はいい?」
「はい」
「では出発します」
今回は引率として、シグルソン教官とレアリア先生とゼルが来る。それに護衛として冒険者を数名を行きは頼んだ。荒れた領地がかなり平定され、分割統治されたために。それほど厳しくはないが、数十名単位の移動となるため、護衛を頼んだ。
予定では、移動に7日、スピキアーズ領に7日、帰りに7日の21日だ。去年の学院祭でかなりの部費を稼いだし、寄付も多い。故に部費は余裕がある。
スピキアーズ領を選んだのは、隣に砂丘があり、魔法を放っても問題ないこと。保養地でもあるので、合宿するのにちょうどいい宿泊施設があることだ。
これが大きい。学院内では宿泊できないし、何より気分が上がらない。だからスピキアーズ領を選んだ。海があるだけで気分が上がる。荒れた領地の道も整備され始めているため去年より楽だ。
7日かけてスピキアーズ領に着いた。道中は休憩の度に少し素振りする部員も多く、冒険者を驚かせた。また少し、魔獣が出たが弱いのは俺らが倒した。強めのは冒険者とゼルで倒してくれた。
「みんな、着きました。特に問題はありませんか?なければそのまま宿泊施設に行きます。では宿泊施設に行きます」
・・・
宿泊施設に着いた。
「冒険者の皆さん、今回はありがとうございました。帰りもよろしくお願いします」
「ああ。今回は楽だった。これなら何度でも受けるぜ」
彼らはゼルの知り合いだった。ゼルはたまに、冒険者協会の依頼で王都周りの魔獣倒しをしている。伝説の槍術家だし、父上と並び国内最強である。
そのため冒険者として依頼があれば動いていた。冒険者協会から王宮経由なのだが。だから冒険者と仲がいい。その中で腕がよく、気のいい者を選んで護衛に雇ってくれた。
宿泊施設には、アルフォンス様とエリカ様、リア嬢、そしてアレスがいた。他にも現地集合のライル様らもいた。
「スピキアーズ子爵様、この度はありがとうございます」
「ああ、マルク殿、大丈夫だ。今話題の魔術詠唱研究会と実践戦闘研究会の合宿が開かれたとなれば、保養として来る者が増える。こっちもいい話です」
「そう言っていただき嬉しい限りです」
「まあ、楽しんでください。心よりのサービスをするよう伝えておりますゆえ」
「ありがとうございます。よろしくお願いします」
と、アルフォンス様と挨拶をして、皆が部屋に行く。
「はあ、いい宿だね」
「ああ、アレスやアルフォンス様には感謝だな」
「ああ、マルクやマークの言う通り、アルフォンス様には申し訳ないくらいに、いい宿を用意してもらった。忙しい時に」
「ああ」
「俺らが名を上げることでしか、返せないよね。頑張ろう」
「そうだな」
こうして、今日はのんびりして、食事をして、明日から7日間合宿をする。食事も海の幸が多く、スピキアーズ領ならではの食事で皆が大満足だった。お風呂もよく、リオル先輩らと一緒に汗を流した。ここまでの旅の疲れも吹っ飛ぶ。
昼は2話投稿します。




